30:華奈さんのレベリング
現在最初の頃の話を編集しています。
ある程度目処がたったら全部更新するか
新しく小説を作り直すか考えています。
僕達が集まり華奈さんに軽めの説明をした次の日とうとうダンジョンが解放される日になった。
まず僕達は元僕の家である獣モンスターの出るチュートリアルダンジョンに向かった。
ここならば佳乃や樹の最初のレベル上げもした場所なので簡単にレベルを上げる事が出来る。
最初の数レベル分だけは僕がホーンラビットを捕まえて倒して貰うのがベストだと思うのでそうする事にした。
そして元僕の家は外見はそのままながら中は壁がある程度取り除かれスッキリとし、元玄関は受付になっていた。
「おはようございます、探索者の方はこちらのリーダーにDanPhoneをかざして下さい。」
受付には国から派遣されたダンジョン庁の職員の人が居た。
「「「おはようございます」」」
僕らも挨拶をしてDanPhoneを取り出す。
「それじゃかざして入ろうか。」
「はい。」
「おう。」
ピッと端末から音が聞こえたので樹も華奈さんも無事に出来たようだ。
「確認出来ました、ありがとうございます。1階と2階に更衣室がありますので準備の必要な方は女性はこの奥にある更衣室へ、男性は2階の更衣室へお願いします。装備の貸し出しを希望される方は更衣室に入る前に私にお伝えください。」
「僕らは大丈夫だから僕らは先に2階に行ってようか。」
「そうだな。」
「では私は更衣室へ行く前に装備を借りていきますね!」
「それじゃあ終わったらダンジョン入り口前に集合で。」
「了解です!」
2階に上がった僕らは更衣室でささっと着替える。
男の着替えは早いのだ。
「それにしても思ったより人が少ないな、もっと押しかけるイメージがあったんだが・・・」
「確かにそうだね、ここで待ってる間に中に入っていったの10人くらいだったっけ?」
「確かそうだな、多分他にダンジョンもあるから近い方に流れているのかもしれないか?」
「それはあり得そう、まぁ少ないって事はモンスターの取り合いになり辛いからいいんだけど。」
「それもそうだな。」
そんな事を話していたら華奈さんがやってきた。
思ったより話し込んでたみたいだ。
「お待たせしました!」
「そんなに待ってないので大丈夫ですよ。」
「あぁ、なので気にしないで大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます!」
「それじゃあ行きますよー」
「(ごくり)」
華奈さんは緊張して唾を飲み込んだ。
階段をいつものように下っていくと小さめの広場にたどり着く。
さあ作戦開始だ。
「華奈さん、ここで樹と待ってて貰っていいですか?」
「あっはい、大丈夫です!」
「それじゃ樹、行ってくる。」
「了解、大丈夫だとは思うけど気をつけてな。」
「勿論。」
そう言って僕は一気に中へ走り出した。
「あ、あの肇くんは一体何をしに行ったんですか?」
「えっと・・・生け捕りって言えばいいんですかね?」
「えっ?」
そう樹が言った瞬間広場にホーンラビットが5匹ほど投げ込まれた。
「おっ来た来た。」
「えっ?」
「気絶してる・・・?」
「それじゃ立花さん、その手に持ってる武器でトドメ刺しちゃってください。」
「りょ、了解です。」
この後無事に華奈さんのレベルが上がった。
「あっ、レベル1になりました!」
「了解です、多分次で肇も戻って来ると思うのでちょっと待ちましょうか。」
「はい!」
数分後肇が戻って来た。
本来ならこの階層にいないモンスターを連れて。
「おいおい肇、2層のモンスターじゃないか、というか連れてこれるのか?」
「出来ちゃったかぁ、って驚いてるのは僕もなんだよね。」
と言いながらも肇はダンジョンウルフの脚を切断してあるので安全な事を華奈へ伝え倒して貰う事にした。
「私まともに戦っていない気がするんですけど大丈夫なんですか?」
「レベル3になったら戦って貰うから安心してください。」
「分かりました!」
その後も肇がホーンラビットを持ち込んでは華奈が倒し数十分後には華奈のレベルは3になっていた。
「よし、これでそろそろ身体能力も向上したかな?」
「華奈さん、鑑定でステータスを見せてもらっても良いですか?」
「大丈夫です、お願いします!」
------鑑定結果------
名前:立花華奈
年齢:19
職業:なし
LV03
HP:35
MP:20
STR:6
DEX:8
INT:7
AGI:7
LUC:8
------鑑定終了------
元のステータスを考慮すると手先が器用な事を除けば平均的だった。
そして僕は一つ意外だった事がある。
「華奈さんって年上だったんですね・・・」
「えっ!?鑑定って年齢まで見えるんですか!?」
「そうですね、といっても年齢とステータスしか分からないですけど。」
「す、スリーサイズとかは?」
「流石に出ないですね、安心して下さい。」
「私はまだいいですけど人によっては大変でしたね?」
「気にする人確かにいますからね・・・」
「おっと話が逸れましたね、ステータスですが力はそんなに無いみたいですが今は男性の一般人以上の力は持ってます、あと素早さや動体視力なんかも上がってますよ。」
「そうなんですか?」
「まぁ確かに現状だと分からないですよね。」
「という事で次は華奈さんに戦ってもらいます。」
「分かりました。」
そして僕は壁際を進むように華奈さんに勧めホーンラビットを見付けたらジャンプの瞬間に横に避けるように伝えた。
ちなみにその間に樹には自由にしてもらってレベル上げや素材の回収をしてもらっている。
二人もずっと一緒にいるのは効率が悪いからね。
「これは、完全に作業感が・・・」
「でも一番安全ですからねこの方法が。」
「効率が悪いとは思いますがここでレベル10目指しましょう。」
「了解です!」
その後はホーンラビットが現れるたびに壁にぶつかり気絶していき、華奈さんがそれを倒すという作業が始まった。
たまに同じ探索者の人が現れ同じ方法で倒していた。
他の人も怪我しない程度に頑張ってほしいところだね。
そして3時間ほど時間が経ちお腹も減って来る時間になったので僕は華奈さんに休憩ついでにお昼ご飯を提案する事にした。
ちなみに1時間で倒せた数は大体10匹ちょっとだったよ。
他の人もいる中でだから思ったよりは倒せたんじゃないかな。
「華奈さん、そろそろお昼にしませんか?」
僕がそう伝えると華奈さんはDanPhoneを素早く見ると
「うわ、もうこんな時間になってたんですね、思ったよりも疲労が少ないので気付きませんでした。」
「おそらくレベルアップの恩恵でしょうね、お昼は入り口の広場が安全なのでそこで食べましょうか。」
「分かりました。」
そう言って僕らは広場の方へと戻る。
広場に戻ると既に樹がいた。
「あれ?樹さん先に進んでいったはずじゃ?」
華奈さんは困惑している。
「そっか説明してなかったんだな肇。」
「忘れてたね。」
「どういう仕組みなんですか?」
「ボスを倒した後には同じような広場があるんですけど、そこにはボスを倒した人だけが見える魔法陣みたいなのがあるんですよ、そこに入るとこうやって戻って来たり出来るんです。勿論下の階層に行くにはそのボスを倒している必要がありますけど。」
「なるほど・・・」
「ところで立花さんは今レベルはどれくらいになったんですか?」
「今ですか?4ですね。」
「やっぱり10まではそこそこ早いんだな・・・」
「同じことを2-3回くらいやれば10になるんじゃ無いかな。」
「それでも先はまだ長いですね・・・」
「潜ってたらあっという間ですよ。」
それからご飯を食べた僕らは夕方になるまでホーンラビットを狩り続け華奈さんのレベルは6になった。
今日は一旦解散になり、明日の夕方から1時間2時間くらいの間レベル上げのためにダンジョンに入ることになった。
今日の収益は僕がサポートし華奈さんが倒したラビットが約100匹、樹が2層で倒したウルフが約30匹と大量だった。
思ったより樹の倒した数が少ない理由?
荷物を監視する人も居ないといけないからね。
盗られないとも限らないし。
そして大荷物を抱えた僕らは受付にいる職員の人にドロップ品を渡した。
数を数えるので少し待機して欲しいとの事だったので整理番号を貰い中に置いてあった椅子に座り待っていると10分ほどで数を数え終わったようで再び呼ばれた。
「お待たせしました、ホーンラビットの角が110個とその魔石が110個、ダンジョンウルフの牙が30個、その魔石が30個ですね、お疲れさまでした。」
ホーンラビットの角が1個100円、魔石が150円、ウルフの牙が1個300円、魔石が200円と思っていたよりもいい買取金額だった。
ホーンラビットだけで27500円、ウルフで15000円、やはり階層とアイテムの利用価値で値段が決まっているようだった。
「こちらが買取価格になりますが全て買取してよろしかったでしょうか?」
「みんな大丈夫?」
「あぁ。」
「大丈夫です!」
今日だけで42500円の稼ぎになった。
「そうだ、樹はウルフの買取分総取りで大丈夫だからね?華奈さんとも相談した上での話だから受け取ってくれると嬉しいな。」
「その代わりにラビット分を私と肇くんで半分ずつ頂きますね!」
「悪いな、助かります。」
そうして僕らの実質的なダンジョン探索1日目は終了した。
彼らは知らなかったのだが、そのダンジョンに潜っていた人達の間ではいきなり突風が吹いたり気付かないうちに後ろにいたラビットがいきなり消え去るといった不思議な出来事が起きたと噂されていたのだとか。
それに一般的な探索者達は5000円稼げるかどうかで終わった者が大半だったそうな。
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