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FILE56:大変!?スゥの波乱なドラマ撮影!!『2』

「え?スゥ、バイト先で戦部夏樹君と会ったの?」

「ああ。」

「その子よ、今度アタシが共演する予定だった戦部家の子。」

「(昨日メイド喫茶に来てた戦部夏樹ってヤツが、まさか戦部家の俳優だったなんてな・・・そんなに無礼な態度取るようなヤツには見えなかったが・・・ヤな客追い出してくれたし・・・)」

「(ま、今回共演するのは夏樹君だけじゃないけど・・・)でもスゥ、気をつけてね。アタシ、前に一度戦部家の子と共演した事があるんだけど・・・その時も向こうは撮影本番でやっと顔出して、完璧だけど独り善がりな演技・・・当然、演じる子同士のかけ合いが上手くいくハズがないのに、それを全部アタシの技量が足りないとか言って、評判を落とされちゃったのよ・・・」

「・・・心配すんじゃねえよ、姉貴。だったら逆に、今回のドラマを成功させりゃ、もう姉貴に文句は言えねえって事じゃねえか!(そうと決まれば敵情視察といきたいんだが・・・今の調子じゃ確実に門前払いだし・・・でも、クラスメイトに戦部家に詳しいヤツがいるワケが・・・)」






柏大学付属高等学校




「ボク、戦部家の事知ってるよ?」

「本当かよ、朝霧!?」

「うん、元々ボク俳優と探偵両方の勉強するつもりでここに来たし・・・大学行ったら俳優育成の学科に入るつもりだったんだよ。昔子役やってた頃に戦部家と共演した事あるしね。」

「頼む!一緒に戦部家に行ってくれねえか?」

「良いよ?」






そして、戦部邸・・・




「こんにちはー、朝霧哀と、」

「お付きのメイドです♪」

「ん?朝霧家の?・・・とメイド?戦部家(うち)に何の用だ。」

「ここの練習場大きいから、使わせて欲しいなって思いまして・・・」

「フン・・・まぁ朝霧家の人間なら上げても問題ないか・・・良いだろう、入れ。」

「はぁい。・・・ていうかスゥ君、バイトじゃないのに何でメイドの格好を・・・」

「うっさいな、変装だよ変装!!(戦部家め・・・一体どんな家なのか、見せてもらおうじゃねえか!!)」




「練習場は一番奥の部屋だ。汚したりするんじゃないぞ。」

「分かってますよ。」

「その前に、そこのメイド!」

「?」

戦部家(うち)の神聖なる練習場に入る前に、俳優以外の凡人は精神を鍛え直してもらおうか。」

目の前の庭には、滝が・・・

ドドドドド・・・

「だって♪」

「(だってって・・・入んの?あそこに・・・)」




「次はその破廉恥(ハレンチ)な身嗜みを整えて・・・」

「(家ん中にエステってどうなってんだ!!)」




「一切の毛屑を落とさぬよう消毒と・・・」

「(ここまでやるか!!)」




「そして最後に・・・何か危険物を所持してないか、身体検査をさせてもらう。」

バッ!!

「あ・・・え、ちょっと・・・」

さわっ・・・

「耐えられないー!!」

ダーッ!!

「スゥ君!!」




「クソッ!!一々練習場に行くのにやってられっか、こんな事!!」

「戦部家は格式高いからね・・・」

「限度があるわ!!ん?ここが戦部家の練習場か・・・」

グッチャグッチャ~・・・

「な・・・な・・・これのどこが神聖な練習場なんだ・・・?ったく・・・練習する所ぐらい、ちゃんとキレイにしとけっつうの。」

ザッザッ・・・

「おい、メイド。」

ギクーッ!

スゥの背後には夏樹がいた・・・

「い、戦部夏樹!?」

「喫茶店勤務のオマエが、オレの家で何をしてる。後朝霧哀も!」

「お、覚えてたのかよ・・・」

「フン、当然だろう。このオレをあんなやり方で汚しやがって・・・あそこまで激しくされたのは生まれて初めてだ・・・」

「妙な言い方すんじゃねえ!!」

「あ、そういえば・・・」

スゥは夏樹に本を渡す。

「オマエ、それ店に忘れてったから、届けに来たんだよ。(ちょうど良い口実になったな・・・)」

「・・・それだけか?」

「(うっ・・・鋭い!)」

「あのね、スゥ君がドラマやるから、夏樹君家がどんなのか見たいって!」

「わーっ!!」

「スゥ・・・?そういえば、今度ドラマで共演するヤツの名前もスゥとかいったような・・・」

「(ヤバい・・・この格好で、オレが男だなんてバレたら・・・)」

『潜入捜査の名残で男のクセにメイドだと?オマエとんだド変態野郎だな!他の連中にこの事をバラされたくなければ・・・メイド(オマエ)のやり方で、このオレを満足させてみな・・・』

『・・・はい。ご主人様・・・』

「だーっ、違う!!オレはその・・・スゥの家に仕えてるメイドで・・・スゥに頼まれてここに来たんだ!!」

「家でも外でもメイドって・・・どんだけ好きなんだメイド・・・ん?何でこんなにキレイになってるんだ?アイツが部屋同然に使ってたハズだが・・・?」

「(アイツ?)あぁ、オレが片づけといたぜ!」

「チッ、余計な事をしやがって。」

「あ?」

ズイッ!

「大体オマエ、自分の立場が分かってないようだな・・・他所(よそ)の家のメイドが戦部家(うち)の練習場に上がり込んで・・・誰がこんな事しろって頼んだ?」

「あ、あの・・・オレまだドラマの事そんなに詳しくないし・・・メイドがこんな事言う資格ないかもしんないけど・・・こんな散らかった部屋で練習したものを、お客さんに観せたくないじゃん。それにここだって、練習をする場所なんだしさ。・・・ていうか、オマエもドラマ撮影控えてんなら、ちゃんと片づけしとけよな!」

「フン、練習か・・・アイツと共演するドラマなんて、やる気が起きるかよ。」

ムッ!

「それってオレ・・・じゃなくて、スゥの事か?」

「違う。オレの兄貴だ。」

「(兄貴・・・!?共演者コイツだけじゃなかったのかよ!?)」

「どんな人間か、ウチの練習場見たら分かるだろ・・・あんなカス野郎と血が繋がってるってだけで、吐き気がする。」

「・・・でも同じ俳優同士の兄弟なのに、何がそんなに気に食わねえんだ?」

「メイドの分際で差し出がましいぞ、オマエ。とにかくヤツは最低なんだ。こないだも柊美羽の家に変なFAX送ってたしな。」

「あれオマエの兄貴の仕業かよ!!」

「兄貴が今回のドラマに出る以上、オレは練習に出るつもりはない。スゥってヤツにもそう伝えておけ。」

「・・・」






翌日・・・

『刑事ドラマ 配役

鶴橋英作役 戦部夏樹

榊原好美役 明日岡スゥ

歌川三郎役 戦部春樹

「ゲッ・・・何だよこの配役・・・戦部兄弟の板挟みじゃねえか・・・」

「でもスゴいじゃない、この2人って初共演なのよ?きっと注目のドラマになるわね!でも、上手くいくかしら・・・2人共ウチの学校なんだけど、夏樹君、お兄さんが嫌でA(俳優・女優)クラスからW(小説家)クラスに編入したぐらいだから・・・」

「マジかよ!!(ったく・・・兄弟なんだから、仲良くすれば良いのに・・・)」

ザワザワ・・・

「・・・?」

「何だ?」

そこには、戦部春樹と綾小路麗華が睨み合っていた・・・

次回も色々大変です!!

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