表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奏星機グランセリオン  作者: みんと猫
12/26

第5話 星は砕け、刃折れても Bパート

「揃ったか、我が腹心たる八神将よ」


 ライヒ・エンパイア帝国の帝城、シャトーキャッスルブルグは黒薔薇の間にて、もはやテンプレートと化した皇帝陛下の一声から今日も会議が始まります。


 ゴボリ、と陛下の「玉座」である培養槽の液体が泡立ち、(わたくし)達は襟を正して目礼致しました。。

 ああ、そういえば陛下の玉座と私達の喉の渇きを満たす培養液ですが、この度正式に名称が決まりまして。

 研究所の開発主任の御名前を頂戴し<ヒュンケル皇帝液>と名付けられました。

 何故か破軍様が、ギリギリだな、と呟いておられましたが一体何のことだったのでしょうか。


「それでは早速卿等の働きの成果を聞かせてもらうとしようか」

 

 お前からいけよ、いえいえ貴方から、と短いながらも熱い駆け引きの応酬の結果、グレートジャーニー順という珍妙な順番で報告することに相成りました。

 

 グレートジャーニーということは、一番手はアインヴァルト様からですね。

 ガチャリ、と漆黒の鎧を鳴らしながらアインヴァルト様はゆっくりと立ち上がり、軽く手を振るとテーブル上の立体映像が御自分の担当エリアであるアフリカ大陸の地図に切り替わりました。


 ちなみに切り替わる前に流れていた映像は極東の古いロボットアニメでした。

 胸からビームを出したりロケットパンチを放ったり基地を覆うバリアがパリンと割れたりと、色々と参考になる描写が豊富ですね。

 こういったもののお約束である<友情、努力、勝利>の三原則も完備しておりますし。

  

 ──ロボット三原則もこの三つにすれば私達も幸せになれるのではないでしょうか?


 最も帝国の魔導人形には元々ロボット三原則など適応されてはおりませんが。

 既に人類にケンカ売ってる立場でもありますので。


 おや、考え事をしていたらいつの間にやらアインヴァルト様の報告が締めに入っておりますね。

 拝聴することにいたしましょう。


「まあ、つまりっすね」


 アインヴァルト様はジロリと玉座を睨みつけると、立体映像に映された各種のデータの羅列をコツコツと指先で叩く素振りを見せました。


「現状、金が無いんでこれ以上の侵略活動は不可能っす。それどころか、一部の支配地域を手放さないとガチで財政破綻しかねないんすよね。金が無いのは誰のせいだとは言いませんけどね」


 データ画面が切り替わり、今度は折れ線グラフが現れました。

 経済や軍事に関する各種の数値が週毎(しゅうごと)に変動していく様が一目で分かるのですが……


 おお、見事な右肩下がり。


「誰のせいだとは言いませんけどね」


 陛下が<眼>を逸らす気配を感じた八神将が全員同時に立ち上がり、瞬時に玉座を囲み視線の行く先を塞ぎました。


「ぬう、卿等……!?」


 逃がすものですか。


「では、次は私の番ですね」


 私は立体映像を担当する欧州エリアに切り替え、各種データを表示いたしました。

 そう、アインヴァルト様と同様の右肩下がりのデータを。

 

 さてさて、どうオトシマエをつけてくれましょうか。

星は再び輝きを取り戻した。

そしてその輝きは今、天に昇る・・・・・・

次回、奏星機グランセリオン第6話「空に舞う」

──そして、剣は蒼穹へ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ