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駅前はダンジョン~派遣から転職したらパワー系魔法使いでした!  作者: 武蔵野純平
第二章 冒険者活動にもっこりを添えて
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第21話 ダンジョンの出口?

 俺たち調査隊はダンジョンの一階層から村へ向かって移動した。

 ダンジョンの入り口を南、ダンジョンの奥を北とすると、村があるのは北東の方だ。


 俺たちは北東へ向かって歩いた。


 ゴブリンが現れるが自衛隊が秒殺!

 隊長の新田さんが教えてくれたが、自衛隊の調査隊参加メンバーは、ダンジョン調査専門の隊員らしい。

 あちこちのダンジョンに潜って、情報収集をしているそうだ。


「それで装備がバラバラなんですか?」


「そうです。自分のジョブやスキルにあった装備を身につけています」


「新田さんの制服も?」


「いえ。私は別です。今回、村で何が起こるかわからないので、きちんとした服を着てきました。装備品は別に持っていますよ」


 隊長の新田さんは、俺の質問に答えてくれた。

 歩いていてヒマだから色々聞いたが、なかなか参考になる。


 先行している自衛隊員が、時々双眼鏡で巨木の方を見ている。


「新田さん。あれは何をしているんですか?」


「村の方角を確認しています。狭間さんが上った巨木に自衛隊員を上らせていて、我々が村の方向に進めるよう指示を出してもらっています」


「へえ~! 用意周到ですね!」


 さすが自衛隊!

 俺は新田さんたちの段取り力に感心する。


 ちらりと後ろを見ると、上原さんは女性隊員さんと和やかに話している。


(この雰囲気なら大丈夫そうだ)


 上原さんの表情もリラックスしている。

 出発するまで、かなり警戒していたが大丈夫そうだ。



 歩き続けること一時間。

 先行している自衛隊員が手を上げた。

 俺たちは停止し、隊長の新田さんが声を掛けた。


「どうした?」


「隊長。ここがダンジョンの壁です」


「ふーむ……村へは行けないのかな?」


 新田さんが空間に手をあてると、ピタリと手が止まった。

 透明な壁があるみたいだ。


 俺は振り返って上原さんに話しかけた。


「上原さん。何のことがわかりますか?」


「こういうフィールド型のダンジョンは、透明な壁があるそうです」


「壁が?」


「ええ。ダンジョンの階層によって広さはマチマチですが、フィールドがずっと続いているわけではないそうです」


 何やら不思議な話だが、ダンジョン自体が不思議のかたまりなのだ。


「じゃあ、俺たちが見ている壁の向こうに続く光景は……、CGやVRみたいなものなのかな?」


「どうでしょう? 色々な説があるそうですが、ハッキリわからないみたいですよ」


「ふーん……。不思議だな~」


 俺も透明な壁に触ってみた。

 コンクリートをさわった硬質な感触だ。

 透明だがガラスやアクリルではない感触に、俺は違和感を覚えながら壁を叩いたり、寄っかかったり、触れたまま移動してみたりしてみた。


 新田さんたち自衛隊は、色々議論している。

 上原さんも議論に加わって、撤収するか、ここで調査するのか話し合っている。


 俺は退屈になり、透明な壁に寄りかかった。


「うわっ!」


 すると、俺の背中に壁はなく、俺はひっくり返ってしまった。


(あれ? 太陽?)


 ひっくり返った先は外だった。

 太陽がまぶしい。


 俺は立ち上がると辺りを見回した。

 俺が立っているのは、見通しの良い草地だ。

 ちょっと先に木が立っている。


 振り向くと崖。

 崖には大きな洞窟の入り口がある。

 入り口は真っ黒で先は見えない。


(なんだこれ!? 上原さんや自衛隊のみなさんは?)


 俺はキョロキョロと辺りを見回すが、一緒にいた調査隊の面々がいないのだ。


「ひょっとして……」


 俺は洞窟の入り口に触れてみた。

 何も感触がない。

 そのまま黒い闇の中に進んでみるとダンジョンの一階層に戻れた。


 上原さんと自衛隊の人たちが驚き、俺を見ていた。


 俺はテヘヘと照れ笑いしながら告げた。


「あの~、ここから外へ出られるみたいですよ?」

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