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ハーナル王立図書館地下蔵書  作者: K
ハーナル王国民話 ーハーナル王国七不思議ー
2/16

死んだ村

この国の端っこ。


王都から遠く離れたところに、とある村がありました。


その村には、なんにもありませんでした。


街で開かれているような大きな市場も___。


レンガ造りの立派な家も___。


お金持ちの雇うボディーガードも___。


なんにもありませんでした。



でも……。


澄んだ川と、広い広い土地と、美味しい空気がありました。


村は決して豊かではありません。


ですが、村の人が誰一人飢えないだけの実りはあります。


穏やかに、緩やかに村の生活は回っていました。



ただ、村には悩みの種がありました。


村人が、なぜか次々と死んでゆくのです。


殺されたわけではありません。


ある者は、畑の溝で足を滑らせ___。


ある者は、増水した川に流され___。


ある者は、珍しい毒茸を食べて___。


事故で、死んでしまいました。



そして、ある嵐の日……。


村を土石流が襲いました。


遠く離れた隣村の住民が、土砂を掻き分け、次々と村人を救出しました。


でも、息をしていた村人は、誰もいませんでした。



この村の住民の数は、31人。

掘り起こされたのは、30人。



何度数えても、あと1人見つかりませんでした。


隣村の村人は、土砂に深く埋もれてしまったんだろう、と言いました。


生きていたとしても、これだけ時間が経ってしまえば見つからないと。


こうして、あと1人の村人の捜索は打ち切られました。



そして、その村には誰もいなくなりましたとさ……。

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