FILE59:大変!?スゥの波乱なドラマ撮影!!『5』
ザァ・・・
「やっと2人揃って捕まえたぞ、戦部兄弟!今日こそ、オレとの練習に出てもらうからな!!」
「吹いてんじゃねぇぞ、コラ。」
ヒュッ!!
「当たるか、そんな蹴りが。」
ヒョイッ!!
「テメェ明日岡、オレとタイマン張るんじゃなかったのかよ!騙しやがったな!!何だその格好は!?オマケに夏まで呼び出しやがって!!」
「・・・強引なやり方したのは謝るよ・・・でもこうでもしねぇと、オマエ達一緒に来てくれそうになかったからな。・・・そういうワケでよ、夏樹!」
ハッ・・・
「オレはメイドの振りしてオマエに近づいたけれど、本当はオレが明日岡スゥなんだよ。」
「フン!言われなくとも、オマエの安い茶番など・・・ちいしょから気づいていた。」
「(今知っただろ、絶対・・・『さ』が反転して『ち』になってんぞ・・・)とにかく、もう逃がさないからな!」
「身の程を弁えろよ、ガキ・・・このオレ様がテメェと・・・ましてや弟となんて、土下座されたってやらねぇからな・・・」
グイッ!
「!?」
「オレは演る。」
「!?夏、テメェ!!」
「このまま逃げれば、コイツが次にどんな手を使うか分からんからな。」
「・・・プライドもクソもねぇのかよ。おめでたいヤツだぜ。」
ザッ・・・
「春樹!オレ達、撮影のスタジオにいるから、逃げずに絶対来いよな!!」
ザッザッザッ・・・
「・・・」
「あんなヤツ放っとけ。行くぞ、メイド。」
スタジオ
「夏樹君だ!戦部家の・・・練習に来てくれるなんて!!」
「やるじゃないの、スゥ!!」
タッ・・・
「夏樹。来てくれてありがとな。」
「!メイド・・・。・・・これまでの奉仕の礼だ。勇気を持って、オレに正体を明かしてくれたからな。(そうでなければ今頃、オレはコイツに告白してたかもしれんし・・・)」
「そ、それでさ、オレがメイドだったって事は、他のヤツらには秘密にしといてくれないかな?店に来た時は、今まで通りにサービスすっからよ!」
「お、男って知った上で頼むかそんなモン!!(全く・・・本当に不思議なヤツだ、コイツは・・・だが・・・周りの人間どころか、オレ達でさえ諦めてた兄弟仲のために、ここまで気にかけてくれたのも、コイツが初めてだ・・・)」
ゲームセンター
「だーっ、クソッ!!ったく何考えてんだ、明日岡のチビめ!夏はともかく、オレ様にまで練習に出ろとか頭が高いんだよ!!大体、何で2人一緒に・・・」
ブィ~・・・
「(まさか、アイツ・・・オレ達兄弟の仲を修復しようとしてんのか・・・?)・・・」
ジャラジャラジャラ・・・
「(ケッ、誰が仲良くするか!大体、今更アイツとの関係なんて元に戻せねぇんだよ!!)」
ザッ・・・
「おい、オマエ。結構金持ってそうだな。」
「少し分けてくれよ。」
「テメェら、誰に話しかけてんだコラ。オレは戦部家の長男だぞ。」
「何だそりゃ?」
「それならオレだって長男だぜ~!」
「テメェらの住んでる次元と一緒にすんじゃねぇ!!」
バキィ!!
「ギャー!!」
「何しやがる、コイツ!」
「うるせぇ!相手してやんぜコラァ!!」
「おい、何の騒ぎだ?」
「?」
「カツアゲしたら殴ってきたよ~!」
「何だと!?威勢の良いヤローだな!!」
ゾロゾロ・・・
「お~お~、バカが団体で来やがった。」
「見たトコ、コイツ1人みたいじゃねぇか!おいテメェ、表に出ろ!仲間の敵討ちだぜ!!」
「やっとバイト終わったわ・・・」
「疲れたで、全く・・・」
「明日岡君の代わりとあらば、いつでも呼んで下さいな。」
「あっ、あそこ!ケンカしてるわよ?」
「物騒ねぇ~。」
「・・・って、春樹君!?」
「ハァハァ・・・」
「チクショー、なかなかしぶといヤツだな。」
「サッサと金出さねぇと、もう1発・・・」
ザッ・・・
「コラそこ!!未成年がこんな時間に彷徨くんじゃありません!」
「ゲッ!?」
「ヤベェ、警察だ!!」
「お巡りさんが・・・」
「逮捕してまうで♪」
「・・・!!」
「な、何だコイツら!!」
「つうか、オマエらも明らかに未成年だろうが!!」
「な・・・何やってんだ、オマエら・・・?気は確かか?」
「それはこっちのセリフよ春樹君!」
「あなたが明日岡君との練習に出ないからこうなるんですのよ!?」
「・・・またかよ・・・明日岡、明日岡って・・・あんなヤツに、何でオマエら手を貸すんだ?」
「・・・それは、あなたも彼と一緒に過ごしてみれば分かりますわ。」
「チクショウ!おい!!このニセポリ公共片づけようぜ!!」
「おう!!」
「フーン・・・」
「あなた達如きが・・・」
「ウチらに・・・」
「勝てるとでも思いまして?」
その後、チンピラ達は篤子達にアッサリと叩きのめされた・・・
春樹は思った。
コイツらを敵に回してはいけないと・・・
スタジオ
「それじゃあ今日はここまで・・・」
「・・・春樹・・・来てくれると思ったんだけどな~・・・」
「オマエ、まだそんな事を・・・アイツがここへ来るハズが・・・」
ガァン!!
「・・・チッ。ンだよ、終わってんじゃねぇか。」
「は、春樹君!?」
「弟どころか、兄も来てくれるなんて・・・」
「今日は一体どうなってるんだ?」
「・・・コイツら・・・人を天然記念物みたいに・・・」
「ホラ夏樹!ちゃんと兄貴も来ただろうが!オレの勝ちだな!」
「オ、オマエと何も勝負した覚えはない!」
・・・こうして、何とかメンバーは揃ったものの、まだギクシャクしたまま本番撮影を迎えるのでした。
次回、いよいよ撮影本番です!!
だが果たして上手くいくのでしょうか・・・?