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忘れられたジニア  作者: ゆうま
4/30

1-2

私には150万円も惜しい

でも出し惜しみをしている場合ではないことも分かっている


―――――

オプションを使用する ←選択

オプションを使用しない

―――――


光っている場所がないことを再度確認してオプション画面を開いた

確定SR以上150万円を選択


画面に大きくURと表示され、映像が流れる

音声は多分ない


「え…?なにこれ…酷い」


泣き叫ぶような女の子に遠くから主催者側の人間が銃を撃った

一発目は左耳

悲痛な声が聞こえる気がする

二発目と三発目は連続で撃つけれど、衝撃が加わった場所が明らかに離れている

つまり、わざと外している

ウサギを含めた他の参加者は誰もなにも言わない


…でも、私だって言えないだろう

もし口を出して撃たれたら、次のゲームで不利になるようなことをされたら

そう考えるのは普通だ

だって、どう考えてもこの子は助からない


主催者側の人間が銃を捨てると部屋を出て行く

顔が分からないようになのか、画像は荒いけれど全員撃たれた参加者を気にしているのが分かる

でもすぐに視線を逸らして、他の参加者も出て行く


ほんの少しの時間だったと思う

だけどそれは永遠に思えるくらい長い時間


撃たれた女の子がドアやこの監視カメラに向かって助けを求める映像が流れた


「っはぁ…っはぁ…、「ギャンブルの塔」では全てこんなことを…?」


悲惨な映像を見せられた


元の画面に戻ると、私以外の全員が待機中になっていた


『参加者全員が揃いましたので、これより第2パート、話し合いパートとなります。制限時間は10分です』


画面の右上にタイマーが表示され、表示される数字が減っていく


「ペンギン、遅かったな」


「酷い映像を見せられて…しばらく放心状態になって…待たせてごめん。みなさんもすみません」


「気分を悪くするほどの映像だったんだね…」


「それって誰かが殺される映像なのかなぁ?」


「…そうです。主催者側の人間が手を下しているので「魔女」の証拠にはなりません。見ない方が良いと思います」


私がその映像を手に入れたことを嘘だと思われてしまうだろうか

でも、あんな映像を出来ることなら見せたくはない


「嘘かもしれませんわ。全員覚悟して見た方が良いと思いますわ」


「駄目!あんな悲惨な…!みんなに見せなくないのもある。けど、私はもう一度見ることになるんだよ。…嫌だ」


「誰のどこに行ったのか言って、そいつに判断してもらえば良いんじゃないか」


「そうしよう、ペンギン。辛いだろうが、話してくれ」


「…ウサギの第2回戦、会場1に行きました」


「ああ、あそこですか。見ない方が良いと思いますよ」


「そんな風に…!」


「ペンギン、今は言い争いをしている場合じゃないだろ。それに詳細を聞くより他を聞いた方が良い」


「そうだね、時間もないし。落ち着いて話してほしいから、針鼠からお願いしても良いかな」


「りょうかーい。ウサギの第1回戦で簡易キッチンに行ったよ。手に入れた「記憶の欠片」はNとSSRの2つ」


画面が切り替わる

そこには2枚の紙が写っている


「画面右がNで左がSSRだよ」


N『毎食後ここで持参した茶葉で紅茶を淹れていた』

SSR『残ったもう1人はゲームマスターに「勝者が1人であること」を聞いた』


それって「勝者が1人とは限らないゲーム」だったってこと?

例えば時間や期間の制限があるとか

だけどウサギともうひとり残った参加者は2人で生き残ろうとした

それで業を煮やしてゲームマスターが介入した

それなら説明がつく


だけど、どうして勝者がひとりでなくてはいけなかったのだろう

どんなゲームかも分からないし、想像のしようもない


「私、良い?」


海月とはまた意外な人物

表示されたのは1枚の紙


「ウサギ第1回戦会議室B。これ、SR」


SR『[ウサギ]が指名に成功したのは一度のみ』


「次映像、UR」


長いテーブルに男性が4人、女性が3人

掛け声でもあったのか、一斉に誰かが誰かを指さして少しするとウサギが指した人物が喉を押さえて倒れて動かなくなる


「7人いる。これ、デモンストレーション」


「途中でルール変更があるとは思えないね。だから全員同じように死ぬはず。それならこのゲームの参加者で「魔女」になった人はいない。そういうことかな」


「そう」


「それに、ウサギの成功したのは一度だしな。どう見ても運営に殺されている」


「うん。…もう一ヶ所、行った。ウサギの第3回戦、屋上右R、左SR」


R『屋上の主であった参加者Tsは様々な参加者と接触した。その中に[ウサギ]も含まれる』

SR『食堂のことを伝えに来たのみで、ここではそれ以外の会話はされていない』


「終わり」

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