消失した男の日記
●月▼日
今日も、彼女に叱られてしまった。
僕は彼女から見ると、どうしても優柔不断に見えてしまうらしい。
「男なんだからうじうじしないの!」と言われてしまった。
確かに僕は頼りない。
彼女が眩しい。
何でも素早く決断できて、すぐに行動に移せて。
眩しくて直視できない。
彼女に嫌われても、仕方がない。
こんな僕と今まで友達でいてくれたのも奇跡といっていいくらいだ。
でも、彼女といるとどうしてもわががまになってしまう。
友達よりも、もう少し先に行きたい。
彼女を恋人にしたい、と思ってしまう。
彼女は気が強いけど、打たれ弱いところもあるから。
僕が、支えてあげたい。
これまで僕は彼女に支えられてきたから。
恩返しもしたい。
でも、どうすればいいんだろう?
もし失敗したらと思うと、身体が震えてくる。
彼女は優しいから。
僕を傷つけないために自分が傷ついてしまうかもしれない。
もし、彼女が傷ついてしまったら……。
いっそ、消えてしまいたいとも思う。
彼女を傷つけるくらいなら、僕は消えたほうがマシだ。
あぁ、こんなことを書いていたらまた彼女に叱られてしまう。
明日は勇気を出してみよう。
彼女にこの気持ちを伝える。
どうか、成功しますように。