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困惑する母の日(千鶴)  

作者: 狼花

 ん?なんでこんなに廊下が散らかっているのかしら

玄関からリビングにつながる廊下に色々なものが散らばっている

ノート、筆箱、ランドセル、全部桃花の所有物。

いつも部屋に置くのになんで今日は玄関に散乱しているのかしら

当の本人は出かけていない。

・・・反抗期に入ったのかしら・・・

でも、こんなあからさまな態度になるのかしら

最初は口が悪くなったりと段階を踏むと思うのだけど

・・・本人に理由を聞きたいわね・・・

散らばっているものを片付け私の部屋に押収。

考えても仕方がないのでいつも通り仕事の準備なり、家事なりをこなす。


 「ただいま」

奈々が帰宅

「おかえり、最近桃花の様子で変わったことなかった?」

「いえ、どうしたんですか?桃花の身に何かあったんですか」

・・・あ、この子にこの質問はダメだ・・・

たった一言で私よりもあたふたしている。まず落ち着かせましょう。

・・・しかしなんと言って、落ち着かせようかしら・・・

考えているこの間にもどこかに電話をかけている

「どこにかけてるの」

「警察に捜索願いを、と」

「やめなさい」

そんな大袈裟なことじゃないの段階を飛ばしすぎよ、あんた。

「では、桃花の友人に連絡を」

「あんた番号知ってるの?」

「学校の連絡網を見ればいいのでは最初に担任の先生から当たりましょう」

「だからやめなさい」

・・・本当に、桃花のことになるといつもあんたは・・・

「しかし、こうしているうちに事態は悪化していくかもしれません」

「とりあえず、私の話を聞くことから始めない?」

・・・本当に大した理由なんかないから落ち着いて・・・

「いえ、とりあえず。桃花の身柄を確保してから話しましょう、母さん。」

・・・桃花!!いますぐに帰ってきなさい・・・

この重病のバカをわたしが抑えている間に

ん?

「奈々、どこかによってきた?」

奈々が紙袋を持っているのでつい気になってしまった。

「あ、これ母の日のプレゼントです。」

「ありがとう」

めでたい母の日に騒動なんてついてないわね


 「ただいま〜」

ちょうどよく帰ってきたわね桃花。

あんたに聞きたいことがあるのよ。(怒)

「ほっ、無事でよかったです。」

「何が?」

「あんたなんで廊下に荷物散らかしたの?」

「よくぞ聞いてくれました、私からの母の日のプレゼントだよ」

『???』

2人して首をかしげる

「最近、私がお利口であんまり怒れなくて

  不完全燃焼だったでしょ、

 だからお説教できるようにしておいたの。さっ、怒っていいよ」

・・・そんな、母の日のプレゼント聞いたことないわよ・・・

「荷物没収したから明日は手ぶらで学校ね」

今度からまともなプレゼントを用意しなさい。

「あ、ごめん。そこまで考えてなかった。  

   情状酌量で返して〜〜。それか明日は休みか♫」

「頑張って先生に謝りな」

「そんな〜〜」


母の日のプレゼントはあんたのそのリアクションで十分満足よ。


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