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FILE61:秘密死守!?白熱の球技大会!!

柏大学付属高校


「球技大会?」

「そう!学校行事で、今日明日使って全校生徒でやるのさ。ちなみに種目はバスケ!」

「何たって、A~Zの全クラスが一緒になれる貴重なイベントですからね。」

「これが楽しみで、イベントに合わせてスケジュール組むAクラスの生徒もいるんだよ。」

「あー、だから周りの様子がおかしく・・・(そういや、オレもドラマ撮影で忙しかったし・・・こういうイベントでハメ外すのも悪くないかもな・・・)」

談笑しながら歩いていたスゥ達の前に、戦部兄弟がいた。

「・・・それで、今日は親父が研修生の指導で留守だから、放課後兄貴は家にいてくれよ。」

「ヘーヘー・・・」

「い・・・戦部兄弟が会話してる!!」

「マジかよ、写メ撮っとくかー!」

「何だテメェら、見せモンじゃねぇぞ!!」

「ん?あ、明日岡のガキ!」

「メイド!」

「学校でメイドって呼ぶな!!」

「なぜだ?」






学校の屋上

「バイトやってるのが秘密?おい、そんなの初耳だぞ。」

「テメェのバイトがバレたって、学校(ウチ)じゃ問題ねぇだろうが?」

「!!(しまった・・・コイツらには、事情説明してなかったな・・・)」

今更だが、スゥがメイド喫茶でバイトやってるのは潜入捜査の後篤子に無理矢理入れられたからである。

「(コイツら揃いも揃ってひねくれた性格だからな・・・きっと、恐ろしい見返りを要求してくるかも・・・)」

以下、スゥの妄想です。

『そうだな・・・口止め料として・・・』

『今日1日、オレ達の妹になってもらおうか・・・』

『お兄ちゃんって・・・呼んでも良い?』

「わーっ!!あ、そうだ!!」

「?」

「今日の球技大会で、オレが1試合につき30点入れたら、バイトの事秘密にしといてくれよな!!」

「(・・・まぁ、そんな事しなくとも黙っておいてやるが・・・)オマエの好きにしろ。」

「よーし、やってやるぜ!!」


かくして、球技大会は始まったのでした・・・






体育館

「『第一試合は残り時間わずか!Aコートでは1-QVS1-Sの試合が行われています!!』」

ダッ!!

「明日岡、頼む!!」

バッ!!

「任せろ!!」

パシッ!

雄也からパスを貰ったスゥが、スリーポイントエリアからシュートを放った。

ザンッ!!

「『試合終了!1-Qが2回戦に進みます!!』」

「お疲れ様です。」

「明日岡スゴイよ、30点も決めるなんて!」

「ああ!オレは30点を取り続けるぜ!!」

「何だそのこだわり・・・」

そんなこんなで、お昼を過ぎた頃、30点ノルマに挑むスゥのいる1-Qチームは、準々決勝まで勝ち進んで行った。




「・・・フゥ。」

「スゥ、お疲れ様。次のAコート勝者と試合よ。」

「『さて、次のAコートは・・・1-WVS2-Aです。』」

「え・・・?1-Wと2-A・・・?」

「って事は・・・」

戦部兄弟(きょうだい)対決キター!!」

「こんなん滅多に観られねぇぞ!!」

「よし、オレ達も観に・・・」

「あ、あのー・・・実はさっきからあの兄弟・・・全然姿が見えないんだけど。」

「(何ぃー!!?)」

で、その問題児の1人、夏樹はというと・・・






校舎裏にいた。

「ハァ・・・やはり、どうも苦手だ・・・同世代の中に溶け込むのは・・・俳優業は仕事だから割り切れるんだが・・・ん?」

夏樹が少し歩くと、そこにはネコと戯れている春樹の姿が・・・

「ウッシャッシャッシャ・・・ハッ!?」

「・・・」

「・・・テメェもサボリか。」

「・・・まぁな。」

「ったく、今更あの輪に入れっかよ。あーあ、ネコは良いよなぁ。言葉が通じなくても癒されるし。オレもネコになりてぇ。」

「現実逃避すんな。」

と、そこにスゥが走った来た。

「コラー!!オマエらちゃんと試合に出ろ!みんな迷惑してんだぞ!!」

「・・・メイド・・・」

「つうか、オマエら次試合だぞ?」

「ゲッ!な、夏とかよ!!余計やりづれぇよ!!」

「年上のクセしてワガママ言ってんじゃねぇ!!」

「るせーな!!大体よー・・・アイツらとどう接すりゃ良いんだよ。ここには別にダチとかもいねぇし。」

「(普通にしてれば良いだろ・・・って言っても、コイツらじゃ分からんだろうな・・・)」

難しい性格の兄弟である。

「(こうなったら仕方ないな・・・)はい!!」

スゥは1枚の紙を取り出した。

そこには、『1日御奉仕券』と描かれている。

「・・・何だそれ?」

「バイト先でポイントためたら貰える御奉仕券だ。試合に出て勝った方にやる。1日こき使ってくれて構わんし、何なら家まで出張してやってやるよ。そ・・・それに希望があるなら・・・してやっても良いんだぞ・・・コスプレ・・・」

スゥは横を向いて言う。

「・・・」

パァン・・・!!

この瞬間、戦部兄弟の中で何かが弾ける音がした・・・






「『さあ、選手が揃ったところで試合開始です!』」

が・・・

戦部兄弟の2人は思いっ切り睨み合っていた・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

「(またケンカしてる~!!)」

「夏・・・テメェにはアイツを好きにはさせねぇ・・・根暗なメガネにこき使わせるのは、流石にかわいそうだからなぁ。」

春樹の考えてるコスプレ、ネコの着ぐるみ。

「何が『好きにはさせん』だ、アイツは男だぞ?だが、あのメイドはオレが先に見つけたんだ、オマエにはやらん!」

夏樹の考えてるコスプレ、巫女服。

「『それでは試合開始!!』」




「おい!サッサとボールよこせ!!」

「(何で味方にまで攻撃的なんだよ!?)」

「単純なヤツめ、動きに無駄が多すぎる・・・5番と8番のマークを固めろ。スリーポイントエリアからは打たせるな。」

「お、おう。」

そんな2人の様子を、麗華達が観戦していた。

「あっ、やってますわ。・・・何だか思ってたよりちゃんとやれてますわね、あの2人。」

「そやな~。」




そして・・・

「『えー、延長50分過ぎても決着つかないので・・・この試合、引き分けにします。なので次の1-Qは不戦勝!』」

グタ~ッ・・・




体育館裏側

「全く・・・たかが行事に粘り過ぎだ!」

「テメェもだろうが、クソッ・・・こっちは先輩なんだぞ?」

戦部兄弟はお互い愚痴りながら歩いている。

しばらく歩いたところで、スゥに出会した。

「・・・あ。」

「よぅ。」

「おいメイド、試合出たぞ。引き分けだったが。」

「どっちの言う事聞いてくれるんだ?」

「・・・オマエら試合中、他のヤツらと普通に楽しめてただろ?もう2人きりじゃなくてさ。オレ、ドラマで共演した日からオマエらとはダチのつもりだからよ。じゃあな~。」

「・・・って、はぐらかすんじゃねぇ!!どっちだっつってんだろうが!!逃げんなー!!」

「わーっ!!」


こうしてスゥは決勝まで30点ノルマを達成し、1-Qは見事優勝したのでした。

次回、温泉旅行で事件発生!?

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