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転生したらRPGにすら出てこないグロ生物に生まれちゃった子のお話  作者: 倉石 雨


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48.首都まで

場所:首都へ向けての道(?)

私達を乗せた馬車の車列は首都へ向けて再び動き始めた。

あと2泊3日ほどで着くらしい。

スミレが増えてからというもの、私達の乗っている馬車は賑やかになった。

全てが転生して初めての光景なスミレと

そのスミレが分からないことを丁寧に教えるアマネ、

アマネが分からない時、代わりに教えるエジェルさん

…私?

スミレかエジェルさんのトランプの相手…くらいしかやることが無い。

まぁ3人が和気藹々としているのを見ているだけで満足だけれど。

…母親、或いは姉ってこんな気分なのだろうか


1日目の夕暮れ時、車列が止まり、小さな木のある場所で野宿することになった。

テントを立てて、焚き火を起こし、食糧を摂る。

ちなみに馬車に乗っている時は食事を摂っていない。

つまり4人とも昼食は食べていない。

けれど全員が元来、食事の必要のない種族なので大して空腹感もない…というか空腹感なんてものはそもそも無い。

「どうして必要が無いのに食事を摂るの?」

スミレがそう聞いてきた。

…言語化が難しい。

「うーん…娯楽って言えばわかるかな?」

「わかんない…ゲーム感覚〜みたいな?」

あまり理解していないらしくスミレは小首を傾げながらそう的外れなことを言った。

「えっと…例えようか。もしスミレが霞を食べてるだけで生きられる仙人様だとするね」

「うん」

「もしそれで、霞だけ食べてれば生きられるけれど、美味しいものを食べても良い。ってなったらスミレはどうする?」

「んーと…好きな時に、美味しいものを好きな量だけ食べる…かな?」

スミレはそう自信なさげに言って、えへへと笑った。

「そうね、私も同じ考え。で、ほとんど無に近い霞を食べて生きる仙人様と、何も食べてない…いや言い方を変えれば無を食べて生きる私達。そんなに変わらないでしょ?」

「そっか…んー分かった気がする…?」

「分かってくれた?やっぱりスミレは賢いね」

そう言ってスミレの黒髪をわしゃわしゃと撫でた。

「ふふーん!だって私、アマネのお姉ちゃんだもん」

そう自信ありげにスミレは言った。

可愛らしい。


2日目の早朝。

私はなんとなく早めに起きていた。

「おはようございます。ヘマ様」

アマネがいつものメイド服姿でテントの中から出てきた。背中には寝間着姿の寝ているスミレを背負っている。

「前世からスミレって朝弱かったりしたの?」

前世の妹であるアマネにそう聞いてみた。

「そうですね…うーん…平日は早かったですけど、休日がものすごく遅かった記憶がありますね。」

「学校があると早いみたいな?」

「そんな感じですね。お姉ちゃんがいた中学校は確か私立の有名なところでしたけど、その代わり遠かったみたいで…」

「なるほど」


2日目はどちらかといえばトランプでババ抜きをする時間が長かった。

何故か私とアマネが強く、他2人より比較的勝利回数が多かった。

「多分…私は母親の顔色とかを伺うのに慣れてたからでしょうか」

苦笑を浮かべながらアマネはそう言った。

私も碧菜か真乃が顔色を伺わなければならない家庭環境だったのかもしれない。


2日目の夕方、車列が止まり、今日も野宿することとなる。

焚き火を囲いながら、野菜と干し肉入りのスープと黒パンを食べる。暖かい。

アリアとアマネとスミレの絡みを眺める。暖かい。

おやすみなさい


3日目、早朝。

私は今日も相変わらず早起きをしていた。

「おはよう」

エヴェリンが話しかけてくる。

落ち着いてる方っぽい。

「予定だと今日首都に着くの?」

そう聞いてみる。

「そうね」

「…大きい?」

「エストブルクより大きいわ」

…どんな都市なのだろう。

次回、首都にて

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