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逃げるモノ。追うモノ。逃がすモノ。【逢】  作者: 小鳥遊 雪都
十時《ととき》さん。
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朝。

僕の朝は早い。


けれど、それは近所の雄鶏よりは遅い。


僕はのそのそと布団から抜け出して手早く身支度を整えた。


ここへ来て、早くも二週間が過ぎ去った。


ここでの生活は快適で何の不自由もない。


何の悩みもないと言えばそれは嘘になってしまうけれど・・・。


少なからず、僕は謂われない暴力に怯えることはなくなった。


僕は無駄に広く無駄に長い廊下を抜けて、廊下と同じく無駄に広いキッチンへと足を踏み入れた。


はぁ・・・。


僕の小さな溜め息が無意識のうちに吐き出された。


「おはようございます。十時とときさん」


僕のその挨拶は十時とときさんの耳には届かなかったようだった。


十時とときさんは無心で2リットル入りの業務用アイスクリームのバニラ味を業務用冷凍庫の前で貪り続けていた。


僕はそんな十時とときさんの横にそっと歩み寄り、もう一度『おはようございます』と声を発してみた。


「ん? あ。おはようございます」


ようやく僕の存在に気づいてくださった十時とときさんは目だけで僕を確認された。


僕はそんな十時とときさんの挨拶に軽く会釈を返し、朝食の支度へと取り掛かった。

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