20.アマネの決断
場所:ノネトリ村、宿屋
私達はダンジョンを攻略した後、ノネトリ村に帰ってきた。
そして、到着次第ギルドでダンジョン攻略の報告をし、宿屋に戻ってきた。
ベッドに顔を埋めた私にエジェルさんが問いかける。
「それで、もうそろそろ1週間だけれど。旅立つの?」
それは私がぼんやりと考えていた計画だった。
"武器を受け取り次第、人間の多い都会へ旅立つ"
ここは良いところだけれど…せっかくなら都会、欲張れば首都で人間の営みを観察したい。
まぁ、残りの残党捜査の依頼は破棄して都会へ行っちゃって良い気がする。
「"旅立つ"わけね。で、アマネのことはどうするつもり?」
連れていくかってこと?
それは私じゃなくて彼女が決めることでしょ。
私は彼女の雇用者じゃない。
「"彼女自身が決めることでしょ"だそうよ。アマネ」
ベッドに埋めていた顔を上げると、いつになく真剣な表情のアマネがいた。
…宿主のところに行ってたんじゃないの?
「"宿主のところに行ってたんじゃないの?"」
面白がるようにエジェルさんが私の心を代弁した。
「たった今、辞表を出してきました。これで私は晴れて無職です。雇ってくれませんか?」
真剣な表情で、真剣な声で、そうアマネは嘯く。
どうやらアマネはとっくの昔に決断していたらしい。
「分かった。私が雇う」
それに応えてちゃんと自分の声で返す。
「あら、"まあいっか"じゃないの?」
エジェルさんは揶揄う。
「この決断はきっと、そんな軽いものじゃないし」
「そう」
エジェルさんはそう相槌を打った。
アマネは感極まったような声で言う。
「これからよろしくお願いします。ヘマ様」
そして、深く頭を下げた。
「よろしくね。アマネ」
数日後、私達は約束の武器を受け取るため武器屋へ向かった。今まで1度も使わなかったサーベル型の剣を携えながら。
次回、新たな武器と旅立ち




