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忘れられたジニア  作者: ゆうま
6/30

1-4

「最後の部屋に行った人物は全員「誤解されるような証拠」が用意されていると推定出来ます。だから参加者として行ったことがある人は教えてほしいんです。そこには行っても意味がないってことですから」


背筋に冷たいものが走る


「そこで撃っていないなら…ですけど」


これは脅しだ

ウサギは最大で3つの会場へ行くことが出来る

嘘を吐いたら「魔女」として処刑する

そう言われている


全員がそれを理解したのか、私、スケボー、ホルン以外の6人が行ったと言った


「ちなみに[犬]を選んだ理由はもうひとつあるんです」


「聞かせてくれ」


「私たちはヴォイスチェンジャーのようなもので声が中性的になっています。一人称が私の男性だっています。[蝶]や[リボン]のように明らかに女性である話し方をしていない私を[犬]は「お嬢さん」だと言い切りました。不自然です」


「そういえばそうだったな。それにウサギは常に敬語だ。ホルンや針鼠も中性的な話し方ではあるが一人称が男性的だ。女性でないという根拠にはならないが男性が私という一人称を使うよりは珍しいだろうな」


言われてみれば確かに

でも私も勝手に女子高生をイメージしていた

彼に似ているからだろうか


ただ、私はこういう言い方を選ぶスケボーを心の底から尊敬してしまう

優しいと思う


「3つ目のゲームで一緒だったじゃないか」


「彼はそんな話し方をしません。それから、彼なら「鬼」の能力を使わずゴールを目指したはずです」


「そうか、それはウサギならそうしたからか?」


「はい。今は愚者ですが、過去とても尊敬し、信頼した人物が「似ている」と言ったので」


「他者に判断を委ねるとは意外だ。でも良いんじゃないか」


「はぐらかさないで答えて下さい。なにを知っているんですか」


「なにも。勝手にきみを女子高生だと思っているだけだ。高校教師をしているが、きみに似た優秀な生徒がいてな」


「…なるほど、私を優秀だと言う高校教師は少ないです。私がここに来る少し前、無断欠勤が続いている先生がいると話題でした。熱血で有名なので事情があるはずだと捜索が熱心に行われていましたが、こんなところにいては見つかるはずもありません」


「やはりお前だったか」


「私は意外ですよ、あなたがあんな愚策に走るなんて」


「本当に可愛くないな。少しは先生に頼ったらどうだ」


「嫌です」


「感情を口にしたのは初めてか」


「そうかもしれません。それより、今の言い訳を全面的に信じたわけではありません。元々そういう言い逃れをする算段だったのかもしれませんし、当人だからと言って「なにも知らない」という証拠にはなりません」


「変わらないな。いや、変わったか、だって、一先ずは信じてくれるんだろう?」


「…生きて帰ったら貴方に監禁されていたと証拠を揃えて訴えますよ」


「はははっ!やはり変わったな。うん、俺は今のお前の方が好きだよ。少しは素敵になったな」


「っ…同じこと言うな!ばーかっ!」


「確かに今の言葉だけ聞けばただの女子高生だな」


場の空気が和むのを感じる

誰も死なない「双六鬼ごっこ」ですらなかった空気

もし、もしだけど

これが演出だというのなら――ウサギは「魔女」よりも危険だ

場をコントロール出来るということは、このゲームの参加者の生死を握っていることになる


これ以上この空気にしておくのは危険

ここは少し空気を悪くしてでもウサギに運命を握られていることを自覚してもらいたい

…でも、そんな素敵な言葉は持ち合わせていない


「話しを進めましょう。私が言った方が良いですか?それとも――あ、いや、まずウサギに確認しましょう」


「なにをですか?」


「行った会場は2ヶ所ですか?」


「はい」


「そうですか。では私と犬、どちらが言いましょうか」


「お前からで良いだろ。気分も回復したみたいだしな」


珍しく棘のある言い方

スケボーは完全にウサギを信頼している

危険だ


「私が2ヶ所行った内のもう片方はウサギの第3回戦でウサギの部屋で、こっちを先に行きました」


「みんなウサギがそんなに怖いんだねぇ」


「私の場合理由は違います。さっきの「双六鬼ごっこ」で賞金が得られると話していた「あのゲーム」について知りたかったからです。ウサギは羽振りが良かったですから、必ず参加していると思いました」


「で、トラウマ級の映像を見ちゃったってことかぁ」


「…そうです。得た「記憶の欠片」ですが、NとRのみです。念のため第2回戦の会場1で入手した「記憶の欠片」も共有します」


―――――

SRのみ共有する

SSRのみ共有する

両方共有する

―――――

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