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聖地巡礼 その2
グシャッ!ブシュッ!
ピチャピチャ、「ありがとうございます!」
自分でやればいいのにとは思わない。神と私は同義なのだから、私がこの道をゆくことは神が直接世界を救いに行くのと何ら変わりない。だから私=神は、私(神)のやり口を薄汚いとののしることはない。だがややそう思う。
「みかんの品種改良?!」村人たちは目を輝かせながら私の話を聞いている。
話しは1分前にさかのぼる。
私は神に「人間の方を品種改良してはどうですか?」とふざけて見せた。
神は怒り「認められるか!そんなもんっ!」と怒鳴り散らす。
「我が誤ったなどと!二度とほざくでないぞ!!」
「そうは言ってません」
「愚かで……われの言葉を理解できぬ……いやいや、やはり私は素晴らしい!自分で自分を驚かせることができるのだからのう!」
恍惚とした表情で自画自賛を続けながうっとりとしている。半神半人だからかそれとも単に半人前なのか、私には理解できなかった。
「愚の骨頂!その愚かさこそがだっ!」神は語気を強めて言う。
「唯一それこそが我にないものだ!ああ人よああ愛すべき愚かさよ!」