15:魔法
珍しく2日連続更新です。
12と14話が少し改稿されているのでもし気になられた方はご覧ください。
佳乃が準備をしている間に僕は少し休憩を取り佳乃が戻ってくるのを待っていた。
10分ほどすると僕の部屋に佳乃が戻ってきたので一緒にダンジョンに入ることにした。
「それじゃ、行くよー」
「うん!魔法楽しみ!」
テンション爆上げ状態の佳乃を連れてダンジョンの階段を下る。
「あっ、そういえば佳乃ここにある魔方陣光ってたりするか?」
「光ってないよ?」
なんで?といった感じでこちらを見ながら佳乃は答えた。
どうやら自分で到達しないと次の階層へは行けないらしい。
まぁ行けたら行けたで危ないからそれでいいんだけどね。
「じゃあとりあえず佳乃が魔法をどれくらい使えるのか鑑定で見させてもらうよ?」
「うん!わかった!」
さてあんまり変わっては無いと思うけど見ていこうかな。
-------鑑定結果-------
名前:伊吹佳乃
年齢:15
職業:なし
LV01
HP:15
MP:15
STR:3
DEX:3
INT:5
AGI:3
LUC:6
スキル
なし
所持魔法
ファイヤー 基本消費MP2
ウォーター 基本消費MP2
ウインド 基本消費MP2
ライト 基本消費MP3
ダーク 基本消費MP3
-------鑑定終了-------
御誂え向きに全部の魔法を使ってもMPは残るみたいだね。
ホーンラビットを探して連れてこよう。
「佳乃、ホーンラビット捕まえてくるからここで待っててな。」
「うん!」
少し進むとホーンラビットがいたので脚の筋肉を剣で斬り、身動きが取れないようにする。
いきなり実戦は怖いから仕方ないんだ、うん。
過保護って言われるかもしれないけど
佳乃が傷でも負おうものなら親から叱られるのは僕だからね。
とりあえず処理したホーンラビットを佳乃の所へ持っていく。
「お待たせ。」
「お兄ちゃんありがと!どの魔法から使おうかなぁ。」
かなり迷っているみたいだ。
「水魔法とかどうだ?威力も無さそうだし、お試しにぴったりじゃないかな?」
「うん、いいね!やってみるよ!」
『ウォーター!』
すると前にかざした佳乃の右手の手のひらあたりから水がどこからともなく現れホーンラビットに向かっていった。
ただ、うん、しょぼい
すごく、しょぼい
なんでここまでしょぼいんだろう?ってくらいしょぼい
どちらかと言えばクリエイトウォーターって感じだね
飲用水とか作る魔法とかそんな感じ。
「よ、佳乃?」
「す、すううううごおおおい!!!」
「まるで手品みたいに手から水がジャー!って!すごいすごいよ魔法!どこでもお水飲めちゃうよ!?」
魔法で水出してやるのが飲むことっていうのもなんか佳乃らしいな。
「それって威力強めたり出来ないの?よく小説とかだとイメージとかで収束させたりとかしてるからさ。」
僕は佳乃にそう聞いてみた。
「あーそう言われてみるとそうだね、でも完全詠唱っていうので威力が上がるらしいからそれでやってみるね!」
「湧き出せ、ウォーター!」
すると先程とは打って変わって水量も多く流れの早い水が出てきた。
ただ殺傷力は無いみたいで、ホーンラビットがどこかへ流されていった。
「って待ってどこ行くねーん!!!!」
思わず突っ込んでしまった。
ホーンラビットが横にクルクル回りながら水に流されている絵面は完全にシュールだった。
今のは威力が高かったからMPを多く使ったのか気になったので再度佳乃を鑑定してみる。
すると合計で5減っていたので後から使ったものは3消費している計算になるみたいだ。
「佳乃、最初のはMPが2減ってて次のが3減ってたんだけど何か知ってるか?」
「うんとね、後から使ったのは完全詠唱って言って威力が高いみたいなんだよね!」
「なるほど、ただその代わりにMPは3減っていたから覚えておくといいかもしれないな。」
「そんな違いあったんだね!?お兄ちゃんいてくれて助かったよ・・・」
それから時間をかけて火風光闇の魔法も試してみたけど今すぐ実戦に使えそうなのは闇と火だった。
他は何か考えないといけないかもしれないね。
それと佳乃にも称号が手に入ったらしいんだ、『魔導の先駆者』っていう称号で世界で初めて「魔法」を使った人に贈られるらしい。
なんでも魔法の威力を倍にしてくれる優秀な効果を持っているようだ。
僕もやってみたかったなぁ。
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