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転生したらRPGにすら出てこないグロ生物に生まれちゃった子のお話  作者: 倉石 雨


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31/40

30.ティータイムに合うお菓子を

場所:ヘマの屋敷

夕食の時間。

私の前に出されたのはお肉とじゃがいも、玉ねぎを使った料理…

「こちらっ…肉じゃがっぽいものです」

…懐かしい料理が出てきた。

「いただきます」

温かい気持ちになる。相変わらず薄くはあるものの、美味しいと感じられる。

「美味しいよ」

嬉しそうにアマネがガッツポーズをする。


私が食べ終わると、アマネがチコルノ・コーヒーとピンク色のマカロン?を出してきた。

「こちら、エジェル様にコツを教えてもらいつつ作ってみたマカロンです」

摘んで齧ってみる。漂うベリーの匂い、マカロン独特の食感…そして何より"甘い"

「魔力回復薬に使われる植物を使ってます。」

なるほど…

チコルノ・コーヒーと一緒に楽しむ。

とても満足。


てっきり私はお肉くらいしか食べて満足できるものがないと思っていたけれど、どうやら他にも色々とあるらしい。

寝室でそう考えつつ段々眠たくなってきて、瞼を閉じる。

おやすみなさい


「おはよう真乃(まの)

懐かしい声がする。瞼を開け、へばりついていた机から顔を上げる。

そこには馴染みのある暗い部屋が広がっていた。

「どう?ちゃんとご飯は食べてる?」

目を擦り、声のする方に目を向ける。

黒髪ボブヘアの日本人。確か名前は…香菜?

「おはよ…」

掠れた私の声…喉が痛い。お腹も空いてきた。食事を摂ったのいつだっけ…まぁ、いっか。

「顔でも洗ってきたら?私が料理を作ってあげる」

そう言って香菜が食材の入ったレジ袋を掲げる。

とりあえず言われた通り、洗面台に行く。

鏡で自分の顔を見る。

……………誰?


「おはよう碧菜(へきな)

声をかけられて、ぱっと目を開ける。

お兄様だ…!

「おは…ようございます。お兄様」

声をあまり上手く出せなかった…あれ?私ってこんな声だったっけ。

「あ…無理はしなくて良いからな。今日は学校に行けそうか?」

いつもお兄様は優しい。

洗面台に行き、顔洗いや歯磨き等をする。

不健康そうな青白い顔、黒い長い髪、大きな黒い目…私の顔…あれ長髪だったっけ。

黒いセーラー服に着替え、朝食を摂る。

健康的で美味しい。

ナプキンで口を拭う。

「行ってきます」


青白い肌と顔、銀髪のウルフヘア、青い目…もっと(ヘマ)はこんな西洋人っぽい顔立ちじゃなくて日本人っぽかった気がする。

変な夢でも見ていたのだろうか。まあいっか

香菜が食事を作るのには、時間がかかりそうだし、ついでにシャワーを浴びる。

長身なせいか、なんだかいつもよりシャワーを浴びにくい…?


タオルで全身の水気を取り、ドライヤーで髪を乾かす。

無性に水が飲みたくなってきた…台所に向かう。

…良い匂い。

「あら、シャワーを浴びてきたのね」

と香菜がこちらを向き、続けた。

「…服くらい着なさい?」

面倒だし良いじゃん?

冷蔵庫を漁り、ペットボトルに入った清涼飲料水を飲む。

「あと少しで完成だからリビングで待っておいて」

言われた通り、リビングでテレビの電源を付け、待つ。政治家のスキャンダルについての話題をワイドショーが取り上げていて、芸能人達が偉そうに政治家を罵倒している。どうでも良い。

スマホで自分のチャンネルを確認する。結構、伸びていた。

「できたよ〜」

温かそうな食事を香菜が持ってくる。

"肉じゃが"だった。

「…いただきます」

………美味しい。


「おはようございます。ヘマ様」

瞼を開けると、アマネがいた。

「魘されていたようですので、失礼ながら起こさせていただきました」

(ヘマ)の事について、少し理解できた気がする。

どうやら私は2人分の魂の転生体らしい

次回、真乃と碧菜


実は私、ミステリーとか伏線回収とかって…好きなんですよね

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