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第2話 異世界の常識

1日で2本投稿はしんどいですね。短いですがすみません!ヒロインは次回から登場します!


 「すまんね、あんちゃん。小さくてみすぼらしい部屋だが、まぁ座ってくれや。」


 おっさんに案内されて小さい部屋に入った。

 部屋の中には、丸い机と2つの椅子があってどちらも年季が結構入っている。

 部屋の中にある机の上には書類、ハンコ、多分金の入った袋などいろんなものが散乱しているし、床も木の箱が解体されて壁に立て掛けてあったり、倒れて雪崩みたいに床に散らばっているものもある。

 多分ここはおっさんが開店までに使ったり、仕入れ先と話すときに使ったりする部屋だな。

 あの書類もその手の類だと思うから見るのは控えた方が良いだろうなぁ……

 …待てよ?俺はこっちに来てからおっさんと普通に会話してるが、日本語が通じてる?

 それとも俺がこっちにくる時に何か神の御加護的なやつで言葉がわかるようになってるのか?

 でも神的なものと話したりあったりした記憶なんてないし…

 てことは、ひょっとしてすると文字も読めたり?

 あーやばい…ついさっき書類見ない方が良さそうだな(キリッ)って感じに状況分析してたけど、猛烈に読んでみてぇ…読めるのかどうか確かめたい…

 なんとかうまい具合でこっそり読めないかな…

 

 「それで?俺に聞きたいことがあるってことだが、何を知りたいんだ?」


 「えっ…あぁ。」


 考え事してたらおっさんのこと忘れかけてた。危ない危ない。

 で、重要なのは多分ここからだ。

 あんまりに無知すぎるとかえって相手に不信感を持たれかねないし、なんなら常識知らずの余所者ってことで嘘つかれてぼったくられたりするかもしれない。

 今、このおっさんに500円があることは話してしまっているが、まだ2枚残ってるってことは絶対に黙っておいた方がいいだろうなあ。

 この先いろんな人と過ごすと思うけど、所持金のことはなるべく隠さないと…今の俺は多分いいカモだ。

 あと俺の設定だよな。

 異世界からきたなんてあんまり言うものじゃないだろうし、テキトーな肩書き考えないと。

 それにこの国以外のこととか常識とかも怪しまれずに聞き出さなきゃ…

 あーーーーもう!なんでこんなに色々考えなくちゃならないんだ!

 異世界なら勇者とかになって魔王倒したり、お姫様とイチャイチャしたりもっと体使って楽しく過ごすものだろうに!

 なんでいちいち頭使って会話しなきゃならないんだぁ!

 

 「お、おい。あんちゃん大丈夫か?」


 「えっ…あぁ、すまない。ちょっと疲れててな。」

 

 やばい。流石にそろそろ会話しないと…えーい!ままよ!

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー


「なーんだ!そういうことだったのか!あんちゃんも災難だったなぁ!」


 「ははは。ま、まぁな。」


 あのあとめちゃくちゃ頑張って会話しながらうまい具合に質問していった。

 まず、俺は別の国から世界を見て回るために旅をしていて、途中山賊に襲われたけれどもなんとかこの国に入国しことなきを得たものの、寝床がなく市場の道のど真ん中で行き倒れていた、という設定になった。

 いや、色々無理があるのは分かってる。

 多分この国にも入国の際には身分証明書とか必要になるだろうし、そもそも旅をしてきたにしては俺の装備はおかしいだとか。

 色々不自然な所ありまくりの説明だったにもかかわらずおっさんは特にこれといって問いただしたりすることはなかった。

 気がついてないのか、それとも何かを察して首を突っ込まなかったのか…

 まぁそんな感じであとは、この国の詳細や他の国のことなどを色々聞かせてもらった。

 途中からは聞いてもいないのに、おっさんが懇切丁寧に細かく教えてくれたりもした。

 このおっさん、いい人なのかどうなのか…。

 とりあえずわかったことを整理してみる。

 今この世界には大陸が3つあり、それぞれに2つ、計6つの国がある。

 大陸の名前は西海大陸、中央大陸、東海大陸だ。

 今俺がいるのが東大陸のグレイ王国だ。

 東大陸にはグレイト王国のほかにトパーズ共和国が存在する。

 中央大陸には、ミラ共和国とドラン共和国

 西海大陸には、アルバス王国とブルーノ王国があるらしい。

 基本的に王国と共和国は仲が悪いらしい。

 細かい他国の情報は、おっさんも行ったことがないから分からないようだ。

 次に国のルール。基本的に現代日本と変わらない。

 ただ、中世ヨーロッパのような身分制度があり、貴族と王族が政治を仕切っているらしい。

 職業に関しても大体は地球と一緒だ。

 ただ、冒険者という職業がある。

 この世界にはモンスターがいて、それがたびたび村や都市を襲うため、それに対する対策らしい。

 そしてその冒険者達を束ねているのがギルド。

 ギルドにはさまざまな組織が属していて、銀行の役割もしたりと多種多様なことが可能なところらしい。

 ファンタジーらしくていいね!!! 

 最後に硬貨。実は意外なことに世界共通の硬貨を使っているらしい。

 上から順に金貨、銀貨、銅貨。

 比率は金貨1枚=銀貨50枚=銅貨500枚らしい。

 これら3種が国際通貨らしいが、例外として旧硬貨というのがある。

 これは今よりずっと昔使われていたとされる硬貨らしく遺跡などからの出土量が極めて少ないことから、上記の3種の外に置かれた特別な金銭だそうだ。

 

 「いやぁ、ほんとにいろんなことが聞けました。情報ありがとうございます。」


 「嫌だなぁ〜あんちゃん。急にかしこまっちゃって!あんちゃんは上物の客だからな!当たり前だぜ。」


 一応礼儀として挨拶はしたが、これは俺の誠意でもある。

 聞いた感じおっさんが嘘をついてるようにも思えなかった。

 その誠実さに対する礼だ。

 

 「じゃあ早速だがあんちゃんをギルドに案内するわ」


 「ありがとうございます。」


 「あっそれとな、あんちゃん。」


 「なんですか?」


 「色々あったんやとは思うけど、もうちょっとマシな言い訳考えといた方がええで」


 しっかりバレてたようだ。

 まぁあえて深掘りせず、注意だけしてくれるのはこのおっさんの優しさだな。

 そう理解した俺はそのままギルドへと向かった。

 

 

ヒロインは次回から!

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