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FILE64:温泉旅館の殺人『3』

旅館の一室に、瀨戸内夫婦、中嶋姉弟、スゥ、篤子、真古が集まっていた。


「死んだ!?社長が!?」


2人共、驚愕の表情をしている。


「はい・・・。先程、風呂場で倒れているのが発見されました」


「え!?お風呂場!?」


瀨戸内夫人の言葉に、スゥが反応する。


「雨が降ってた上、酒に酔ってたんだ。足を滑らせて転んでも、無理ないよ・・・」


良男の言葉に、スゥはまた怪訝な表情をする。


「し、しかし、こんな時にどこに行ったんだ!?深雪さんは!?」


そう、先程から江舟深雪がいないのだ。


しかし・・・


「あ、いたいた!もう、何してんの?いつまで経っても探しに来ないんだから!」


深雪がその場に現れた。


ザーッ・・・


「まぁ、状況からして事故と見て間違いないでしょう・・・恐らく・・・」


しかし、瀨戸内夫婦が横目で深雪の方を見た。


「な、そうだよな、スゥ君!・・・?」


「仕事だよ、中嶋警部。これは、殺人だ!!」


スゥの言葉に、その場にいた全員が反応した。


「な、何言ってるの、この子・・・」


「そうだ!失礼じゃないか、こんな時に!!」


瀨戸内夫婦が口々に文句を言う。


スッ・・・


スゥはコートのポケットに手を入れると、警察手帳を取り出した。


バン!!


「ボクは警視長捜査秘密課、明日岡スゥ警視正だ!!」


「!?」


瀨戸内夫婦が反応すると同時に、篤子と真古も手帳を取り出す。


バン!!


「同じく捜査秘密課、浜谷篤子警視です!!」


「同じく捜査秘密課、保安真古警部や!!」


「ス、スゥ君達が警察官・・・!?」


「とにかく、これは事故なんかじゃありません!殺人の可能性があるんです!!警部は気づかなかったかも知れないけど、遠月社長が倒れていた露天風呂・・・そこで・・・」


スゥは一旦言葉を句切る。


ザーッ・・・


「そこで、面白い物を見つけたんです・・・」


ピシャン・・・




スゥ、篤子、真古、茂次、一葉は、男湯に来ていた。


「ねぇ、これ見て!」


篤子の言葉にスゥ達が振り向くと、篤子の目線の先にいくつかの玉砂利が落ちていた。


「何だ、庭にあった玉砂利じゃないか・・・」


「ボクらがさっき風呂に入った時は、こんな物はなかったよ」


「ちょっと待って下さいよ。まさか、殺しだなんて言うんじゃないでしょうね?第一、そんな物が1つや2つあったぐらいで人が死にますか?警視正の悪い癖ですよ」


「1つや2つ・・・ね・・・」


「それより、遺体の方を調べましょう。その方が、ハッキリする」




スゥ達は、現場検証を始めた。


「左のこめかみに、打撲の後があるわね・・・何か、先の丸い物でやられたようだけど・・・死因はこの傷と見て、間違いないでしょう。こりゃあ、ちょっとやそっとの力では出来ない傷よ」


遺体を調べた一葉がそう言った。


続いて、茂次が側にあった岩に手を置く。


「まぁ、滑ってこの岩にぶち当たったってのが自然な考えでしょうな。これに当たれば、まず即死です」


しかし、スゥはある一点を見つめていた。


被害者の両足かかとについた、擦り傷を・・・


次回、究明開始。


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