13:ステータスは偉大だった
最近ずっと暑いですが、夏バテにはお気をつけくださいね。
ウルフとの初戦闘を終えた僕はまた奥に向かって進んでいた
するとまたウルフと出会ったので出会い頭にウルフの体を切り裂いていく
ドロップに変わるのを待つのが正直億劫ではあるけどどんな役にたつかも分からないので一応回収していく。
さっきまでの荷物を部屋に置いて来て正解だったな、と思いつつ進んで行くと分かれ道が現れた。
「うーん、右側にずっと進んでいくと良いって何かで読んだ気がするし、右から行ってみようかな。」
思わず独り言を呟いてしまったけれど誰もいないし気にしないで先へと進もう。
右へと曲がって少し進んだところで少し大きなフロアに出た。
ただそのフロアには信じがたい事にウルフがいた、それも大量に。
「待って待って待って!この量は2層のレベルじゃないって!!!」
ざっと見で20匹以上はいるだろうか。
「あっ」
ウルフと目が合ってしまった。
僕は身の危険を感じた。
ずっと追いかけられるくらいなら一気に攻めるしかないと踏んだ僕は己の力を振り絞って前に全力で走る。
一つ誤算があったとするなら、そう、僕の速度が異常なほど速かった事だろうか。
20mくらい離れた場所にいたウルフ達に僅か2秒程で到達してしまった。
ずっと走っていた訳ではなく、思い切り走ろうと地面を蹴った瞬間での出来事だった。
僕はステータスを見誤っていた。
ステータスが上がれば上がるほどその身体能力は人間の限界を超えていく事に気が付かなったんだ。
多分50m走なら4秒台も夢じゃないと思う。
むしろフォームとかしっかりすれば3秒もいけそうな気がして来た。
そんな速度で走っていたのに僕は冷静に剣を振るう事が出来る、おそらくこれもステータスの影響だろう。
すれ違い様に4匹ほどのウルフを斬り裂いた。
ウルフ達も動揺しているようで僕から距離を取ろうとしている。
でもその動きはダメだったね、消極的になったら勝てないよ。
「ふっ!どりゃああああ!」
僕は叫びながら再びウルフの群れに突っ込む。
全力でウルフの体を斬り裂いていく
ウルフは驚きのあまり動けないでいた。
ずっと無心で斬り続けていたら周りにはウルフの血で水たまりが出来ていた。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ。」
僕は息を整える。
「あれだけいたのに一瞬で終わっちゃったよ、絶対僕人間辞めてるよね、これ。」
ウルフ達の死体を見つめながら僕はそうボヤいた。
ウルフがドロップ品へと変わるまで待機していると聴き慣れた声が聴こえた。
(レベルアップしました。)
どうやらあの群れでレベルが上がったようだった。
今はステータスを見ずに帰ってからの楽しみにしておこう。
ドロップ品を拾いリュックへとしまい、再び奥を目指そうとしたのだけど、奥へと進む道はそこにはなかった。
仕方ないので戻って反対の道を進む事にした。
反対の道は先程とは打って変わって狭めの道だった。
ウルフが時たま襲ってくる、大した脅威ではなかったのだが、1層と比べるとエンカウント率が大幅に増えたような気がする。
妙に一本道が多いけどダンジョンってもっと複雑じゃないのかな?
30分ほど道なりに奥へと進むとまた扉があった。
「もうボス戦かな?」
妙に早いな、と思いつつも僕はその扉へと足を進めた。
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