FILE67:命懸けの復讐『1』
キャラクター紹介
明日岡スゥ 柏大学附属高校Qクラス、捜査秘密課警視正。
浜谷篤子 柏大学附属高等学校Qクラス、捜査秘密課警視。
笠美雄也 柏大学附属高等学校Qクラス。
畑中葉平 柏大学附属高等学校Qクラス。
青木雅子 柏大学附属高等学校Qクラス。瞬間記憶能力の持ち主。
朝霧哀 柏大学附属高等学校Qクラス。
成瀬桜菜 柏大学附属高等学校Qクラス。裏の顔は・・・?
中嶋茂次 警視庁捜査一課警部。
江茉弓香 警視庁捜査一課刑事、茂次の部下。ドジッ娘。
嘉藤稔二 元工場経営者。
高本行啓 容疑者。
村井映志 元工場従業員。
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とある場所で・・・
「高本行啓、オマエを容疑者として連行する!!」
高本行啓『容疑者』
「ま、待ってくれ、オレは違う!!何もやってねぇ!!」
「犯罪者はみんな、そう言うんだよ。いい加減、観念しろ!!」
茂次は行啓を逮捕した。
立ち入り禁止の現場に、スゥ・篤子・雄也・葉平・雅子・哀・桜菜の7人がやって来た。
「フゥ、高校から現場に来るのも一苦労だな」
「イヤァ、しかし今回は明日岡君達の手を煩わせる必要もないと思うよ。なぜなら、事件は既に解決したからな!」
次の瞬間、スゥ達全員の眼が点になる。
「ウッソだぁ!!」
「まぁ、聞いてくれよ。江茉君!」
江茉弓香『警視庁捜査一課刑事 茂次の部下』
「はい!」
弓香は手帳を開いた。
「被害者は嘉藤稔二、70歳。このアパート、102号室の住人です。首を切られ血を流してる所を発見され、救急車で運ばれました」
「それで?」
「放せ!パトカーぐらい1人で乗れる!!」
1人の男が、パトカーに乗せられていた。
「あの人は?」
「高本行啓・・・この事件の容疑者で、被害者の古くからの知り合いです。ちょうど犯行時刻と思われる頃、被害者の部屋を訪ねている所を目撃されているんですよ」
「しかもだな、被害者の部屋からこんな物が見つかったんだ!」
そう言って茂次が取り出したのは、ビニール袋に入れられたイニシャル入りのライターだった。
「Y・T?」
「YUKIHIRO、TAKAMOTO。高本も自分のライターだと認めたんだ。ちなみに、被害者はタバコを一切吸わん!」
「それで逮捕?」
「いえ、もう1つ。これは被害者を運んだ救急隊員が届けてくれたんですが、被害者はこれを手の中に握っていたそうです」
弓香が取り出したのは、ビニール袋に入ったボタンだった。
「高本のコートのボタンです。恐らく争った時にでも取れたんでしょう。更に被害者の部屋からは、高本の指紋が多数検出されました。」
「それで急いでヤツを指名手配しようとしたんだがな、何と、ヤツはアパートの周りにいた野次馬の中にいたんだよ」
「野次馬?」
「そう!これだけの証拠を残しておきながら、わざわざ自分から捕まりに来たんだ!」
「それじゃ警部の手柄やないやんか」
「同感です」
雅子と葉平が口々に言う。
そんな中、スゥは虫眼鏡でボタンを観察していた。
「中嶋さん!それで、凶器は何なんだ?」
「イヤ、それが見つからないんだよ」
「恐らく、高本が持ち去ったんでしょう」
「ライター、ボタン、そして部屋に残っていた指紋、更に犯行時刻の目撃証言!これだけの証拠が揃っているんだ!そういう訳で、今日は帰って勉強でもしててくれ」
「ちょっと待て、中嶋さん!江茉さん!その前に現場を見せてよ!」
「明日岡君!このオレが信用出来ないって言うのか!?」
「出来ない!」
「出来ません!」
「出来へん!」
言ったのは上段がまず篤子、雄也、哀、桜菜。
中段が葉平。
下段が雅子である。
「イヤ、念のためだって念のため!」
スゥがフォローを入れる。
こうして、スゥ達は現場を見る事になった。
次回、現場検証と取調べ!