ルール説明①
『次のゲームは題して「魔女裁判」。魔女は恐ろしいモノです。―――焼き殺しましょう』
じょ…冗談…
いや、比喩…だよね?
なんだか本当にやりそうで怖い
『ルールは簡単。この中にいる「魔女」を見つけて処刑するのです』
人狼ゲームのときは考える暇なんてなかった
でも今思うと処刑って怖い言葉
『1日に1度開廷される「裁判」で「魔女」を決めていただきます。ここでのルールは「推定有罪」です。よって、1日に1人が必ず死ぬことになります。残りが「魔女」のみになれば「魔女」の勝利です』
「人狼ゲームと違って「魔女」同士はそうだと認識していないわけか」
『その通りです。果たしてこの中に「魔女」は――何人いるのでしょうか』
背筋に冷たいものが走る
『「魔女」の定義ですが、人狼ゲームのように役割として与えられるわけではありません』
まさか…
人生は選択の連続
これまでのなにかの行動が「魔女」にさせる
つまり、その言動の自覚がなければ自分は「魔女」ではないと思ってゲームが進んでいくことがある
これは人狼ゲームほど生温くないかもしれない
『ゲームの中で自分の手で人を殺したことがある者――それが「魔女」です』
「デスゲームだぞ!?そんなの全員に決まってんだろ!」
『[スケボー]はナイフで人を刺したことがありますか?食事に毒を盛ったことがありますか?』
「は?いや、ないが――っ!そういうことか」
ヘッドフォンからは次々に納得の声が聞こえる
恐らく蝶のものであろう声も聞こえる
分かっていなくてもそう言うことが得策だということは学べたらしい
でもルールが分かっていない人は早く消さないと
あとで邪魔になる
ルールを分かっていない人の奇行ほど邪魔で危険なものはない
『メニューからルールを確認して下さい』
さっきの「双六鬼ごっこ」といい適当だなぁ…
『その間も全員の声が全員に聞こえていますので、お気を付け下さい』
ため息を吐くとメニューを選択
まず、この「魔女裁判」は4つのパートに別けられている
1.捜査パート
1-4位は2つ、5-10位は1つの会場に移動することが出来る
会場とはこれまで参加者が参加してきたゲームの会場である
そこには「記憶の欠片」があり、それを回収することでそこでなにが起こったかを知ることが出来る
但し、5段階N、R、SR、SSR、URのレアリティがあり、レアリティが高い方がより多くの情報を知ることが出来る
オプションでレアリティの出現率を上げることも可能
「ゲームマスター、この「記憶の欠片」ってのはメモ用紙のようなものなのか。それとも映像や音声なのか」
『内容によって異なります。ひとつ確実に言えることは、必ず真実だということです』
それよりも私が気になるのは2つ
同じ場所に行こうとしていた場合「双六鬼ごっこ」の順位が高い者が優先される
仮にホルンがはじかれたと言えば私かウサギがそこに行ったことになる
誰が敵で誰が味方か分からない以上ホルンが嘘を吐く可能性も視野に入れておく必要がある
参加者が違っても同じ部屋に入ろうとした場合も順位が高い者が優先され、入ることが出来ない
ただし、入手出来る「記憶の欠片」は異なる
このルールは誰が同じゲームに参加していたか分かってしまっているから、利用されるかもしれない
2.話し合いパート
得た証拠を元に誰が「魔女」であるか話し合いをする
自由討論形式で、反論も自由なタイミングで出来る
「捜査パート」で得た情報だけでなく、「双六鬼ごっこ」以前での情報を使っても構わない
これはオプションの使用が限られている者への救済だろうか
それとも「魔女」はこれまでに重要なことを落としてしまっているのだろうか
3.裁判パート
誰がどのくらいの可能性で「魔女」であるか各参加者が%で投票
参加者は100%を好きな参加者に好きなように振り分けられる
最も%が多い者が「魔女」として処刑、同率であった場合は双方処刑される
4.執行パート
「魔女」として処刑される者は「記憶の欠片」を3点まで任意の相手に10文字以内のメッセージ付きで譲渡することが出来る
誰にも譲渡しない場合は全ての「記憶の欠片」をランダムに振り分けるか破棄かを選択する
破棄が選ばれた場合、ランダムで3点がオークションにかけられる
スタートの値はレアリティのみで決定される
つまり全ての「記憶の欠片」を闇に葬ることは無理なわけだ
Nが10万円、Rが50万円、SRが400万円、SSRが600万円、URが1,000万円
私ろくにオークションに参加出来ないよ…
それに私はみんなの所持金を知らないけど、私はみんなに知られている
不利過ぎる…
だけど負けない!