2-9
「時間がない、会議室Bの共有をするぞ」
時間…時間…それが永遠なら
あの時間がずっと続く
パパをあいしてないママなんていらない
スケボーはわたしもしーちゃんもあいしてくれないの
パパと同じなのに
どうして?
「こっちもRは分からない」
N『2人は初日、会議室Bに入って互いを認識した瞬間わざと驚いて「ドッペルゲンガーだ」と怖がってみせた』
SR『指名は投票式で行い、開票結果は知らされず、指名に成功された者は朝食後の飲み物に毒物が混入されている』
SSR『ゲームマスターから「勝者は1人だ」と聞いても驚かず「わたしたちは2人で1人。このゲームは6人で始まってた」と答える』
UR『[海月]が「それで[海豚]死んだら悲しい。[海豚]に殺してほしい」と言っても、何度繰り返してなにを試しても結果は変わらず、例外として2名での勝利を認められた』
「この繰り返しってのはどういう意味だ」
「…「名前当てゲーム」の本当の終わり、「ゲームマスターが正しい終焉を選ぶ」まで」
「わたくしもそう言われましたわ」
「俺もそうだ」
「ボクは知らないから例外だろうねぇ」
「私も2人と同じです。ちなみに私は自分がひとりで生き残ったときの記憶しかありませんが、他の皆さんもそうですか?」
参加した全員
ひとつの記憶しかない
返事、する
「そうですか…」
なに考えてる?
ウサギ、叔母さんと同じ
怖い
早く片付ける
「スケボーも終わったし、僕もサクッと言うね。海月の第2回戦、会場3と針鼠の第1回戦、ロビーの2ヶ所に行ったよ」
「今度は私…」
駄目
この会場はわたしたちが…
―――――
時間稼ぎをしようとする
黙っている ←選択
―――――
焦るの、駄目
大丈夫
しーちゃんと一緒、怖くない
「理由はスケボーと大差ないよ。まず海月の方を共有するね。SRとURはなかったよ。SSRは音声だよ」
どういうこと
分からない
R『[海月]と[海豚]は協力してひとりの参加者の所持金をマイナスにした』
『私、押す。さよなら、それが正しい』
『それならわたしも一緒に押す。ひとりで抱えない。この罪は、わたしたちの罪』
「これだけだよ。きっとこれが「思わせぶりな証拠」なんだろうね。押した映像かなにかがないってことは、実際は押させてもらえなかったんじゃないかな」
意味が、分からない
押した
押したよ
伯父さんと同じ
分からない
怖い
怖いから、早く片付けないと
しーちゃんもそうだよね
怖いから、わたしとずっと一緒にいてくれた
怖いから、生き返らないか見てないと
怖い人は次々に来る
きっと生き返ってるんだよ
帰ったらまた伯父さんがいる
早く殺さないと
沢山殺してわたしたちの平和を守らないと
「具体的な内容が示されていないのが気になるが、この流れで嘘を吐く必要もない。事実だろうな」
「じゃあ針鼠ね。理由は特にないよ。なんとなく」
「じゃあ運の使いどころを間違えちゃったねぇ」
「そうだね。でも出会うはずのなかったキミという人物と出会ったこと、その人物を選んだこと、それはきっと運命みたいなものがあるんじゃないかな」
「気持ちの悪いこと言ってないで早く共有してよ」
ママと同じ
もうママも生き返ったの?
「はいはい、あるものは全部共有するよ」
N『「目安箱」と書かれたプラスチックの箱に上から紙で「投票箱」と書かれたものが貼られている箱があった』
SSR『[針鼠]の投票用紙は全て「投票箱」の横に自身が置いた』
UR『[針鼠]はそれに名前を書いた紙を入れたことがない』
「これでボクの第1回戦での無実は完璧に証明されたよねぇ?」
そんなこと、どうでも良い
「最後…私、[海豚]第2回戦、会場4だけ」
N『[海豚]は[参加者K]に勝負を挑んだ』
『ではみなさんで言いましょう』
『さようなら』
「UR、映像。さっきスケボーが言ってたこと」
わたしが勝負を仕掛けて負けた人
ゲームマスターがボタンを押したら床がなくなっちゃった
苦しそう
でもね、苦しいのは一瞬なんだよ
天国に行って、大好きだった頃の人に会えるんだから
良かったね
「[海豚]も「魔女」じゃない」
「押さなかったのはこの2つの会場だけだった可能性もある」
犬、嫌い
「理由、ない。勝負してない。あいしてない」
「は?愛?」
「義理と愛が大切。それだけ」
「要領を得ないな。とにかく2人は第2回戦の会場全てに行くことが必要になったってことだ。良いな」
「ふふ」
「うん」
やっぱりパパと同じ
あいしてるから、駄目だって思った
でもパパよりしーちゃんが大切
だから良いの
パパはいつ生き返るかな