3.初めての食事
閲覧注意。
虫が苦手な人は見ない方が良いかもしれません。
場所:前話と同じ
いただきます。
ぐちゃっ
ぐちゃっ
ぐちゃっ
胸部辺りから人の肉を食べ始めてみる。口に入れた時に香る血の匂い、絶妙に柔らかい食感、それら全てが美味しいと感じられて、自分が既に人間じゃないことを改めて理解する。
「あまり見ていて気分の良いものではないわね」
私が夢中で食べている間、守護天使さんはそう呟いていた。
死体胸部の上面部分を食べ終わった頃、胸部と腹部から同族が数匹這い出てきた。
「ぎゃっぎゃ」
…何を言っているのか分からない。というかそもそも血蛆って声帯あるんだ。
よくわからない同族の言葉を受け流し、とりあえずまた肉を食べようと口を付けると、同族達が襲いかかってきた。
「独り占めするなって言ってたようね」
あの子達の言葉がわかるの?
「いえ?そもそもあれは明確な言語体型の存在しない、ただの鳴き声だし。まぁ意味はなんとなくわかるけれど」
そっか。とりあえず、どう対処すれば良いの?
「食べて」
…?
「あいつらよりたくさん食べてるのだから、捕食経験は貴女の方が上でしょう?」
つまり喰いあって先に相手を殺せば勝ちってこと?
「そういうこと」
うーん…まぁいっか
その方法で戦ってみよ。
ぐちゃっぐちゃっ「ぎゃっ」「ぎゃっ」
喰いあいの結果は私の圧勝だった。
次々と相手の腹部を食いちぎって戦闘不能にして捕食することができた。
「ぱぱぱぱーん。実績解除、同族捕食II」
何それ?
「同族を殺して3匹以上食べた時貰える実績。効果はちょっぴりの魂強化及び拡大」
魂強化及び拡大って?
「進化に必要な条件と今は覚えておけば良い」
よく分からないけれど、とりあえず不老不死を目指すために必要な実績なのね
「そういうこと。最終的には同族捕食Xを得るのが目標」
何匹食べる必要があるの?
「1,000匹だから残り996匹。ちなみに同族捕食I~Xまで解除のための必要捕食数は、順番に1匹、3匹
10匹、25匹、50匹、100匹、250匹、500匹、750匹、1,000匹だよ」
食べられるかな
「さぁ?貴女が頑張るかどうかでしょ」
そっか。
とりあえず最初の死体を完食することにした。
胸からお腹、お腹から足、そして手、最後に頭。
骨も内臓も脳も残さず捕食した。
ぱちっ
脳を食べ終えた頃、私の頭の中でそんな音が鳴り、誰かの名前とその人生の略歴がぼんやりと見えた。
「それは今貴女が食べた死体の情報」
そっか。レア・シヴグラードさんって言うんだね、この人
ご馳走様でした。レアさん
「ぱぱぱぱーん。実績解除、食べた血肉とその記憶I」
何それ?
「捕食した生物の記憶を見て、その生物に対し何らかの態度を示すことで得られる実績。効果はほんの少しの魂強化及び拡大、あと少しだけの言語能力向上」
そっか。んーよくわからないけれど、レアさんには感謝しなきゃだね。
改めて、ご馳走様でした。レアさん




