表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/71

FILE60:大変!?スゥの波乱なドラマ撮影!!『6』

ドラマ本番撮影日 初日


「スゥ君、今日は頑張ってね!」

「言われるまでもねぇ!夏樹ー!」

「夏樹君、今日は初日おめでと・・・」

スゥ達は戦部夏樹の楽屋に入る。

するとそこには、大きく『バーカ』と描かれた鏡とうなだれている夏樹の姿が・・・

「わーっ!!!あ・・・あのアホ全然懲りてねぇ-!!」

「ここまでやられると、怒る気も失せる・・・」

「(結局、兄弟の仲は悪いままか・・・)」

「(練習は何とかやれてたみたいですけど・・・大丈夫でしょうか、明日岡君・・・)」




今回のドラマは、刑事同士の恋愛物語。

しかし、途中で思わぬ悲劇に発展していくのだ。

鶴橋英作『戦部夏樹』

「ここがウワサの特命課ですか・・・」

そこに、女刑事である榊原良美が現れる。

榊原好美『明日岡スゥ』

「・・・」

ニコリ・・・

「(・・・メイド・・・なかなかやるじゃないか・・・)」




榊原警部に一目惚れした鶴橋警部補は、榊原のいる特命課に通いつめる。

しかし、榊原には愛人が・・・

榊原の愛人、歌川三郎の家・・・

歌川三郎『戦部春樹』

「・・・」




一方、スゥの楽屋

「オマエら何でオレの楽屋にいるんだよ・・・」

「まぁまぁ。(ワイルドな春樹君が演じる、優男刑事、歌川三郎・・・)」

「(果たして、どんな・・・)」

ドカッ!!

「オレ様への用事たぁ、ご苦労な事だな。」

「(ワイルドのままー!?)」

「ヤダぁ・・・ちょっと何あれ・・・」

「歌川刑事って、榊原警部のヒモでしょ?」

「恋人に自分の心情も伝えられないような、弱い男のハズなのに・・・」

「あれじゃ優男じゃなくて、まるで帝王!!!」

「あー、気分そがれた。スゥ君と夏樹君が出るまで外出てよ。」

「直系だからって最近、調子に乗り過ぎなんだよなぁ春樹。」

「こんなんだから、主役を弟に持ってかれちゃうんだよ。」




「あの大バカヤロー、何考えてんだ!!練習ではちゃんとやってたクセに!!」

「このままじゃドラマメチャクチャだよー!!」

「・・・バカ兄貴。」

スゥの楽屋に、夏樹が入って来る。

「!!夏樹!」

「だから共演なんてイヤだったんだ。アイツは最初から、オレ達とやり合う気なんてなかったんだろうからな・・・」

「許さないですの、春樹ー!!」

麗華と哀は春樹の楽屋へと走って行った。

「おい、オマエら!!」




春樹の楽屋

「春樹が次に着る衣装にビッチリ、謝罪文を刺繍してやりますわ!!針をお持ちなさい!!」

「みっともないマネすんじゃね・・・ん?アイツの台本・・・」

台本には、かなりの書き込みがしてあった。

「こんなに書き込んでるのに、何で評判下げる演技・・・親父の名前継げなくなっちまうぞ・・・」

「!うん、春樹も別に継ぎたくないって。」

「・・・あ?」

「この前、練習場に連れてく時に話したんだけど・・・」




『長男で優遇されるとか、どうでも良いんだよ。大人が勝手に騒いでるだけだしな。オレなんかじゃなくて、夏と変わってやりてぇ・・・アイツの方が親父の名を継ぎたがってたからな・・・』




「そりゃあ、あれだけ態度悪ければ、夏樹君が襲名するんじゃないですの?」

「だよねぇ・・・」

「それだ!!」




榊原警部との縁談までこぎつけた鶴橋警部補だったが、歌川刑事の横槍が入り、榊原警部に愛想尽かしをされてしまう。

「(・・・さて・・・ここでハケて、オレの出番は終了。後は2人で頑張りやがれ・・・)」

ガシッ!!

「もーちょっと、つき合って貰うぜ、春樹!!」

「!?」

「あ、明日岡君!?なぜ、出番のない春樹を・・・!?」

「(・・・メイド・・・?)」

「(何考えてんだ、コイツ・・・?)」

「この人はアタシの間夫です。見ての通り、どうしようもないならず者で、人の気持ちもお構いなしに、好き勝手振る舞う救いようのない男・・・」

クスクス・・・

「(そんな事、言われなくとも知ってる・・・)」

「・・・でもそれは全部、あなたのため。いくら贔屓にされても自ら悪者になれば、あなたの人柄の良さに皆引きつけられる。こうする事でしかこの人は自分の気持ちを伝えられない、弱い男なんです!!」

「(メ・・・メイド・・・歌川じゃなく、兄貴の事を言ってるのか・・・?)」

「・・・おい!テメェ、いい加減に・・・」

「ただ、ちょっとやり方が間違っていただけで・・・言葉でちゃんと言わないと、きっとあなたは気づかないから・・・」

ポロ・・・

「!?」

「な、涙・・・!?」

「・・・おい、今の話が本当ならば・・・今すぐ、その猿芝居を止めろ。」

「・・・」

ザッ!!

「オレには・・・これしか出来なかったんだ。夏・・・」

ザッザッザッ・・・




春樹の楽屋

バッ!!

「ハァ・・・ハァ・・・アホか、オレは・・・雰囲気に呑まれて素で()っちまった・・・つーか、本番中にオレ達の仲取り持とうとか、どういう神経してんだ、アイツ・・・」

『あなたも彼と一緒に過ごしてみれば分かりますわ。』

「・・・変なヤツ。」




そしてその後、春樹はマジメに役を演じるようになり、戦部兄弟共演のドラマは大盛況となった・・・






メイド喫茶

「全くアイツは・・・初日はバカ丸出しだったな。一言、言ってもらわんと分からんだろうが。」

「つーか、一貫して不良を演じ続けてた兄貴もスゲェよな。」

「スゴイというか、バカだな。他にやり方があっただろうに、あのバカ・・・」

「テメーッ言い過ぎだぞ、夏ー!!!」

「店の中でやかましいぞ、バカ兄貴。」

「本当にこの2人、上手くいってるの?」

「顔見て話すようになっただけでも大進歩だろ。(それよりも・・・)」

グイッ!

「おい、茶でも入れろよ。」

「(オレは・・・)」

グイッ!

「おい、コイツは今オレのメイドだぞ。」

バチバチバチバチ・・・

「(何かまたイヤな予感がするのは気のせいだろうか・・・ハァ・・・)」

とりあえず、戦部兄弟の仲は縮まった・・・かな?

次回、スポーツ大会で大白熱!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ