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忘れられたジニア  作者: ゆうま
10/30

2-1

…さて、どこへ行くのが最も正解に近いでしょうか

[ペンギン]のあの発言は明らかにオプションの悪用について気付いていますわ

そして、[ウサギ]がそれを使ったのではないか、と疑っている

つまり「魔女」だと疑っていることになりますわね


なにかあったときに味方にするなら[ペンギン]に決まりですわ

「双六鬼ごっこ」のときから思ってはいましたが、特別頭が良いというわけではない

特別人を惹きつける魅力があるようにも思えない

だけど[ホルン]と[スケボー]、特に[スケボー]は味方をし、[ウサギ]と[針鼠]も気に入っている

だけどその理由を[ペンギン]は分かっていない

つまり自らの意志で悪用出来ないということになりますわ


この「魔女裁判」が第3回戦であることは明らか

そして「双六鬼ごっこ」では誰も死んでいない

仮に[ペンギン]に「魔女」となる要素があるのなら流石の[スケボー]も黙ってはいない

味方にするのにこれほど適任な者がいるでしょうか


けれど…

3人が「魔女」なら話しが違いますわね

しかしそれでも、今の段階である程度のグループになっている[ペンギン]たちに味方をすることは不自然ではありませんわ


[ペンギン]は必ず[ウサギ]の第4回戦へ行きます

そこがどのようになっているか分からない以上わたくしも一度そこを選択した方が良いですわね


選択してすぐ元の選択画面に戻る

[ウサギ]の第4回戦には会場が1つしかない

優先される他の人物が行ったため、わたくしは行けない

それが[ペンギン]であれば良いですが…

当然[ウサギ]本人も[ペンギン]の敵意は認識しているはず

なにもなければ[ウサギ]が入るはずがありませんが、場を混乱させるために――


いいえ、これは人狼ゲームではありません

狂人はいないのです

場を混乱させる必要があるのは「魔女」だけですわ

それに「魔女」は誰が「魔女」かを把握していない

人狼ゲームよりもこちらサイドが明らかに有利なはずですわ


「――では、どこへ行きましょうか」


まずは自分の身の安全の確保ですわ

ほぼ全員がそれよりも「魔女」を探すことを考えている

ということは、わたくしの「ギャンブルの塔」での無実は誰かが勝手に証明してくれますわ

だからわたくしは、わたくしのために動くのです


[リボン]第1回戦-最後の部屋


SRは銃に近づいて歩く短い映像

Rは部屋に銃があったという事実


他の参加者と変わりませんわね

オプションを使ってもそうでしょう

しかし「変わらない」と証明することは大切ですわ


SSRはゲームマスターに銃を向けている写真

URはゲームマスターが撃たれるときの映像


「やはり変わりませんわね」


さて、次はどうしましょうか

これで終わっても問題ありませんが、これでは[ペンギン]の味方をした、ということにはなりません

オプションを使って[針鼠]の会場へ行きましょう


問題はどこへ行けば良いか、ですわね

[ウサギ]とわたくしでは指名する方法が大きく違います

そしてなにより、わたくしが参加した「名前当てゲーム」には会議室などありませんでした

つまり全く別の造りの建物ということになりますわね

どこでなにが行われたかは勘で行く他ありませんわ


レストランへ行きましょう

ここで行われたかは別にして、誰もが立ち寄る場所です

なにか重要な手がかりを得られれば良いのですが…


SR『前日少々の衝突があった[参加者K]の死亡が発覚した際激しく動揺し、憂いた』

N『[針鼠]は毎朝6時から昼12時までレストランで過ごした』

R『参加者の中で[針鼠]を悪く思う者はいなかった』


「なんだか逆に不気味ですわね」


オプションを使用

SSR『ゲーム開始6日目から[針鼠]は朝食をとるとすぐに部屋に戻るようになった』


「URはその理由でしょうか。そもそも何故6時間もレストランで過ごしていたのでしょう」


オプションを再度使用するとURと大きく表示されて映像が再生される


[針鼠]が紙になにかを書いて、それを置いて去る

少しして入ってきた他の参加者が驚いてフォークを落とした

カーペットだからなのか、大して大きな音はしない

小さく震えて「針鼠の本名…?」と呟く


それで映像は終わり

今の声、加工されていませんでしたわ

後ろ姿だから分かりにくかったけれど――

まさか彼女も参加していたなんて


こんなところに来てしまっては、この祈りも意味がないかもしれませんわね

それでも


「――どうか、安らかに」

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