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神様から見た転生者  作者: アイリ
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第2話 先生との出会い

彼女が、自分自身の概念を確認したのは大創造神による名付けが行われた時だった。大創造神の知識が自分に流れ込んでくるのが分かった。


顕現した天使は、何かしら大創造神からの恩恵を受ける。それは力であったり、知識であったり、スキルであったりと様々だ。

今回ミラが受けた恩恵は、知識であった。それも、膨大な。その知識は、通常の天使が貰える量とは桁違いだった。そしてその知識は新たなスキルとしてミラの中に収まった。


ースキル『神眼』


ミラが備え持つ、情報処理能力があってこそのスキル習得であった。彼女はそのスキルを手に入れると、急速に思案行為を始めた。


まず、大創造神から流れ込んできた知識によると、この後は自分の師となる神が選定されるらしい。自分ではその人物(神)は選べないわけだ。


(…いやよ、そんなの。その神様に自分が教わる事があるかすら分からないじゃない。私には大創造神から流れ込む知識があるから本当なら先生すらいらないのに。)


しかし、今までの天使達は誰もが選ばれた神と過ごして神へと成長していったようだ。ならば、自分もそうしなければならないのだろう。


ーどうしても、その神と過ごさねばならないのなら。その神を選ぶ権利くらい、あってもいいだろう。


そう考えてミラは、来るべき時のために策を講じるのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー誕神祭2日目ー


今日は、新たな天使の教育係となる神の選定の日だ。我こそはと、多くの神が選定場所へと集まっていた。天使の師となる神の選定方法は、毎回大創造神によって決められる。


ー今年は、どのような選定方法で、どのような神が選ばれるのか…


すべての神は、大創造神が指名するものだと思っていた。いや、それが常識であった。何故なら、今までの天使は名付けされてすべての基礎能力が上がったとしても、急速になだれ込む知識が原因で情報処理が追いつかず意識が混濁し、全て大創造神がその代わりを行ってきたからだ。


だが、今回は違った。

新たな天使、ミラの発言によって。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミラは、笑顔でその言葉を発した。


「ー私の師となりたいのならば、その強さ、賢さを私に証明して見てくださいな。私より強く、賢くあるのならば私はその方を私の師と認めましょう。教えを請いましょう。

私より弱い者に、私は師を仰ぐつもりはありません!さあ、かかってきてください!」


ミラがそう言った瞬間、辺りは静寂に包まれた。

ー 一体、何を言っているのだ。


誰もがそう思った。今まで、教育係選定の日までに意識が明確化した天使すらいないというのに、それに加えてこの言い様だ。


ー舐められている。


どの神もがそう感じた。その反応は様々だった。激昂して怒鳴る神もいれば、呆れる神もいたり、面白いとその挑発に乗ろうとする神もいたり。しかしそれらの反応をした神、ただ傍観していた神の全ては、最終的に大創造神に視線を集めていた。最終的な判断を下すのは大創造神だからだ。


大創造神は静かに頷くだけだった。それはつまり。


ーミラに全ての判断を委ねる。


そんな意味合いが込められた仕草は、すべての神に自由行動を許すものだった。


「感謝致します、大創造神よ。」


大創造神から行動の許可、つまりは自分で師となる神を選んでも良いという許可を貰ったミラは、つい昨日誕生したばかりとは思えない程の優雅な仕草でお辞儀をした。その仕草は、可愛らしい容姿と相成って、多くの者を魅了したのだった。


「では、始めましょうか、私の師となる神の選定を。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……さあ、お次はどなたですか?」


1時間が経過した。この時点でミラに勝てたものは、一人もいなかった。ミラに挑戦した神の数はおよそ100にのぼる。それら全てを、ミラは一撃で倒してみせた。圧倒的な力であった。

しかし、それも当然の事。ミラは大創造神から流れ込む知識で、各神の弱点、身体の構想からくる急所などが全て分かるからだ。あとはそこを一突きすれば終了だ。


「…おいおい、強すぎだろ」

「……1人で休み無しに100人近くを倒してるぞ」

「…強いなあ」


周りで観戦する者も、驚きを隠せないでいた。


(…やっぱり、私には先生なんて不要ね)


ミラは心の中で思う。やはり、自分には先生なんて不要だったのだ。多くの神を凌ぐほどの知識を、自分は持っているのだから。


(これではっきりしたかな。…あとは、どの神になるか、だけれど。どれにしよう)


そう、ミラが思っていた時だった。


「へえ、なかなか強いじゃないか。どれ、私も力試しに参加することにしようかな」


突然、1人の神がミラの前へと躍り出たのは。


「…あなたは、強そうですね。お名前を聞いても?」


ミラは察知していた。


(…この人、私と互角…いや、それ以上…?)


「ああ、名乗ってなかったな。私はイヴ、地球という世界の創造神だ」

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