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カミサマ
昔々、この国に神様がやってきました。
寒い寒い雪の日のことです。
神様は、遠い遠い異国の不思議な瞳を持った人々と一緒に、王様に会いに行きました。
異国の人々はみんな旅人で、王様に厳しい冬のあいだこの国にいられるようにお願いをしにきたのです。
王様はそれを受け入れて、異国の旅人たちは暖かくなるまでこの国に過ごしました。
やがて春が来て、異国の旅人たちは神様とともに何事もなくこの国を去りました。
でも、神様はもう1人、冬のあいだにこの国に生まれていたのです。
神様は、私たちが心の底から強く願えば、どんな願い事でも叶えてくれました。
1つの地に留まることなく、強い願いを持つ人のところへと神様は向かってくれます。
権力者の願いも、平凡な村人の願いも。
風のように神様は現れては消え、等しく叶えました。
ただ