23:中級錬金術を覚えました
お久しぶりです。
だいぶ腰もよくなってきたのでそのうち更新頻度を元に戻せると思います。
※田中の口調が統一出来ていなかったので修正しておきました。
佳乃がダンジョンでソロ攻略出来るようになってから数日が経ち日本政府からダンジョンギルドの設立が公式に発表されるまであと2日になったころ、僕は相変わらずダンジョンを駆け抜け続けモンスターを乱獲し続けていた。
短い時間しか入れていないけれど他人からすると信じられない速度で走り続け僕のレベルもとうとう30になった・・・のだけど
今回のレベルアップは事情が違ったようで。
(錬金術師レベルが30に達しました、スキル「初級錬金術」が「中級錬金術」へとランクアップしました。)
(それに伴い初級錬金術で作成可能なものを全て把握し、鑑定の機能を強化しました。)
大量の情報が僕の脳内に入り込んでくる。
今まで鑑定でうっすらと分かっていた情報が全て繋がりはじめる。
(これは、とんでもないな。)
初級錬金術で扱えるものの殆どはチュートリアルダンジョンから産出されるものが多く、そしてその殆どは武器や防具の素材にするものが多かった。
そのままでも十分な性能が得られるが、錬金術を使うことでさらに性能を強化する事が出来るものがあるようだった。
おそらく、それなりのレベルになりこの技術を用いたものを利用すれば中級ダンジョンへと行けるようになっているかのように感じられた。
これを考慮すると職業は早めのレベルで転職するのではなく、しっかりとレベル上げを行ったほうがいいという事が分かる。
おそらく魔法使いなども30に達せればさらに強い魔法が扱えるという事になるのだろうから。
問題はそこに至るまでどれほどの時間を要するのか、だろうか。
無職の間はレベルの上がりが早いようだけれど、転職するとその勢いは一気に落ち着いていく。
僕は成長促進があるからここまで早く来ることが出来たけれど、佳乃のレベルの上がり方を見ると1ヶ月で10までは簡単だろうけどそれ以降は大分厳しくなる。
それこそ、専業すれば話は違うのだろうけど。
ただ、唯一の救いは階層にいるモンスターを全滅させるとすぐにモンスターが湧いてくる事だろう。
ずっと篭り続ける体力と気力があればレベルも上げられるだろう。
チュートリアルダンジョンで得られる経験値が少ないからこの問題が発生しているんだろうけれど、中級ダンジョンでは一体どうなるのか少し不安ではある。
とりあえず今出来る事はこの情報を知らせる事だろうか。
僕は直ぐにこの情報をダンジョン庁の人へと伝える事にした。
すぐ会えるとの事で指定された場所へと向かう事になった。
その場所は県庁の中にある会議室で、中には知らない人がいた。
「君が、伊吹肇くんだね?」
そこにいた知らない男性は僕の名前を確認するように尋ねてきた。
「はい、僕が伊吹肇です。」
「私の名前は田中敦敏、ダンジョン庁の責任者をやらせて貰っている者です。」
「えっ、そんな方がどうして僕と?」
「今回私が会うことを選んだのは君に依頼したいことがあるからですよ。」
「僕に、ですか?」
「えぇ、私が君に依頼したいのは君が今まで収集した素材の買取と錬金術によって作り出したものを買い取らせてもらいたい。」
「特に錬金術師である君の作ったものを買い取らせていただきたい、まだ君から聞いた条件を満たせる者がいないので、今は買取をして研究をさせてもらいたいのです。」
「そういう事でしたら、ご協力させていただきます。」
「ありがとう、それと君の言っていた情報なども買取とさせて頂き、報酬を支払わせていただきたい、君が命がけで得た情報ですし正当な報酬と言えるでしょう?」
「いいのですか?その、予算とかの問題もあると以前聞いたことがあるんですけど。」
「そこの問題は大丈夫です、かなりの予算を頂いているので。」
「なる、ほど。」
「金額としてはまだ初級と言うこともあり多くは渡せないですが、君がダンジョン解放されてから中級ダンジョンへ向かうというのであればその都度報酬を支払わせていただきます。」
「分かりました、それでお願いします。」
「ありがとう、近いうちに人をそちらへ寄こしますので、その時に渡して貰えると助かります。」
「ただ、回復薬だけは持っていたいのですが・・・」
「回復薬は大丈夫ですよ、他のダンジョンでも産出されていますからね。」
「それは助かります。」
「私から話したいのは以上です、わざわざここまで来て頂いてこの程度なのは申し訳ないですが、私も何分忙しくてですね・・・」
「大丈夫です、お役に立てたのなら幸いです。」
「まだ若いのに随分と礼儀正しいですね、これからもよろしくお願いします。」
もうすぐ日本は大きく動き出す。
ダンジョンという大きな異物を伴って。
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