44.お酒
お酒です。
はい。
場所:ヘマ邸
おはよう私。
半年近く揉めていた戦後処理に関して、
概ね決定されたらしく、ハウサー大将とエヴェリンがエストブルクに帰ってきた。
実はその間にエヴェリンがお酒を飲める年齢になっていたらしく、せっかくなので家に招いた。
そういえばこの世界でも前世でも、お酒という存在は認識していても、実際に何らかの形で接する機会が無かった気がする。
私ってお酒飲めるのかな
とりあえず、エヴェリンのくる夕方までにご馳走を作らないと。
キッチンに行ったらアマネがいた。
「夕食作り手伝うよ」
そうアマネに声をかけた。
「アマネってお酒に合うおつまみとか作れるの?」
夕食作りのお手伝い中、何となくそう聞いてみた。
「ええ、前世で母がお酒好きだったので」
そうなんだ。
そういえば、アマネはいつ頃の年齢で転生したのだろう
「アマネって前世でどれくらいまで生きてたの?」
「高校三年生ですね〜。卒業間近で死んだらしいです」
「…どうして?」
「刺されたらしいです」
色々と複雑な事情があるのかな…
「そっか…変なことを聞いてごめんなさい」
「あ、謝らなくて良いですよ…ここでの日常の方が前世よりずっと楽しいですし、前世は前世と割り切ってますので〜」
「そっか」
そういえば私ってどれくらいの年齢で死んだんだろう。
今日の夕食はガーリックパンとトマトサラダ、ローストビーフにビーフシチューと言った感じの内容のものになった。
作り終えた料理をリビングに運ぶ。
今日飲むワインの匂いを嗅いでみた。
漂うアルコールの匂い
"ビクリ"
何かがいきなり思い出される。
「終わりの見えない地獄のような日々」
「"男"への底知れない恐怖」
「その恐怖を"男"ごと永眠させた記憶」
「香奈との"あの会話"の記憶」
頭が痛い。
気付かぬうちに私の全身は震えていた。
理由は分からない。
ただ夢として幻想的な前世の甘い記憶を見ていた時よりも、真乃として生きた記憶が現実であると確信できる。
唐突なフラッシュバックに理不尽さは感じつつも、そういう程度の認識に留めることにした。
過去で殺人をしていたとて、私の今は変わらない。
ただ、尚更私が死んだ理由が分からなくなってくる。
そして香奈がどうなっているのか、前よりも気になり始めた。
暇になったら、探してみようかな。
お酒で少しハプニングがありつつも、無事夕食は上手くいった。
私も少しお酒を飲んでみた。
気分が高揚した。
…その後お酒を飲みながら何かしたかって?
覚えてないから実質何もしていないのと同じでしょ。
次回、香奈探し
ちなみにクリスマス回は前回と今回に挟まってる感じです




