表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

夕食のお買い物

 こんにちは、みのりです。

 今日は、というか今は夕食のお買い物に来ています。もちろん真琴も一緒です。


「今日は夕食何にしましょうか。まーちゃんは何か食べたいものあります?」


 さあ、カレーかハンバーグかはたまたオムライスか、どんな注文が来ても私は作れる自信がありますよ。どんとこいですっ。

 真琴はしばらく考える素振りをして、それから私を見つめてきました。はぁ、なんて綺麗な瞳でしょう。


「なんでもいい」


 ……どうしましょう、何だか倦怠期に入った夫のような返事が来ました。


「そ、そうですか。じゃあ今日はハンバーグにしましょう」


 まあここはやはり子供に大人気、アーンド作るのが意外と簡単なハンバーグで決まりでしょう。どうです? 真琴は喜びに満ち溢れていま


「昨日お肉だったでしょう。たまには魚とかも食べないとビタミンDが……お、あの鯖とかどう?」


 ダメ出し食らった上に本日のお得商品まで紹介されてしまいました。うぅ……確かにあの鯖安いです。


「じゃあ今日は鯖の塩焼きにしますね」


「ん、ああ塩焼きなら塩分は控えめでよろしく」


「分かってます、パパも最近塩分の取りすぎで血糖値上がってましたからね」


 おっとこんな生々しい話を子供にするべきではありませんでしたね。余計な心配をかけてしまったでしょうか。


「まーちゃん、あの……パパはまだまだ若いから心配しなくても大丈夫なのですよ?」


「ああ、うん」


 全く動じない……やはりこういうところはドライなのですね。涙をハンカチで拭き取ります。


 しばらくして、私は夫に頼まれていたチョコレート菓子を忘れていたことに気がつきました。いけないいけない、三日連続で忘れるところでしたよ。

 お菓子売り場に着くと、男の子と女の子が走り回っていてお母さんらしき人に怒られていました。兄弟でしょうか。


「あ、まーちゃんも走り回ってはいけないので、私が捕まえてますね」


「そうやってナチュラルに手を繋ぐのやめて」


 母は強し、逃げようとしたってそうはいきません……あれ? 使い方違いますかね。


「えーと、ツクシの森は……あ、ありました」


 夫の大好きなチョコレート菓子の『ツクシの森』をカゴに入れます。私はクッキー部分がラングドシャでできた『キリカブの庭』、通称キリカブ派なのですが、まあ夫が食べるのですしいいでしょう。許します。


「そういえばまーちゃんはどちら派なのですか?」


 ふと気になり、手を離したがる真琴に聞きます。


「そんな派閥に興味ないよ。だいたいどっちも同じメーカーなんだから差も何もないでしょ」


 ふむ、と言いつつキリカブの庭に目がいってるのできっとキリカブ派なのですね。キリカブの庭に手を触れると嬉しそうな顔になりますし、離すと落ち込みます。


「私も食べたいので、折角ですし両方買っていきましょうか」


「っ……好きにすればいいんじゃ」


 どうしましょう、ぷいっとそっぽを向きつつ口元がにやけてる真琴に頬擦りがしたくてたまりません。いや、もう良いです、やっちゃいましょう。


「ちょ、かあさ……やめろっ!」


 逃げようと走り出した真琴を捕まえて、本当の本当に手を繋ぎっぱなしでいられることが出来ました。さて、あとは挽肉を買って帰りましょう。


 ちなみに、帰った後味噌汁の具材を買い忘れて戻ったのは夫には内緒なのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ