超肉食聖女様と脅威の格差
三話をどうぞー。
狩りの成功の余韻と獲物の味をじっくりと楽しんでいたチパチャパの体が、ひょいっとデュカから引き剥がされた。
引き剥がした本人が、参ったという顔でチパチャパを見つめている。
「あー・・・、チパ?
そのなんだ・・・その、お前も解ってるんだろうけどさ。」
「っぁ・・・ぅん。」
チパチャパは離れた肌を名残惜しそうに見送った後、デュカの顔に目を向けた。
手を伸ばしてついさっきまで触れていた箇所を指先でなぞりながらなので、未練は全く断ち切れていなかったが。
(んぅー、もーちょっとあのままでも。・・・うぅ、でもそうよね。流石にこの先を道端でヤるのは、ちょっとデュカには難易度高いよね。ん~っ、よし! お家まで我慢っ!)
チパチャパの目に映るデュカの顔も何かを我慢しているようだった。少なくとも、チパチャパはそう思っていた。彼も限界に違いないと、「にひひっ。」と声に出さずに笑う。
デュカの家が何処にあるのかは知っていたけれど、流石に自分から向かうのは今の演技にそぐわない。
という事で、チパチャパはデュカを軽く煽る事にした。
肩に置かれた彼の手に自分の手を柔らかく重ねて、さわさわと指の腹をその上で滑らせる。デュカの獣心を騒がせるように、淫靡にゆっくりと。
そして、熱っぽい瞳で見上げてからの、「んっ。」と首を傾げたオネダリも追加した。
後は僅かに体を揺らせば、チパチャパ的に完璧な期待に胸を焦がす幼馴染の姿の完成である。
デュカが『わかってる、大丈夫だ。』といった感じで力強く頷く。
肩を掴む彼の手が強くなったのを感じて、チパチャパの心臓はその激しさを増して脈打った。
デュカの口が、言葉を紡ぐためにゆっくりと開かれていく。チパチャパは演技を崩さずに、その美味しそうな唇に視線を集中させた。
「オレ、もうちゃんと嫁がいるからさ。
だからそんな心配しなくても大丈夫だって、オレ達を信じてくれ。」
「・・・はぃ?」
チパチャパの口から変な声が漏れた。
ちょっとデュカの台詞を処理しきれないで目を白黒させているチパチャパに、デュカは更に言葉を重ねていく。
「わかってるって、あれだろ?
聖女様にもなると色々心無い事を言ってくる奴とかが出てくるんだろ? そいつらが何処からか昔のオレとの事を聞きつけて、それでお前と勇者様の仲を邪魔しようとしてきてるんだな?」
娘を守る様な顔をデュカはしていた。
(いや、勇者様関係ないから。嫁戦争は激しいけど、皆同じ傷を脛にもってるから。その方面から攻撃するのはタブーだよ?)
チパチャパは呆気にとられたまま、反射的に脳内で答える。
「勇者様の姿が見当たらないのも、その辺が理由なんだろ?
お前一人で勇者様の迷惑にならない様にその事を俺達に頼みに来たんだろ・・・あぁ、わかってるさ。そういうトコ、昔っからほんと変わってねぇな、お前。」
どういうトコだよ。チパチャパは心の中でデュカにつっこんだ。
何やら過去の自分まで随分と美化されているような気がする。
デュカは何故か手で涙を拭う仕草までみせていた。
そんな姿までカッコ良く見えて、なんかこう、チパチャパは無性に彼の涙を唇で掬いたくなってくる。やったら、こう、感極まった感じでデュカが抱きついてきたりしないだろうか?・・・パンクした頭はまだちょっと整理がついていない模様だった。
「でもな、思い詰めてあんな事まで言わなくても良いんだぞ。
味方にしようとか考えなくていい。オレは、いやオレ達は、何時だってお前の味方なんだからさ、チパ。安心しろよ、もし村にそんな事尋ねてくる奴が来ても、オレ達がぶっとばしてやる。
だからよ。お前は胸張って、勇者様の嫁だとそいつらに言ってやれ!」
何かが彼の琴線に触れたのだろうか。
突然デュカがぎゅっとチパチャパを抱きしめて、トントンとあやす様に背中を叩いてくる。
彼の体温とか匂いに包まれて、一瞬昇天しかけた。
が、チパチャパはすぐに意識を引き戻してデュカを凝視した。
(・・・あれ? 私ちゃんと『勇者は気にしないでいいから、私を好きにしていいよ?』って伝えたよね? よね?)
今までのやり取りを思い返して、そんな感じだったとチパチャパは一人頷く。
デュカもソレに応えていたはずだったのでは? いやそんな事より、とんでもなく重要な事を聞いた気もする。
そう、『嫁がいる。』とか何とか。自分以外の誰かがそこに収まっているだと?!
「っ嫁?! デュカ、あんたお嫁さんいるのっ?!」
「あ、ああ。居るぞ?
いや、お前も知ってるだろ? 手紙で知らせたし、そん時はお前、初めて返事くれたじゃねぇか。」
何言ってんだコイツ。ああ、やっぱり思い詰め過ぎて疲れてるんだな。
とデュカが顔で如実に表しながら生温かく見守る中、チパチャパの中の人は大混乱に陥っていた。
(は? いや知らないよ?! 手紙とか一度だって読んだ事ないし! 誰よっ! 勝手に返事とか出したのは?!)
チパチャパが知らないのは無理もない。
実際、その時の手紙は届いてそのままゴミ箱行きだった。送り元をよんだ瞬間、投げ入れてた。
封筒が祝祭用の凝った造りだった事もあり。聖女の一人が偶々、開封もされていないソレを目にして中身を読み、流石にコレはと代筆して返事をだしていただけの事だ。
その際、その聖女は一応チパチャパにも伝えていたのだが。
勇者様とにゃんにゃんする準備に夢中だったチパチャパは、適当に聞き流して返事をしたというのが真相だったりする。
混乱からチパチャパが立ち直るのには、ちょっとした時間を必要とした。
それでも何とか立ち直り、「嫁って誰?!」とデュカを問い詰めようとした瞬間。にゅっと、褐色の細い腕が彼の背後からチパチャパの前へと伸びてきた。
腕はそのままデュカの首元へと柔らかく巻き付いた。
「デュ~カ~? 僕に内緒で浮気かなぁ?」
続いて、デュカの肩口から現れたのは金色の子猫みたいな瞳をもった女性の顔だった。
彼女はチパチャパを一瞥すると、デュカに絡みついたまま彼の耳をハムハムと甘く噛み始める。耳の刺激に慌てたデュカが、チパチャパを離してその女を引き剥がそうと必死になっていた。
「っだぁぁ! ッ馬鹿! それはやめろって言ってんだろ、クパっ!」
「やめないよ~? デュカが僕に内緒で浮気しようとしてたんだし~? んふ~っ。」
「してねぇよっ!」
「うーそー。今抱き合ってたくせに~、これはお仕置き案件だよ~?」
「誤解だっての! っくぁ、だから止めっ! っぉぅ! こらっ、止めっ!!」
「らぁめ~。」
デュカが女を掴む度に急に震えて、力が抜けたように手が離れる。
体を揺すって引き剥がそうとしても女はぴったりくっついたまま離れようとしなかった。むしろ楽しそうに振り回されている。
チパチャパは完全に置いてけぼりにされて、蚊帳の外だ。
間に入り込む隙も無さそうなので、目の前で繰り広げられている二人の楽しそうなじゃれ合いが終わるのを待つ事しか出来そうにない。
(クパ? あの女がデュカの嫁? 年下かなぁ・・・あ、舌使ってる羨しい。)
出来たら自分も混ぜて欲しい。
諦めて待つ事にしたチパチャパは女を観察しながら、ポンコツな頭でそんな事を考えていた。
◇◇◇
デュカがバツの悪そうな顔をしていた。
ぽりぽりと頬を指で掻き、乱入してきた女の肩を抱いて体に寄せている。
彼女を引き剥がすのに、デュカはかなり長い時間をかけてしまったのだ。
引き剥がしたというよりは、彼女の方が満足して離れてくれた、と言った方が正しいのかもしれないが。
デュカに抱き寄せられて悪戯っ子の様に微笑むその女にも、チパチャパは見覚えがない。
クパって誰だっけ? とか名前から判断する事も難しかった。村に居た時も年上とか同年代ならともかく年下の娘の名前はあいまいだった。聞き覚えがある様な、ない様な、そんな感じなのだ。
ただ。
今目の前にいるその女は、明確にチパチャパの敵だ。
別にデュカの嫁だとか、初めてを奪ったとかそういう理由ではない。その、あれだ。たわわに実る豊穣の証というか。デュカの胸の上でむにゅりと押し潰れる特大の果実というか。
自分のささやかで愛らしいモノに比べて何と尊大な事か。
こんな娘にデュカを寝取られたかと思うと、悲しみよりも怒りが湧いてくる。
(おのれ持つ者め!! ぐぎぎ・・・どこの村の娘だ、てめぇっ!)
ぎりぎりと歯を食いしばるチパチャパにその女が、にへらっと笑った。
「おぉん?!」と噛みつきそうになったチパチャパをデュカの申し訳なさそうな声が辛うじて引き留める。
「あー、コイツも随分変わってるから判らねぇよな?
コイツがオレの嫁、クパクチュだよ。・・・ほら、覚えてないか? 昔良く俺達の後をついて来てたオルオゥラさんの娘だよ。」
「チパ姉さん、お久しぶりー。
あ、お祝いのお手紙ありがとー。や、もう送る時内心ドッキドキだったんだよ? だからあんな丁寧なお祝いが返ってきた時は、すっごく嬉しかったの!」
クパがペコリとお辞儀をして、たゆんたゆんと暴力的な動きをチパチャパに見せつけてきた。・・・何がとは言わないが。
(クパクチュ?! え、あのちびっ子がこんな・・・えっ?!)
チパチャパはこの事に二重の衝撃を受けていた。
何処に行くにもしつこく後ろに付きまとって来てたチビガキが、今や色々立派に育ってデュカの側に立っている。
あれ、おかしいなと涙が滲んできそうだ。
この村は慎み深い事を誇りとしている村のはずなのだ。
言われて思い出したクパの母親だって、チパチャパが村を離れる時はスラリとした体をしていた。クパに至っては完全につるぺったんのお子様だった。
それが、何をしたらこうまで冒涜的な体に育つのだ?
チパチャパは、そっと自分の控えめで大人しい胸に手を添える。
手を下に滑らせれば、なだらかな曲線を描いて決して自己主張しない細く清楚な腰から、健康的で引き締まった太ももへと落ちていく。
途中醜く不自然に体から手が離れる事もない。
(うん、いや。あれはほら、ただのデブだから。大丈夫、この体の方がデュカにも魅力的に映るはず・・・だってそう、勇者様もメロメロだったし。行く先々でも大絶賛でモテモテだったもん。)
そうあれは、過酷な魔王退治の旅を経験しなかったが故の怠惰の証なのだ。節制を心がけていた自分はそうはならなかっただけの事。
お肌の張りで負けてるような感じがするのだって、ただ若さの差でしかない。
時間が経てば自分よりきっと早くたるむ。
顔も元気系の美少女だが、お淑やか系の自分よりは劣っていると思う。うん、平気。
旅の間に磨いた技術も加味すれば、泥棒猫に劣る処かチパチャパの圧勝だ。
チパチャパは力強く頷いた。
「よし!」
「いや、何がよしなんだよ。大丈夫か、チパ? ・・・お前、やっぱり疲れてるんだな。」
クパと自分を交互に見比べて、腕やら顔やらを触っていたチパチャパにデュカが心底心配した様子で声をかけた。
デュカから見れば、今日久しぶりに見たチパチャパは情緒不安定で奇行に走ってばかりいる様にしか見えなかったのだ。「あれだ、今日はなんか旨い物食わせてやろう。」とか、クパと相談し始める。
再び二人でイチャイチャしそうだったので、チパチャパは慌ててデュカ達の間に割り込んだ。
「違うわよっ! ただちょっと、クパが想像してたより成長して吃驚してたの!
・・・クパ、久しぶりね?
本当に見た時は、誰だかわからなかったの。ごめんなさいね?」
「あははっ、それデュカ見た時にも思ったでしょ~? チパ姉さん。
僕はチパ姉さんだって、顔見た時にすぐわかったけど。・・・っあ、そだ。さっきはこっちこそごめんなさい。チパ姉さんは勇者様のお嫁さんなのに、浮気したとかデュカに言っちゃって。」
クパが勢いよく頭を下げる。
再び、たゆんとした。・・・ガッデム。
顔をあげたクパがデュカに抱き着いて、ふにょんと潰れる。呪われろ。
ぐりぐりとデュカの胸に指先を突き立てながら、クパがいじらしく彼の顔を見上げていた。
「その・・・僕、ちょっとヤキモチ焼いちゃって。
挨拶だってわかってても、デュカが他人のお嫁さんをぎゅってしてるの見たら、胸の中がもやもやしちゃったの。」
「いやお前な、前から言ってんだろーが。オレはお前がいれば十分だって。」
困り顔のデュカがクパの頭を抱き寄せて優しく撫でている。
クパも幸せそうに目を瞑って身を任せていた。手の動きに合わせてすりすりと体全体を小動物の様に摺りつけて、実に嬉しそうだ。彼女に猫の尻尾とか耳とか付けたら、間違いなく癒される光景だった。
(なにこの可愛い生き物・・・え、嘘。あれ演技じゃないの?! まさかの天然モノ?! いたのそんな女っ?!)
チパチャパは流石目の付け所が違った。
日頃の厳しい戦いの中で鍛え抜かれた彼女の眼力は、クパの態度が演技ではなく、彼女の素の姿だと教えている。
馬鹿な、ありえない。
チパチャパは初めて勇者様達を見た連合軍の将軍の様に叫びたくなった。
「もーっ! またそんな事言って。・・・嬉しいけどさ。」
「ならいいだろ? ったく。」
「でも、もう4年も経つんだよ? 子供達もいるから、僕にちゃんと相談してくれるなら新しいお嫁さんを迎えてもいーよ?」
「だから・・・いらねぇって言ってんだろーが。 それに『まだ』4年だ、馬鹿っ。」
「むーっ、僕にも立場があるんだけどなー? 小母ちゃん達がせっついてくるしー、それにほら。未亡人のパヌ姉さんだって支えてあげないと。」
「支えるだけならやってんだろ?! 何も嫁にまでする必要はねぇよ・・・だろ? クパ。」
「ぶーっ! 旦那様の愛が足りてないーっ、僕もお休みとかちょっとは欲しいんだけどなー?・・・ねっ、チパ姉さんならこの気持ちわかるよねっ? 勇者様も凄そうだもん!」
(そっかぁ、4年前かぁ。達って事はたった4年で二人以上かー・・・羨まけしからん。いいなぁ、私もデュカの赤ちゃん欲しいなぁ。)
勇者様との噂を聞いてもデュカは更に1年は悩んでくれてたらしい事に、チパチャパのお腹がキュンっと鳴く。
あの後、一年以内に強大な魔獣なり魔族なりがまた現れていれば良かったのに。
勇者様をつまみ食いした後だけど、それでも色々言い訳すれば間に合った可能性が高かそうだ。・・・根性ないぞ、魔王め。
とか、不謹慎な事を考えつつ今は亡き魔王に毒づいていたチパチャパは、急にクパから話題を振られて戸惑どった。
このお花畑で生きてそうな小娘に、そんなあけすけな事を聞かれるとは考えもしなかった。
(そっか、デュカは凄いのかぁ。ぐぬぬぬぬ・・・。)
何と答えてもデュカの好感度が下がりそうなのが一番問題だ。「くぬーっ。」と悩みに悩みぬく。おのれ天然、なんて残酷な罠を張るんだ。
身じろいだ程度でタプタプ揺れる胸をチパチャパは睨みつける。
結局、プライド的なアレコレやら、巨乳に対する敵愾心やらのモロモロで。
チパチャパは見栄を張った。
「・・・うん、そうね? そう、凄く疲れるものね?」
青筋を浮かべた笑顔で頷くものの、内心では『そんな訳ないでしょ、馬鹿娘!』とクパを怒鳴りつけたくてしょうがない。
魔王退治の旅はその方面でも楽ではなかったのだ。
激戦を潜り抜ける勇者様は夜は泥の様に眠っていたし、数少ないチャンスには彼の嫁達が搾り取ろうと飛蝗の様に彼に群がっていたのだから。
魔王退治が終わると、子宝を解禁された事もあって聖女の間の競争は一気に激化したし。
チパチャパも頑張ってはみたが、月に2、3度くらいしかお相手出来ていない。
それも連日連夜のお勤めで疲れ切った勇者様は、一度であっさりと眠ってしまう事がしばしばだった。
「疲れるどころか体力有り余ってるわよ!」とか口走りそうになる。
コメカミをピクピクさせるチパチャパを他所に、クパはにんまりとした笑顔をデュカに向ける。
「ほーらー、沢山お嫁さんがいるチパ姉さんの所でもそうなんだよ?」
「だぁぁっ、わかった! ちっとは我慢すっから、この話はもう止めよーぜ? な? 頼むよ、クパ。」
「んもーっ・・・しょーがないなぁ。」
「だからっ、ソレやめろって! なぁもうっ! クパぁぁっ!」
クパにちゅっちゅとキスの雨を降らされて、弱り切ったデュカが悲鳴をあげた。
必死にクパの顔を押しのけようとしているが、デュカも本心から嫌がっている訳でもないのだろう。
手に全く力が籠っていない。あれはたぶん、チパチャパの目の前でやられて恥ずかしいだけなのだ。全くお盛んな事である。
(人を出汁にして目の前でイチャつかないでよ。私も混ぜろ! てゆか、さっきから勇者の嫁って事を強調しないでくれない?! この泥棒猫めっ!)
「がるるる。」とチパチャパがクパを威嚇していると、彼女の顔を押さえたデュカが思い出したように声をかけてきた。
「ああそいうやさ、チパ。・・・お前、これから親父さん達に会いにいくのか?」
「へ? あ、うん。顔見せようかなーって思ってたけど。」
さっと可愛い幼馴染の顔に戻して、チパチャパは咄嗟の事に驚きながらも無難に返事をする。
デュカに妙な顔は見せたくないという乙女心である。もちろん、この後迫るのにもそっちの方が良いかな、という打算も込みだ。
にっこり微笑んで、可憐で清楚な態度をデュカにばっちり印象付けた。
「そっか・・・。」
ただ、チパチャパはなぜデュカが気の毒そうな顔をして自分を見ているのか、さっぱり解らなかった。
クパがヤキモチを焼いた後平然と他の嫁を勧める事に違和感を覚えた方もいらっしゃるでしょう。
あれは、相手がチパチャパだからです。
他の女だったら、拗ねて見せる程度で済んでいました。
尚、外で働く男性の死亡率が高く、嫁を沢山養う事を義務としているこの世界でも、現役の他人の嫁に手を出すのは良い事とは思われていません。(未亡人は除外されます。)
なので、不倫やら許されぬ恋やらのお話が、聖都などの都会で一部人気を博していたりします。題材の被害者は今の所、勇者様が筆頭らしいですよ?
「初めて会った人に、突然赤ちゃんを見せられて言われるんです。『本当は貴方の子です。大丈夫、夫には内緒ですから。』とか僕にどーしろと?! ・・・助けてください女神様。」
と、神殿で祈る彼の姿があったとかなかったとか。