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神様から見た転生者  作者: アイリ
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第3話 天使ミラの新たな能力

(……この人、強い…見ただけでも分かる…)


ー辺りは静寂に包まれている。

イヴに立候補されてから、既に5分経過していた。それでも両者は動かない。観戦する者は、ミラとイヴを円形に囲っている。完全に、ミラとイヴの戦いは見世物になっていた。


(……本来はこんなんじゃなかったのに…!)


本来ならば、自分は誰にも負けずに勝ち続けて、自分には教育係など必要ないことを証明させるはずだったのだ。……なのに。イヴと名乗った神は、油断も隙も伺えなかった。 一見、体制を楽にしているように見えて、実際はすぐにでも動ける体制に入っている。そのせいで、ミラも迂闊に動けないでいた。

このまま、両者とも動かないと誰もが思っていた時に、それは起きた。

イヴが、ニヤリと笑った。


「……!」

(何か来る!)


ミラは最大限の警戒をしていた。イヴを視界全体に納め、少しでも動けば身体が反応するようになっていた。

……筈だった。

しかし実際には、ミラはイヴが動いたのを察知できなかった。…いや、目が追いつかなかったのだ。ミラが気づいた時には、既に目の前にイヴはいなかった。


(……早い!)


しかしミラも大創造神からの知識を受け止めた身、イヴについての情報を持ち出して攻撃を受け止めようとするが…。


「遅いねえ」


「……!」


いつの間にかイヴはミラの後ろに回り込んでいた。このままでは回避も攻撃を受け止めることも出来ずに負けてしまう。ミラはそれだけはどうしても避けたかった。その理由は自分でも分からない。しかし、ここで負けるのはどうしても避けたかった。


(……もうっ!いっそのこと、瞬間移動でもしてこいつの後ろに回れたら…!!)


ミラは、強くそう願った。イヴに少しでも抗えるように。まだこの試合を続けられるように。……もっと、イヴと戦えるように。

ミラがそう願った瞬間、辺りは眩い光に包まれた。その光は天界に留まらず、人間達の住まう下界にも届き、全ての者があまりの眩しさに目を閉じた。


(……なに、これ)


ミラは困惑していた。眩しさは感じなかった。むしろ、光の存在を確認出来なかった。周りの神たちは、イヴまでもがあまりの眩しさに目を閉じている。しかし自分は光など感じてはいない。


(……もしかして、光って自分から出てる?)


そう結論に至った時、ミラの中に新たな情報が流れ込んできた。


ースキル「空間操作」


ミラは即座にそのスキルの有効な使用方法を理解した。そして、ミラは行動を開始した。

好機(チャンス)だと思ったから。

これなら、イヴに反撃できると思った。イヴの目が見えない今の状態は、ミラにとって唯一反撃できる絶好の機会だった。いつこの光が収まるかも分からない。ならば、早く攻撃を仕掛けるに限る。ミラはイヴに回し蹴りを放った。


ーしかし、ミラのその考えは甘かった。


「……目を潰せたからって、調子に乗るなよ」


ミラの足は、イヴの片手に収まっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(……こいつ)


イヴはミラの姿を見た瞬間から訝しんでいた。その瞳には、生まれた時から知性があったからだ。それに加えて、この自分が苦手とする攻撃。明らかに自分の弱点を付かれていた。


(……なるほど、大創造神から受けた恩恵は知識か。それも、並の天使達とは受けた恩恵の量が違うようだ。)


イヴは、自分の手に足を掴まれたまま浮いているミラをみた。ミラは先程まで、飛べるような素振りは見せなかった。隠していたのではなく、元々なかったのだろう。ということは…


(先程の光は、新たなスキルの誕生の合図か。戦闘中にスキルを獲得するとは…適応能力が高いな。判断力も十分すぎるほどある。それに加えて、大創造神から授かった膨大な知識。これは完全に創造神コースだな。)


しかし彼女には力が足りない。情報は大量にあっても、身体が追いついていなかった。


(……いいねえ。私がキッチリと育ててやろうじゃないか。)


「……目を潰せたからって、調子に乗るなよ。」


(まずは、この戦いを終わらせるとするかね)


ミラとイヴの戦いは、もうすぐ終わろうとしていた。

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