42.ルーサル競技戦争・下
モブちゃん視点。
ヘマは出てこないので、ヘマの物語だけを見たい人は、読み飛ばして良いかもしれません。
場所:ルーサル連邦僻地エンデルラベリア
私の親友が笑われながら殺された。
私の家族が家ごと吹き飛ばされた。
私の街が、故郷が、いとも容易く灰にされた。
「夢なら…良かったのに」
朝日に自然と目が開く。
寝ても覚めても現実は少しも変わらない。
悪化していくばかり…
私の憎しみはどこに向けられたものなのだろう。
"5カ国軍とかいうのが憎い"
少し違う
"無謀な戦争を始めた連邦が憎い"
少し違う
"守れなかった自分が憎い"
近いけれど少し違う
"こんな不条理を生む世界が憎い"
近いけれど少し違う
"人間全てが憎い"
そう。
自分がただの人間に過ぎない事が憎い。
こんな世界でのうのうと生きている人間達が憎い。
私欲にまみれ、愚行を犯した連邦の人間共が憎い。
私の親友を殺すことを遊びのようにしている5カ国軍の人間共が憎い。
…またどうでも良いことを考えて…結局行動に移せない
決断や行動から逃げ続けて、名も知らない僻地にまで来てしまった。
もういっそ死んでしまおうかしら。
"そうしましょう"
かくして一人の少女は首を吊った。
"この世界の人間"への果てしない憎悪を抱えながら
彼女が聞いたのは神の声。
「新しく…やり直したい?人間よりも強く美しい存在として」
迷わず返す。
「どんなにかかっても良いから、人間を全て消してしまいたい」
すると素っ気なく神は言った。
「そう。まぁ頑張って。転生させてあげるから」
優しい神様…ありがとう
一方その頃、ルーサル連邦は5カ国軍に無条件降伏し、呆気なく戦争は終わっていた。
この神の介入が、いつかの未来"ルーサルの魔王"の出現という最悪の事態を招く"火種"となる。少なくとも神はそう判断した。
そして、神は笑った。
次回、会議は踊る。されど進まず
おやすみなさい。




