明るい君は、とても暗い。
生前の君は、いつも何かに怯えていた。もしかしたら、それはボクの勘違いだったのかもしれない。それでも、死に絶えた君は、間違いなく怯えていた。
彼女の明るい金髪は、似合わない檜皮色のヘアゴムで縛っていた。メリハリのある整った体に、パッチリとした目、スラリとした鼻、はにかんだ口は、とても、とても可愛らしかった。これでは僕が人を見た目で判断する屑のように思われそうだが、僕は彼女以上に可愛らしい人を見たことはなかった。その顔に、秘めることのできない憎しみさえ滲み出ることが無ければ……。
「きっとキミは、僕が死んでも悲しまないんだろ」
「もちろん、悲しむにきまっているだろう?」
「そうじゃなくて、僕のために悲しまないだろうってことだよ。キミはいつも何かを憎んでいるじゃないか。それで誰かのために悲しむことはできないだろう?」
「ズカズカと人の心に入ってくるねぇ、でも、間違ってはいないねぇ」
「また、会う時には泣いてくれよ」
「そっちこそ、泣いてくれよねぇ」
ある日、男は死んだ、キミとの別れが怖かったのだと伝えられずに……。
その日、老婆は死んだ、君とは違い、永く生きられるこの身が憎くて、感謝も伝えられなかった自分が、酷く情けなく思いながら……。
お試しと練習で書いたやつです。
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