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転生したらRPGにすら出てこないグロ生物に生まれちゃった子のお話  作者: 倉石 雨


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46.寄り道

場所:ポズナニア

首都へ向けた旅行中。

2日目は何事もなく1日が経ち、宿泊場所である街"ポズナニア"に私達は来ていた。

「ポズナニアの名物はロガーリウというクロワッサンに似た伝統菓子らしいです」

アマネがそう言う。詳しい。

「どこに売っているの?」

「それが…確かその長い歴史から、年々作る人が減っていって、現在では限られた職人だけが作るものらしくて、どこに売っているのか分からないのです」

困ったような顔をしながらアマネがそう言う

「うーん。滞在期間は数日あるし、観光がてらに探してみる?」

「そうしましょう」


私達の滞在期間は到着した今日を含めず3日らしい。

とりあえず、到着日である初日はお金を支払った近場の大きめな宿に荷物を運び込んで、夕食を摂って寝ることになった。

荷物を運び込むついでに見てみた宿の部屋の内装は、ノネトリ村の宿よりも安くて小さいものの、庶民的でなんだか新鮮な感じがする。

「良ければ朝食には食堂をご利用ください」

備え付けの食堂があるらしい。


日の落ちた夜街を、夕食探しのため歩く。

エジェルさんを連れて。

アマネはアリアに連れていかれたので今日はもう居ない。多分夜もアリアのところで寝る。

「久しぶりに2人だけね」

エジェルさんがそう言う

「…そうだね」

「寂しいって感情がちゃんと働くようになった?」

私の心を読んでいるかのようにそう言う。

「…そうかも」

「それは成長であり、弱さでもある。もしかすると貴女の最終到達点には、貴女1人しかいないかもしれない。もしかするとこれから何らかの形で、誰かを失うことになるかもしれない」

「失うとかは…嫌…かも」

アマネが死にそうになった時、私の頭は真っ白になった。

誰かを失ったら、またそんな感じに…いやきっともっと悪くなる

「なら貴女の力を全力で使って守りなさい」

「…頑張る」

「そう。頑張って」

そう言ってエジェルさんが私を撫でた


結局、小さなレストランを見つけて

夕食にはパンと干し肉と野菜のスープを食べた。

温かくて…悪くなかった。

今はエジェルさんと同じ部屋のベッドで寝転がっている状態。

「ねえ…エジェルさん。人に防護魔法ってかけられるの?」

「…自身の魔力を使い、自分自身に継続的に付与することならできるけれど。他人への付与は常時直接触れてる状態でも無ければ無理」

「お守りとかに付与して、生命の危機となる一瞬だけ防御を発動させる的なのは無理なの?」

「可能よ。そういう方針な感じなら常時触れて防御させられるよう貴女の分体を作るってこともできるけれど?」

…分体…エジェルさん的な…?うーん…

「じゃあ…作ってみようかな。分体」

"分体精製"

エジェルさんの身体を作った時みたいに、高位種の頃の私の身体っぽいものが出てきた。

抱き寄せる…冷たい。

「空の上にある魂を取り寄せるイメージをして、血をあげて」

「…わかった」

空の上から魂?を取り寄せるイメージで…血をあげる…

血をあげてみるとピクリと動き、髪の赤い部分が黒くなっていき、目を開けて声を出し始めた。

「ゴホゴホッ…ここ…どこ?」

…あれ?ちゃんとした人間みたいな反応…分体ってこんな感じなの?

分体がこっちに目を向けた。

「あ…えっと…初めまして…?私って何故ここにいるんですか?」

どうしてだろう…私も分からない。

「私が説明するわ」

エジェルさんがそう名乗りをあげた。

「貴女は残念ながら前世で死んじゃったみたいなの。それで今貴女を抱いている彼女が、その死んだ貴女の漂ってた魂を回収して、今の貴女の身体に入れた感じ」

分体は少し自分の手や足を見る仕草をした後、何かを思い出したかのような顔をした

「そういえば私、確か飛行機事故で…」

…エヴェリンと似たような死因?

「ちなみに…貴女の名前は?」

分体にそう問いかける

「私の名前は…確かスミレ。中学生…だった気がする」

「記憶が曖昧なの?」

「多分、少し長めに漂っていたせいね」

「うーん…とりあえず、よろしくねスミレ」

そう言って、スミレの頭を撫でてみる。

「は…はい」

少し緊張しているみたい

今日はもう暗いしそのままスミレと寝ることにした。

おやすみなさい


1日目。

何となくで作ってみた分体、スミレと二人でロガーリウを探すため街を回ってみた。

スミレにとっては様々なことが"新しい"こと。

「ここって魔法とか…あるの?」

「あるよ。貴女もその身体のおかげで簡単に使える。何かやってみたい魔法があったら私に言って?やり方教えてあげるから」

かつて私もその身体だったからわかる。

私の言葉にスミレは目を輝かせた。

「じゃ…じゃあ…手に花束をパッ…と」

「そういう魔法が良いの?じゃあ手を花束を持つ形にして、"手に花束を出して"って念じながら身体の中の元気の素みたいなのを手に集中させて」

「は、はい」

スミレが目を閉じて唸る。パッと深紅の薔薇の花束が出た。

「わっ、ほんとに出た!」

スミレが子供のようにはしゃいでいる。

…元が中学生だから別にまだ子供?

「よくできたね。偉い子」

そう言ってスミレを撫でる

「えへ…えっ、えっと…じゃあ…次は武器とか出したい」

少し照れた顔でそう言う

「じゃあ、ちょっと難しいと思うけれど、さっきと似た感じのイメージで"武器創造"って念じてみて」

「えーっと…こうかな…」

そう言って、手に変な形の大きめな深紅の剣を顕現させる。

先端が尖っておらず、丸い。加えてその先端には3つの小さな穴があり、全体の印象としては大きなバターナイフといった感じ。

スミレはこの変な形の剣のことを知っているらしい

「これ…"処刑人の剣"?」

物騒な名前。

「ちなみに、これで出た武器の形が貴女の魂に染み付いた武器の形らしいよ」

「あーえっと…先生?の武器の形って何?」

私は先生らしい。

「ヘマとでも呼んで。私の武器の形はこれ」

そう言って私も武器を創造する。

「ハルバートなんですね」

知ってるんだ名前。

「中世の武器に詳しいの?」

「少しだけ詳しいよ」

少し照れたようにそう言う。


その後1日、ポズナニアの色々なところを回ったけれど、ロガーリウを売っているところは無かった。

宿に帰ってエジェルさんに報告してスミレと寝る。


2日目。

1日目と似たような感じで、今度は聞き込み重視で探す。

スミレにはどうやら街の人の言葉が分からないらしい。私の右手ををがっしり掴んで震えている。

そういえば私が人間の言葉がわかるのは実績の報酬おかげだっけ。

スミレからすれば、いきなり言葉も分からない外国に放り込まれたみたいな感じなのかな。

「大丈夫。そのうちわかるようになるから」

そう言って怯えるスミレをそっと撫でた。

今日は少し早めに切り上げようかな。


宿に一度戻ってエジェルさんを呼び、初日に行った小さなレストランに行く。

「美味しい?」

「温かい…」

注文したのはこれまた初日と一緒の料理。

少しはこれで落ち着くかな。

宿でスミレをお風呂に浸からせて、ポカポカのまま眠らせる。

これが一番良い気がするし

私もおやすみなさい。


3日目。

2日目と同じ聞き込みをまたやることにした。

すると結構早めに売っている場所を聞けた。

実際に言われた通りの場所に行ってみる。

クロワッサンっぽいナッツやドライフルーツを含んだ馬の蹄鉄型のお菓子"ロガーリウ"が何個も買えた。

1つスミレに食べさせてみる。

「柔らかくて…硬くて…とっても美味しい」

かなり美味しいらしく、スミレの顔から笑みがこぼれた。

明日は出発…あれ…?スミレのこと、どう話せば良いかな

次回、スミレとアマネ

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