5話 冒険 ~ 俺の攻撃 ~
ギャビュブゥゥゥ・・・!
白眼を向いたコフリンが泡を吹いて倒れる。分銅がコフリンのオデコに直撃し頭蓋骨が砕けたようだ。鎖鎌の分銅も直撃すれば一撃でコフリンを倒せる威力がある。これもパンさが作った鎖鎌のおかげだ。
今日は分銅だけで4回コフリンを一撃で倒している。あとは仲間とのコンビネーションの精度を上げていけば良いと思う。
だが、とてつもない殺気?を感じる。
「グリさん!?」
ドスの効いたパンさんの声だ。声とは別の方角からも嫌な視線も感じる。
振り向くとみんなが白い目で見ている。当然だ。今日はアツさんのレベルアップが目的だ。しかも、アツさんがとどめを刺せば、ナツさんのレベルが上がったタイミングだった。
俺も本当はコフリンを倒そうと思ったわけではない。コフリンがパンさんに攻撃をしようとしていたので、動きを封じようと、とっさに投げてしまった。だが、思った以上に鎖鎌の扱いに苦戦をしている。その結果がコフリンに巻き付かずに直撃だった。
「何回目?」パンさんが聞いてくる。
4回目である。しかも連続失敗だ。今日の作戦は、俺が鎖でコフリンの動きを封じ込めて、アツさんがとどめを刺す作戦だった。だが、3回目の失敗時に、ダルさんが足を攻撃して、アツさんがとどめを刺す作戦に変更したばかりだった。その時の「仏の顔も3度までだよ!」と言うパンさんの顔がフィードバックする。
皆さんごめんなさい!!俺は土下座をした。だが、ナツさんが成長するまで鎖鎌の使用が禁止となってしまった。残念である。
その後、ダルさんのサポートのもとで、ナツさんがコフリンを倒し続けた。ナツさんは積極的に戦うので成長が早い。一人でコフリンを倒せるレベルまで成長をしている。ナツさんからも、次は一人で挑戦したいと志願をしてくる。
まずは、スタミナ回復だ。
みんなでクゥー!と虎の実を食べる。
ダルさんは相変わらず、硬直し尻尾が膨らんでいる。だが、ナツさんやパンさんは虎の実が好きなようだ。2ずつ食べている。
スタミナが回復したところで、俺たちはナツさんの挑戦に向かう。ナツさんの気合は十分だ!
頑張れ!!ナツさん!




