34:突然の訪問
モチベーションのおかげでなんとか続いていますが最近ちょっと寝不足で更新が遅くなるかもしれませんがなんとか頑張って行きたいと思います!
昨日の探索も終わりまた月曜日がやってきた。
今日も朝から学校へ登校し授業を受ける。
特にいつもと変わらず一日が過ぎていくと思ったのだけれど今日はいつもと違った。
学校で授業を受けていると僕と樹の二人が呼び出しを受けたからだ。
呼び出しを受けて生徒指導室に入ると中に三人のスーツを着た人達がいた。
そのうちの一人は僕らのクラスの担任をしている安田先生だ。
「突然呼び出して悪かったね、伊吹君に島田君。」
「何かありましたか?」
「俺たち何かやった記憶は無いですが・・・」
「まぁそうだと思うよ、今日はね二人にこの人達から話があってね、私はまだ仕事があるから退室するから後はお願いするね。」
「えっ?」
「えっ?はい?」
突然呼び出されたと思えば先生はいなくなってしまった。
「突然申し訳ないです、貴方達が伊吹肇君と島田樹君で間違いは無いですか?」
「はい、そうですけど・・・」
「お、俺の方も間違いは無いです。」
「私はダンジョン庁の田中敦敏、インターネットではダンジョンおじさんとかダンジョン大臣なんて呼ばれている人です。」
「俺テレビで何回か見た事あります。」
樹はどうやら見たことがあるようだ。
「正直ずっとまでは言いませんけどダンジョンに入るのが楽しくてあまりテレビ見てなかったんですよね・・・」
「ははは、そう気にしなくていいですよ。」
「それでそんな重役のあなたがどうしてここに?」
「それにそちらにいるのは一体?」
「あぁ彼ですか、彼は私のボディーガードをしてくれている人ですよ。」
「「ボディーガード!?」」
僕と樹は聞き慣れない言葉を聞き思わず驚いて変な声を出してしまった。
それにしても本当にいるところにはいるんだなぁボディーガードって。
「普通の人は馴染みもないから仕方ないですよ。」
「は、はぁ・・・」
「それで私からの話と言うのはですね、実は来年よりダンジョンなどの研究を行うことを目的とした大学の新たな学部の設立を決めたのです。」
「「新たな学部?」」
思わず僕と樹はハモってしまった。
「まぁ学部名はまだ決まっていないのですけどね、設立自体は確定しているんですよ。」
「ちなみにどの大学でその学部を?」
「国立大学全てに設立する予定ではありますね。」
「どうしてそんな話を俺たちに話してくれたんですか?」
「まぁ君達が今日本で一番レベルも高いというのが大きな理由ですね、自衛隊ではいざと言う時の対応をする際に戦力を分散するのは危険と判断し、平均的なレベル上げを行なっているのですが、レベルが高い者が少ないというのも不安になるのですよ。」
ちなみに警察は集中的にレベルを上げていてSWATなどの特殊チームのようなものを創設しステータスの上がった人間の起こした犯罪への対処を行い、また今まで解決できなかったような事件にも対処出来るようにしているのだとか。
一番いいのはそんな事件が起きない事なんだけどね。
「つまり僕達にその大学に入って欲しい、そういう事なんですね?」
「そうですね、単刀直入に言うと君の持つ錬金術師としてのスキルの力をお借りしたい。」
「そして島田君、君の場合は現状でも警察のトップチームに近いレベルを持っている、簡単に言うなら囲い込みたい訳ですね、今この日本は想定している事が多すぎて対処がしきれなくなる可能性もある。」
「青田買い、っていうやつですか。」
「そんなところですね、特に君達は他の探索者と比べると大幅に稼いでいるでしょう?つまり皆が入れていない階層に入れる実力を持っている証明ですね。」
「俺が大学、か。」
樹はぼそりと呟いた。
「何か問題でもありましたか?」
「実は俺、大学行くつもり無かったんです、大学行くくらいなら妹に行かせてやりたいって考えてるので・・・」
「島田君、君は一つ勘違いをしているようですね。」
「勘違いですか?」
「私は条件をまだ話していないですよ?ちゃんと聞いてから考えて貰えれば。」
「っ!それも、そうですね。」
「まず条件を話しましょうか。」
学費、入学金全て免除。
ダンジョンに入り稼いだお金に関しては大学に入っている間は完全に非課税、いくら稼いでも非課税とする。
こちらからの指示で移動が行われる場合交通費や宿泊費は全て国負担。
他県のダンジョンへ行く際も大学入学期間中は規定の金額を国が負担。
逆にこちらが求められる条件は
有事の際には学内にいる人や周辺住民の救助活動を行う事。
週に規定の回数大学へ通う事。
大学内では肇は錬金術による実験、樹はそれのサポートを行う事。
それ以外にも他国から寄せられた情報などを纏め、それの確認作業などを行う事。
但し、確認作業に関しては他の学生に任せる可能性もあるのでもしかすると頼まれる事があるかもしれない程度に思っておくくらいで良い。
更に大学期間である4年間が終了した場合専業探索者として活動したり、ダンジョンについての研究をする研究所などへの斡旋も行われるので希望する場合は教えて欲しいとの事。
但しこれらの条件は僕達にしか適用されないので他の人にはあまり他言しないようにとの事。
親に話す程度は問題無いとの事だったので一度相談してから返事をしたい旨を伝えた。
「それでは私はこれで失礼しますね、短い時間ではありましたが、お時間頂きありがとうございました。」
「い、いえ!こちらこそこんな良い条件の提示ありがとうございました!」
「こちらこそありがとうございました!」
「それでは、良い返事期待していますよ?」
そう言って田中大臣は生徒指導室から去っていった。
ボディーガードを連れながら。
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「なぁ肇。」
「どうした樹?」
「これって夢じゃ無いよな?」
「夢じゃないぞ?現実だ現実。」
「そうか・・・肇が問題ないならさ俺受けたいんだこの話。」
「まぁ僕としても悪い話じゃないよね、色々実験とかするの楽しそうだしさ。」
「俺、母さんに許可取ってみる。」
「僕もかな、多分問題なくオッケー出そうな気はするけど。」
そんな事を小声で話しながら僕らは教室へと戻っていった。
そのあとは特に面白みもなく放課後になり、2時間程度だけ華奈さんのレベル上げに付き合う事にした。
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