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出逢い

愛を知らない彼と愛が足らない彼女が出逢うという意味とは。

僕は愛に飢えている。

愛が沢山欲しくて欲しくて仕方ない程に。

前にこの感情を調べたら理由は分かった


【愛着障害】


簡単に説明すれば親等の養育者からの【家族愛】と言う物が上手くいかずに十分に愛を知らずに育った為の困難の総称だった。

確かに僕に家族愛を知る由は無かった。

だけど今更そんなものを貰ったって気持ち悪く感じるし要らない。

だから僕は…【人】に愛されていたい。


恋も愛も知らないし人に依存はするが固執はしない。

だけど、僕は…高校で

【恋】を知った。


【高校生一年目~春~】

僕が入学したのは単位制の高校

私服登校可、ピアス可、髪の色自由

自分に合った授業を組める

偏差値が高い訳では無いがその自由さに惹かれ入学した。


1年主任「えーそれでは今から新入生皆さんにはどのゼミへ入るか選んで頂きます。

入りたいゼミの先生の元に集まって下さい」


ここではクラスの代わりにゼミがある

1人の先生が目的をもって名前付けたゼミを作り、生徒は入りたいゼミへ入り1年お世話になる


?「なぁ雪、何処のゼミに行くか決めた?」

雪とは僕の名前

本名は【中真なかま ゆき


雪「んーまだ、山ちは?」

山ちは小学生からの幼馴染で

本名は【山野やまの さとる


山ち「俺はあの須本先生のゼミ行こうと思ってる」

須本ゼミ…コミュニケーションゼミか

楽しそうだし他の堅苦しいゼミよりかはマシだろう…


雪「いいんじゃない?僕もそこに行くよ」


山ち「よっしゃ!じゃあ行こうぜ!!」


須本ゼミには既に何人かの生徒が集まっていた

1人は見た事ある。一年生代表に前に出ていた子だ。

名前は…なんだっけな忘れた


須本先生「君達もコミュニケーションゼミに?」


山ち「はい!よろしくお願いします!!」


雪「よろしくです」


須本先生「じゃあ人も集まったし先ずは私の自己紹介かするわね

私はコミュニケーションのゼミ担任になる須本です。この1年間皆と楽しく過ごせるよう頑張るわね!」

とても明るい女性の先生で僕らと同じこの学校に赴任してきたらしく少し親近感が湧く


須本先生「今日はゼミの教室に行って少し説明してから解散になります

それじゃあ皆ついてきてね!」


ゼミ教室は2階の突き当たりの教室の真ん中だった。

軽く皆の自己紹介をして解散。


山ち「雪!この後どうする?俺仲良くなったゼミの子達と親睦会としてご飯行くけど来るよな?」


雪「そだね、僕も参加するよ」


山ち「じゃあ駅に向かおうぜ!!」


?「あれー雪君も来てくれるの?」


雪「うん、皆と仲良くなりたいし行きたいな」

話し掛けてくれたのは

【真野 綾音 (まの あやね)】

今の印象は陽キャ感溢れる可愛い女の子


綾音「ほんとー!沢山話そうね♪」

とても愛嬌ある子だなぁ


【駅への道】

雪「ん、あれ…」


綾音「んー?どしたん?雪君」


雪「あー多分教室に定期置いてきたかも」


綾音「まじ?!どうする?今から取りに行くと電車間に合わなそうだけど!?」


雪「一つ遅れて電車で向かうから先行ってて良いよ笑」

(他人事なのに全力で焦ってくれてるのを見ていると少し面白いな)


綾音「そかそか!!じゃあ先に行って待ってるね!」


山ち「じゃあ食べるとこLINEで送っとくわ」


雪「おう、ありがとなー」


【学校】

雪(この時間でも結構人は残ってるか

校庭にいるのは、陸上部かな?

そしてこの聞こえてくる楽器の音は吹奏楽か

部活は自由らしいしバイトするから僕には関係ないかなぁー)


【ゼミ教室~扉前~】

雪(鍵しまってるとか無いよな?

ん、空いてる。)


…そこには1人の女の子が椅子に座っていた


雪(あれ、あの子って確か…)


ウッグスッ…うぅぅ……死にたい…もうヤダ…


女の子は自分に気づいて居ないらしい。


女の子はは薄暗い教室の中の端の机で泣いていた。

こちらに背を向ける様に座っており泣き声だけが聞こえた。


薄暗い教室。微かに吹奏楽の音色。窓が締切っていて女の子の泣き声が響く。


そして何故か僕はその女の子に異様に惹かれた。


その子の机の近くに僕の机はある。

僕はわざと女の子に気付かれるために音を立てた


ガタッ


女の子「?!」


雪「あ、ごめん。びっくりさせたね」

薄暗くて見ずらいが女の子はこっちを見ていた

少しずつ自分の机に近づく

だけど、無意識と女の子に目がいってしまう


近くに来た時に女の子の姿がやっと認識出来た。


…………え????


女の子は腕から血が流れていて

目からは沢山の涙が流れていて

片手にはカッターを握り締めていて

こちらをずっと不信そうに見つめいた。


雪「え、え?!だ、大丈夫?!」

焦った。これは所謂【リストカット】と言うのは知っていた。だが実際見るのは初めてだった。


女の子「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…変な所を見せちゃって…」


雪「いや、別に変じゃないよ、大丈夫…」

何故か動揺が収まっていた。

動揺より自分が知らない世界の女の子に興味が強く女の子への関心が勝っていた。


雪「何かあったの?僕で良かったら話を聞くよ?

えっと、もえ…さん…?」

自己紹介はあんまり覚えていないが微かに思い出せた。

この子は、【愛庭あいば もえ


萌「え、い、いやごめんなさい…

そ、そうだ、あの、これってもしかして」

萌さんが差し出したのは僕の定期だった


雪「あ、これ僕の…もしかして拾ってくれたの?ありがとうね」


萌「う、うん……!」

とても可愛らしく彼女は笑った

腕から血が出ていて泣き腫らした顔なのに

その笑顔見たら何故がドキドキしていた。


その時彼女の血が自分に手へと垂れてきた


その垂れてきた感触に嫌悪感が無かった。


何故か僕はそれに異常に高揚した。


この感情は何か

今までに異性に感じたことの無い気持ちは何か

何故他人の血が着いて嫌悪感が一切無いのか


何故…


何故こんなにも


彼女が愛おしく見えてきたのか。


これが初恋の始まりなのか。この時も今も分からなかった。


彼女が血が垂れた事の謝罪を泣きながらする中自分の気持ちが抑えられなかった。


彼女の血塗れた腕を片方の手で優しく掴み


彼女の血が垂れた手でカッターを掴み


雪「謝らなくて大丈夫。

だから泣かないで。償いたいなら君の事を教えて、君のその感情が知りたい…!」

ただ真っ直ぐに彼女の涙で溢れた目を見て言った。


中真雪は異常だ。


客観的に見ても彼は異常だった。


中真雪は愛に対しての固執が強すぎた。


彼は彼の知らない異性への気持ちに対しての追求心が愛に繋がると思いそれを知る為には

異常である行動もしている。



だが、異常なのは彼だけでは無かった。



萌「雪…君は、私を愛してくれるの?

傷付いた身体を、重すぎる愛を深すぎる愛を嫉妬心を独占欲を満たしてくれるの???

雪君は私を見てくれるの???????

雪君の事私も知りたくなった、雪君に凄い興味が湧いたの。好きかも。好きなのかも。

多分好き…これから仲良くしてくれる…?????」




愛庭萌もまた異常だ


相手に異質とも呼べる行動をされていたのにそれを好意と見なした心。


深すぎる愛への欲求心が強すぎた。


彼女は自分を愛してくれる人を探す

それが血塗れた腕を掴む人だろうがカッターを握りしめるだろうが

彼女はそれを好意とみた。


雪「うん…うん!

君の事が知りたい。仲良くなろう…!これから沢山仲良くなろう?

この気持ちが知りたい。この感情を調べるんじゃなくて君を知っていくうちに気付きたい…!」


萌「ほんと??じゃ、じゃあ…よろしく…ね??」




異常な彼と異常な彼女は奇跡か運命的か

惹かれ合いお互いを求めた。


愛を知らない彼と


愛が足りない彼女は


この時から


【恋】をした


これが【恋】かは分からない彼は

これを【恋】と信じる彼女を知っていく

そんな日常的異常な感情生活を彼は送る。


この2人が今後どうなるか

彼らを含め心が不安定な少年少女達は

以下に【恋】を紡いでいくか

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