47.スミレとアマネ
場所:ポズナニア
今日はポズナニアから旅立つ日。
そういえばアマネは3日間アリアとずっと遊んでいたから、スミレと顔を合わせるのはこの日が初めて。
「この子、スミレって言うの。転生者で、まだ日本語しか分からないの」
私はそう言ってアマネにスミレを見せる。
スミレはなんだか神妙な面持ちになっている。
前世で知り合いだったりしたのだろうか
対してアマネは特に特別な感情もないようで、微笑んでスミレのわかる日本語で自己紹介をした。
「初めまして、私の名前はアマネ。吸血鬼みたいな存在で、ヘマ様の従者です」
スミレは何かを確信したかのような顔をしたあと、アマネに抱きついた。
「アマネっ…アマネっ…憶えてる?私、スミレだよ…後崎 菫…貴女のお姉ちゃん」
アマネは困惑した顔をした。
念の為、私が補足する。
「その子、死んだ後、魂として結構な時間彷徨ってたみたいで、死んだのは中学生くらいらしい…わかる?」
するとアマネはハッとしてスミレを抱き返し、スミレに縋るように膝から崩れ落ちた。
「お姉ちゃん…?ほんとに…?そんな…でも…」
大粒の涙を流しながらアマネはそう言う
「いなくなっちゃってごめんね…大きくなったね…私のいない間も…頑張ってたんだね」
スミレはそんな風に言ってアマネの頭を撫でた。
「うん…頑張ったよ…お姉ちゃん…私、頑張った」
再会したアマネとスミレはその後も1時間半程度、抱き合ってた。
とても感動的な再会みたいだけれど、私とエジェルさんは唐突な展開過ぎて…まぁその…眺めることしか出来なかった。
ちなみに、アリアやエヴェリン達は、別のところで集まっていたからこの話を知らない。
エジェルさんは唐突にこう言った
「スミレって子の容姿、魂の形に近いものに変えておいたら?」
「そんなことできるの?」
「ええ、貴女があの分体の生みの親だし好きにできるわよ」
それを聞いて早速スミレの姿を変えることにした。
「ちょっと動かないでね」
そう言って両手でスミレの頬っぺたに触れる。
"肉体最適化"
スミレは軽く光り輝いて、形が変わった。
黒い長髪と前より少し低い背の少女になった。
ちょっぴり碧菜に似ているかもしれない。
あとアマネにすごく似ていた。背丈次第で見間違えるレベルに似るかもしれない
「これで姉妹ってすぐわかるね」
「…?あ、ありがとうございます」
本人はあまり気づいていないらしい。
「これで分かりやすくなりましたね」
静観していたアマネがそう言う。
「ついでに私も変えてくれないかしら」
エジェルさんが近づいてきて言う。
「やってみる」
エジェルさんの頬に触れる
"肉体最適化"
エジェルさんは軽く光り輝いて、金色の長髪と青い目を持った、シュッとした顔のかっこかわいい?容姿になった。
「やっぱりこっちの方が馴染むわね。ありがと」
そうエジェルさんは私に軽く礼を言った。
ポズナニアを旅立つ準備が出来たので、皆で馬車に乗り込むことになった。
ハウサー一家にはスミレのことを"アマネの姉妹"と説明しておいた。
…まぁ嘘は言っていない。
アマネはスミレと会えたけれど、私は香菜と会えるのだろうか
次回、首都まで




