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5.緑の狼

守屋に言われるがまま俺は森を進んで行った。


幸いまだ弱いモンスターにしか当たっておらず、無視して進んでいる。


------------------

スライム 【⭐︎】

Lv.5/10

体力20/20 魔力10/10

力5 魔5

防5 速1

【固有スキル】

『消化液』

【魔法スキル】

なし

------------------

------------------

ディオネア 【⭐︎⭐︎】

Lv.3/20

体力52/52 魔力22/22

力25 魔15

防20 速5

【固有スキル】

『かみつき』

【魔法スキル】

なし

------------------


今まで出会ったモンスターのステータスだ。

名前の横の⭐︎はモンスターのランクだろう。

ゲームと同じなら⭐︎は一般の大人が簡単に倒せる相手、⭐︎⭐︎は一般の大人が少し苦戦する相手くらいだ。

幸い素早いモンスターもいないので、俺の脚でも逃げ切れる。

また、出てきたモンスターはやはり俺の知ってるゲーム内のモンスターと共通していた。

ちなみに、ディオネアと言うのは大きなハエトリソウのようなモンスターだ。


「と言うことは、この世界のどこかにいるモンスターテイマーの合成士として働ければ、俺の覚えてる配合パターンを使うことができる…?」


俺は、そこからどうにかこの世界を生き抜く術を見出すしかないと考えた。


どれだけ歩いたのだろうか、進んでる方向が合ってるのかすら分からなくなってきたころ、遠くの方でガサガサっと草が擦れる音がした。

気のせいか、音は少しずつ近づいているようだった。

無闇に近寄ってこないあたり、ある程度知能のある相手だと伺える。

俺は少し早歩きで森を進むことにした。

俺が警戒しているのが伝わっているのか、中々草むらに隠れている相手は姿を現さなかった。

ずっとそうしてくれてれば良いけど…そう思った時前方から突然何かが飛び出してきた。


------------------

ホーンラビット 【⭐︎⭐︎】

Lv5/20

体力50/50 魔力12/12

力20 魔12

防13 速30

【固有スキル】

『頭突き』

【魔法スキル】

なし

------------------


急に飛び出てきたので驚いたが、これなら何とか対応できそうだ。

ホーンラビットは素早さが高いので、俺の足では逃げ切らないと思い、この場で倒すことにした。


「えーと、何か武器になりそうな物はないかな…」


辺りを見回そうとした瞬間、後ろから何かが急速で近づいてくる音が聞こえた。


『ガルルルル!!!』

『ガァ!!』


飛び出てきたのはシベリアンハスキー程の大きさの狼だった。


------------------

グリーンウルフ 【⭐︎⭐︎⭐︎】

Lv.19/30

体力295/295 魔力63/63

力85 魔30

防30 速65

【固有スキル】

『かみつき』『クロー』『鋭い嗅覚』『仲間呼び』

【魔法スキル】

なし

------------------


まずい!グリーンウルフだ!

ウルフ系の中で最も弱い種だが、それでも⭐︎3だ。

一般人の大人では対処が難しく、戦闘職でないと苦戦を強いられる相手だ。

それに足も速いので当然逃げ切れる相手ではない。


グリーンウルフを見て、ホーンラビットはすぐに逃げ出した。


グリーンウルフは全部で3匹いる。


「あー…こりゃ詰んだな…」

しかし、俺はどうしても諦めきれなかった。

単純なかけっこなら負けるが、ここは森だ。

ジグザグに走れば上手く撒けるかもしれない。


「念には念を…」

俺はグリーンウルフを睨みつつ、落ちている丈夫そうな枝を拾った。


「そうだ、3体いたら撒くのが大変だけど、モンスター合成で1体にまとめられないかな…」

敵が強くなるリスクはあるが、合成するとモンスターはLv.1に戻るのだ。

上手くいけば戦力もダウンさせられる。そう思った。


「モンスター合成!」

使い方はわからないけど、とりあえず叫んでみた。


すると頭の中で声が響いた。


『ベースモンスターを選択してください』


俺は適当に1匹のグリーンウルフを見た。


『このモンスターは合成可能なレベルに達していません』


「くそっ!やっぱダメか」

ゲームの中でもそうだったが、合成するにはベースモンスターをレベルマックスにしないといけなかった。

この世界でも、同じ条件のようだった。


「やはりここは逃げるしか…」

俺は隙を見て走り出した。

背後からグリーンウルフたちが追ってくるのがわかる。

追いつかれないよう木と木の間を縫うように不規則に走った。


2〜3分程走っただろうか。

普段運動なんてしてなかったので、もう体力の限界だった。

1匹のグリーンウルフが大きく腕を振り下ろして、俺の腕に命中した。

俺は大きく転んでしまった。


「くそ…ここまでか…何で俺ばっかこんな目に」

腕からは血が流れていた。

もう立つ力も残ってなかった。


『ガウガウガウ!!!』

なんと、前方から新たにグリーンウルフが出てきた。


「挟み撃ちかよ…」

俺が諦めたその瞬間だった。


「そこの君!大丈夫か?!」


男の人の声がした。


「人?!」


声のする方を見ると、奥からさらにグリーンに乗っている男の人のが走ってくるのが見えた。


よく見るとさっきまで追いかけてたグリーンウルフと、前方から来たグリーンウルフが牽制し合ってるようだった。

男は近くまで来るとグリーンウルフから降りた。

見た目は35〜40くらいと言ったところだろうか。


「きみ、大丈夫か?!」


「は、はい…」


俺は突然のことで戸惑っていた。

何故こんなところに人がいるのか、この人は味方なのか、そんなことが頭をよぎったがこの際どうでも良かった。


「た、助けてください!」


「あぁ、まかせろ!」


そう言うと男はグリーンウルフ2匹に指示を出した。


「ライライ!ホロホロ!あいつらを蹴散らせ!」


『ガウガウガウ!!』

『ガァ!!ガウ!!!』


なんだかパンダみたいな名前だなと思ったが、まぁ良いだろう。


気付けば、後から来たグリーンウルフはあっという間に俺を追いかけてたグリーンウルフを追い払っていた。


「怪我してるじゃないか!立てるか?」

俺は男に支えられて何とか立ち上がった。


「俺はラプス、君は?」


「お、俺は…セイジ」


「セージ?変わった名前だな。取り敢えずあっちに俺の村があるから、そこで手当しよう」


「村…助かった…?」


俺はラプスに支えてもらいながらラプスの村へ向かうこととなった。

疲労と出血で頭が朦朧としていたが、目の前の希望を掴むためにどうにか踏ん張って歩いた。




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