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冒頭② 女神さまって本当にいるんだ

「―――てください」


 遠くから微かに声が聞こえてくる。


「おきてください」


 声が聞こえる……

 あー久しぶりだな、引きこもってからは起きろなんて言われなくなってたな……


「起きてください」


 あぁ、もうはっきり聞こえる。

 ……でも、昨日は新作のネトゲのリセマラで朝方までUR粘ってたからな。


「……」


 どうせ学校も行かないんだし無視して寝とk

「起きてください!!!!」


 ―――っ!!?


「痛ってぇ!!!?耳元で大声出すとか鼓膜破れたらどうすんだ!!」


 頭をハンマーで叩かれたような衝撃をうけ飛び起き、声の主を睨みつける。

 そこには透き通るような空色の髪をした少女が立っていた。



「おはようございます。鈴木光太すずきこうたさん」


 うわ、すげー美人、いや、とりあえずここはどこだ?


「あの、君は?なぜ俺の名前をしっているんですか?……ここはどこなんですか?」


 ふと周りを見ると何もない真っ白な空間に自分とその少女の二人だけであることに気づく。


「私は、空間の女神【ラティス】ここは【空間の狭間(くうかんのはざま)】世界と世界をつなぐ場所です。」


 この少女は女神だったのか……


「人によっては異世界への中継地点や次元の境界なんて言われ方もします。」


 質問されることが分かっていたように、少女は淡々と説明してくれる。

 理解が追いつかないが、これはいわゆる異世界召喚モノか……?


「あなたが思っているものでほとんどあっているんだけど……」

 

 女神様はうーん、と人差し指を口元にあてて目を伏せる

 思考を読まれた……さすが女神様……というか、いきなりラフな感じになったな


「め、女神さま?」


「あ、ラティスでいいよー。真面目にやるの疲れた」



 なんかぶっちゃけたよこの女神様。大丈夫かよ、これ……



「んでー、あなたが召喚される世界なんだけどね。ちょーっと面倒なことになってるのよ」


「えぇ!?どういうことですか?」


 たじろぎながらも現状を考察する。

 突然ラフになった女神、先行き不安な物言い、

 あ、これダメなパターンのやつでは……



「あの、ラティス様……?」


「まぁ、あなたが原因なんだから自業自得ってやつよね。」

 

 女神様は『めっ!』のポーズで俺を叱る。


「え?俺何かしましたっけ?」


 何が自己責任なのかまったくわからない。

 引きこもりで迷惑をかけてきたといえば……親か妹?

 親が俺を異世界に売った?あーだめだ、思考がまとまらない。



「私のミスってのもあったけど、やっぱりあなたがリセマラがんばりすぎたのが原因よね。」


「は?」


 リセマラが原因?

 本当に意味がわからない。


「いや、まて、女神おまえ今『私のミス』っていったか!?」


 問いただそうと一歩踏み出したところで、俺を中心に魔法陣が輝き始める。


「あ、そろそろ時間みたいね。」


 女神がそういうと俺の体はゆっくりと浮き始める。


「うわ!?浮いて……まてまて、さっきの言葉の意味だけ教えろ!!大変ってなんだ?ミスって何をしたんだよ!」


「うーん。まぁ、大変だとは思うけどあっちの世界で勇者としてがんばってきてね!」


 女神はそう言うと俺を見送りながらバイバーイと手を振る。

 

「いや、せめてどうなるのかだけでも教……」


 体が急激に上昇しみるみる女神の姿が小さくなる。

 まるで空に落ちているような感覚と共に俺はまた意識を失った。





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