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第7話 我慢とか無理。

ここから頑張ります。


 「まぁ、どこでもいいから座ってくれ。」


 「わかりました…」


 俺とセシルは長机に向かい合って座る。

 セシルの顔はまだ若干暗いままだ。

 まぁ無理もないか。

 俺が借金を立て替えたのは感謝してくれてるハズだけど、額が額だもんなぁ〜。

 あいつに払わなくて良くなったとはいえ、セシルの借金返済主が俺に変わっただけだし。

 いくら最近親しく接したからといって俺が無茶な要求をしてくるんじゃないかという不安は消えないだろうな。

 もちろん俺は紳士だから無茶な要求なんてしないさ。

 だって紳士だからね!()


 「じゃあさっそくセシルの借金の件なんだけど。」


 「!は、はい」


 「額がすごいからなぁ…」


 「あ、あの…その…」


 「ん?」


 セシルが何か言いたそうにこちらをみる。

 俺は”構わないよ”という意思を沈黙で示して、彼女に先を促す。

 

 「借金は何年かかってでも必ず返済します。ですから今すぐにというのは待っていただけませんか?あの…毎月納められる金額は少ないかもですがそれでも必ず返済しますので…」


 「そうは言っても今のセシルは当面の生活費すら厳しい状態でしょ?子供たちに配布する金、自分の生活費、俺への借金。これを毎月払えるだけの仕事のあてがあるの?」


 「そ、それは…」


 セシルが答えられずに黙ってしまう。

 まぁ、普通に考えて無理だな。

 自分の生活だけならまだなんとかなるかもしれないが、子供たちの分の金となると1人じゃとても稼げないだろう。

 以前の彼女なら少ない元手でもなんとか稼いで回せたかもしれないが、今の彼女は一文なし。

 その上俺の借金の返済だ。

 それを返そうとなったら夜のお仕事しかないだろう。

 いや、夜の仕事をやったとしても足りないか。

 朝〜夜までバイト、夜から大人のお店で働いても今度はセシルが倒れてしまうに違いない。

 そうなったら今度は働けなくなってしまう。

 完全に詰んでるなこれは。

 といってもそれは俺が借金の返済だけを求めた場合の話だ。

 実は要求はもう決めてある。

 ちょっと意地悪だったかな。


 「悪い悪い。実はもう何を要求するかは決めてるんだ。」


 「そ、そうですか…」


 「うん。実は…俺と一緒に旅をして欲しいんだ。」


 「…え?一緒に旅…ですか?」


 セシルがポカーンとあっけに取られた顔をしている。

 うーん可愛い…はっ!危ない危ない。


 「うん。1人だと不安でさ。だからセシルが旅についてきてくれるならそれを借金の代わりにしようと思ってるんだ。それに旅の間のセシルの生活費は全部俺が出すよ。どうかな?」


 「えぇ⁉︎えっと…その…私にとっては願ってもない好条件なのですが、ヒロさんに何かメリットでもあるんですか?」


 「もちろんあるさ。実は俺は旅とかやったことなくてさ、1人でやれる気がしないんだよね。それに対してセシルは1人での旅に慣れてるっぽいし、いてくれたら心強いんだよ。それにセシルは世界を回ってて、俺もこれから旅をしようとしてる。お互い利害が一致してると思うんだよね。」


 「本当にそれでいいんですか?私なんかよりも冒険者の方達の方が…」


 「冒険者とか雇った人はお金だけの関係だろ?やっぱりいざとなると不安なんだよね。その点、セシルとはしばらく一緒に過ごした仲だし、信頼できるんだ。だめかな?」


 「いえそんな!だめなんてことありません!むしろこちらからもお願いしたいぐらいです。」


 「うん。じゃあ決まりだね。よろしく」


 「よ、よろしくお願いします!」


 そんなこんなでセシルが旅のメンバーになった。やったね!


 「はぁ…ヒロさんが優しい方で本当に良かったです。どんな要求されちゃうんだろうってさっきから不安で…」


 「あはは。ま、仕方ないね。」


 「でも、少しだけ期待してる部分もありました。あんなに優しいヒロさんならって…もちろん借金を踏み倒そうとしたわけじゃないですよ?そうじゃなくて、その…ヒロさんならうまく言えないんですけどなんとかしてくれるんじゃないかって…」


 そう言ってセシルの顔が赤くなる。

 おや?おやおや?これはひょっとして脈あり?

 思い返してみれば、俺は彼女を助けたヒーローだしな。

 それによくみると今の彼女の服はガードが弱い気がする。

 なんというか部屋着?とも言い切れない感じの服だ。

 他の物を売ってしまったというのもあるんだろうが、これを着て俺の部屋にきたということは、少なからず彼女に信頼されているということでは?

 そう考えると俺の中の欲望が大きくなってくる。

 あー可愛いなぁ。

 でもそんな軽装で男の部屋に上がるなんてけしからん。

 襲われても文句言えないんじゃね?

 というか、俺はそれぐらいのことを彼女に求めてもいいのでは?

 なんか脈ありっぽいし…

 いや待て待て早まるな…もし本気で嫌われたら立ち直れないぞ。

 うんうん。そうだ。ちゃんと俺は我慢できる強い子。

 だからセシルが誘ってこない限り手は出さないから!


 「ヒロさん」


 「ん?」


 「これからのこと、不安もありますけど、一緒に頑張りましょうね?」


 「…」


 セシルはこれからの旅のことをもう考え始めてるらしい。

 はにかみながら花のような笑顔で笑いかけてくる。

 その照れと期待に満ちた笑顔が可愛すぎて…

 あーもうそれは反則。

 もー無理。こっちの気も知らずに無防備に接するセシルが悪い。

 これはしっかりと教える必要がありますね…


 「…セシル、ちょっとこっちに来てくれない?」


 「?はい。」

 

 セシルは立ち上がり、机を挟んで向かい側に座る俺のところまで歩く。

 俺は立ち上がり、セシルを座らせた。


 「どうしたんですか?」

 「実はな、この部屋。防音性が高いらしいんだ」

 「ギルドお抱えの宿ですから。お値段に見合った当然の処置だと思いますが」

 「そして内側から鍵が掛けられている」

 「……それがどうかしたんですか?」


 俺はセシルの両肩を掴んだ。


 「つまり助けを呼んでも誰も来ない」

 「え? 助けって、いったい何の……」


 俺は無理矢理セシルをベットに押し倒した。

 そして唇を強引に奪う。

 口内を舌で蹂躙され、セシルは驚きのあまり目を白黒させた。


 そして何をされているのかに気付き、顔を真っ赤にする。


 「ちょっと、な、何をするんですか!! だ、ダメです、わ、私はこれでも聖職者ですよ!!」


 「こっちの気も知らないでずっと無防備にしてたセシルが悪い。その上あんな風に笑いかけてきて…誘ってるだろ!」


 「さ、誘ってなんていません!こ、婚前交渉など言語道断です! だ、ダメです、い、いや……やめてください」


 「無理無理。今までどんなだけ我慢してきたと思ってるんだよ。それにここ最近ずっと一緒にいたから1人でもできてないんだぞ!」


 「1人でって……?………⁉︎ふ、不潔です///」

 

 セシルが俺の下半身を見て顔を真っ赤にする。

 これもセシルが悪い。

 セシルのせいで1人でする時間が取れなかったんだから、代わりにセシルがやってくれるのは当然だよな?

 と自分に言い聞かせて抵抗するセシルの腕を押さえ込む。


 「そうだ!これも借金の代わりということにしよう。体で支払って貰うぞ?」


 「借金の件は私のヒロさんと旅をするってことじゃ……」


 「どうせ一緒に旅し始めたら1人でする時間なんてもっとなくなるんだ。それならそういうことも契約の中に入れてもいいだろ?それにこれはセシルにとって社会勉強にもなると思うんだよね。男を誘惑するとどうなるかっていう。」


 「ゆ、誘惑なんて…」

 

 そう言いかけてセシルも言い淀む。

 自らの言動を思い返して、勘違いされかねない発言が多々あったと自覚したのだろう。

 

 俺は黙々とセシルの上着やスカートを崩す。

 

 「やめてください、ダメです! 今なら許してあげますから!!」

 

 「やめてくださいなんて言いながらそんなに激しく抵抗してないじゃないか。本当に嫌なら全力で逃げ出そうとするだろうに」


 セシルの悲鳴をガン無視して、俺はセシルを一通り脱がし終える。

 そこには弱々しい抵抗をする、半裸にされた半泣きの美しい少女がいた。


 俺は生唾を飲む。


 「セシル、本当に綺麗だよ」

 「き、綺麗って……そういう問題じゃ、んぐ」


 小五月蠅いセシルの唇を自分の唇で塞いでしまう。

 塞いでしまえば、どんな正論も言うことができない。

 完璧だ。

 しばらくキスをしていると最後の抵抗をしていたセシルの体から完全に力が抜けていった。

 頃合いだな。


 「じゃあセシル、前払いはしっかりと受け取るから。あ、嫌なら嫌と言っても良いぞ」

 「嫌です、やめてください!!」

 「分かった、分かった。嫌なんだな……まあやめるとは言ってないけど」


 俺はまず……









 




 「ふぅ……最高だった」


 俺は下着を身に着け、上着だけを羽織って水を飲む。

 運動して火照ったからだが癒されていく。

 すると、ようやく呼吸を整えたらしいセシルが抗議の声を上げる。

 

 「ひ、酷いです!! あなたがそんな人だとは思っていませんでした」

 

 「俺もセシルがあそこまで乱れるとは思ってなかった。実は期待してただろ?」


 「そ、それは……あ、あなたが何か変なことをしたんです!!」

 

 「俺も初めてだったんだ。そんな余裕あるはずないだろ」


 マジで俺は特にこれといって何か特別なことをしたわけじゃない。

 昔見たAVみたいなことを少しやっただけなんだよなぁ〜。

 セシルが想像以上に感度が良かっただけだと思う。

 まぁ見ててすごい興奮したし、俺は満足だったぜ


 「う、うう……やめてって言ったのに……やめてって言ったことを全部やった……」

 

 「やめてと言われたら、普通やるだろ。じゃあ言うな」

 

 「言わなかったら言わなかったでやるじゃないですか!!」

 

 「まあ確かに」


 最初からセシルに自由意志などないのであった。

 もっとも俺としては、セシルの初めてを痛い思い出にしたくなかったからそれが叶えられて嬉しい。

 なんというかあれかな。

 征服欲が満たされた。

 俺だけが誰にも見せたことのないセシルの顔とセシルの弱い場所を知っているっていうのはゾクゾクするなぁ〜。

 

 「ああ……汚されてしまった……」


 メソメソと泣き始めるセシル。

 俺はそんなセシルの肩を抱いて、優しく慰めてやる。


 「まあ待て、セシルは強姦されたんだ。そうだろう?」

 「……強姦魔が何を言ってるんですか!」


 セシルはさすがに怒ったように俺を睨みつけた。

 もっともその顔は先程、散々見た顔である。

 怒った顔も実に可愛らしい。


 「そうは言ってもセシルだって途中からノリノリだったじゃないか。」


 「な、何を言ってるんですか?」


 「いや、だから最初は抵抗してたけどさ。口だけだったし、なんなら体の方は素直に俺のこと求めてたように思ったんだけど。それにセシルも気持ちよかったんでしょ?1回意識飛ばしてたもんな。」


 「そ、それは……」


 「まぁ、セシルも素直になった方がいいと思うな。それにセシルのことが好きっていうのは本当だし。何度でも言うけど、俺はセシルのことが好きだ。だから俺の物になってくれ。」


 「そ、そんなこと…今言うなんてずるいです…///。仕方ありません。不本意とはいえ、婚前交渉まで済ませてしまいましたし。いずれは籍を入れるということで…」


 「つまり、将来セシルと結婚できるってことだね?」


 「あくまで将来的にです!このまま有耶無耶にしたら女神様に合わせる顔がありません…」


 「俺は最初からこの関係を有耶無耶にしたくないから嬉しいよ。つまりセシルはもう俺の予約済みってことだな!まぁ予約前に味見しちゃったけど。」


 「ヒロさん言い方(怒)」


 「セシルは俺と結婚するのは仕方なくなのか?ひょっとして俺が嫌いか?」


 「うぅ…わかってるくせに…。さ、さっき最中に言ったじゃありませんか。」


 「ちゃんともう一度聞きたいなぁ〜俺は言ったし。」


 「うぅ…意地悪です…。」


 「ほら早く。聞きたいな。」


 「………いやじゃ…ありません。……す、好きですよ///(ボソッ)」


 「うーん?聞こえないなぁ。」


 「!あなたという人は!もう寝ますよ!明日からは色々準備しないといけないんですから」


 まぁ色々あったが、そんなこんなで俺とセシルはそういう関係になった。

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 最後に俺はセシルに服を着せてやり、一緒にベッドに横になる。


 「そうそうセシル」

 

 「……何ですか、ヒロさん。」

 

 「こういうのはこれっきりじゃないからね。」


 俺はそして、ニヤリと笑みを浮かべて言った。


 「旅で宿見つけるときはちゃーんと、外に声が漏れ聞こえることのないような、防音性の部屋を探しておいてくれ」


 そう言われたセシルは真っ赤になった顔を気取られまいようにするため後ろを向いて言った。


 「分かりました、探しておきましょう。……でも私だってオオカミに食べられてばっかりじゃありません。自分の身は自分で守って見せます!」

 

 セシルはそう意気込む。

 いやはや、セシルと俺。今後はどっちが勝つんだろうなぁ〜。

 そう思いながらその日は眠りに落ちていった。


 


セシル「ヒロさん、レ●プするのはやめて」

ヒロ「うるさいですね……」



セシル「ヒロさん、中に出すのはやめて」

ヒロ「ヴィーナス教の教典には外出し禁止って書いてあるぞ」

セシル「確かに……いや、その前に強姦が禁止です!」

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