第20話 自衛隊と合流
俺と上原さんは、支度を調えると大急ぎで新宿西口ダンジョンの入り口へ向かった。
食料やら何やら荷物が多い。
大量の荷物は俺が持つことにした。
自衛隊の装備品店で背負子を買って、荷物を俺が背負う。
何といっても俺はステータスでパワーが高い。
沢山の荷物を担いでも何ともない。
それに! 上原さんに『狭間さんは頼もしい』と思ってもらうためには、力持ちアピールをしないと!
新宿西口ダンジョンの入り口には、自衛隊の一団が待っていた。
「冒険者ギルドの上原です! こちらは護衛の狭間さんです! 遅くなって申し訳ありません! 今日はよろしくお願いします!」
「さーせん! よろしくお願いします!」
俺と上原さんは、大きな声でお詫びと挨拶を述べた。
すると、隊長さんらしき男性自衛官が笑顔を返してくれた。
「大丈夫です! 時間ピッタリですよ! 急な話でしたから準備が大変でしたでしょう? 同行する隊員を紹介しますね。私は隊長の新田です」
新田さんは、三十代半ばくらいの男性で、スラッと背が高くスマートな印象だ。
スーツのような自衛隊の制服をキッチリと着て、自衛隊の帽子をかぶっている。
隊員は新田さんを含めて十二名。
二人は迷彩服を着て自転車――マウンテンバイクに乗っている。
自衛隊らしい格好なのは、新田さんと自転車の三人だけで、残りの九人は装備がバラバラだ。
自衛隊の迷彩服を着崩したような人もいれば、侍のような格好の人もいる。
手にしている武器も様々だ。
ゲームに出てくるような大きなバスターソードを持つ人。
日本刀を腰に差している人。
(この人たちは、本当に自衛隊なのかな!?)
俺は驚き、同時に警戒する。
上原さんが『守ってくれ』と言ったからだ。
ただ、隊長の新田さんや隊員さんたちの雰囲気は穏やかで、大丈夫そうな感じではある。
上原さんの考えすぎじゃないかなと、俺は少し警戒レベルを落した。
これから一日行動を共にするのに、警戒感露わでは、あまりにも印象が悪いだろう。
仕事に支障を来すかもしれない。
「では、早速出発しましょう! 話は移動しながらで」
新田さんの号令で俺たちはダンジョンに入り一階層へ転移した。