FILE53:スゥと篤子の遊園地デート『1』
それは、ある日の正午・・・
「スゥ、お待たせ!」
「イヤ、オレも今さっき着いたところだ。今5分前だがな。」
「お互い時間厳守だもんね。っていうかアタシ達同居してるんだから、待ち合わせする必要なくなかった?」
「たまには良いだろ、たまには。行くぞ、篤子。」
「うん♪」
スゥは篤子の手を引っ張り、歩き出した。
「着いた、ここが篤子の行きたがってた所か。」
「うん、色々アトラクションがあったりショーが見られたりするの。で、今一番行きたいアトラクションがあるんだけど・・・」
「分かった、オマエが行きたい所ならつき合うよ。」
マジックミラーハウス
「あれ、今日は休みみたい・・・」
「そのようだな。ここはどういうアトラクションなんだ?」
「特殊な鏡が設置してあって、映った人が大きく見えたりするの。でも今日は休みか、残念だなぁ。」
「まぁ休みな時もあるさ。じゃ、次行きたい所はどこだ?」
「えっと・・・ショー。」
「分かった、行こう。」
スゥと篤子は、ショーを観覧していた。
「スゥ、カワイイねあの犬!」
「あぁ。だけど一部のお客さんには不評みたいだな・・・」
スゥの言う通り、犬のショーに対してブーイングがとんでいた。
「そんな・・・犬カワイイのに・・・」
ショーは進み、このショーの目玉である空中ブランコが始まった。
「面白かったね、スゥ!」
「あぁ・・・だが、さっきのブーイングは鬱陶しかったな・・・文句があんなら観に来んなよ・・・」
「仕方ないよ。あのショーを観に来るお客さんは大半があの空中ブランコショーが目当てなんだもん。」
「だけどなぁ・・・少しはショーをする人の気持ちも考えろっつうんだ。」
「スゥは優しいね。そんなあなただから、アタシはスゥを好きになったんだよ。」
「あぁ・・・」
「あれ、明日岡君と浜谷君?」
声のした方に2人が向くと、中嶋警部が立っていた。
「中嶋警部!何でここに?」
「イヤ、実はここの遊園地でショーをやっている一団があるだろ?その一団の団長が殺害されたって、さっき通報があってな。丁度近くにいたから、オレと江茉が来たんだ。」
「スゥ・・・」
「あぁ・・・どうやら、オレ達には一時の休息もないみてぇだな・・・」
楽しかったハズの遊園地デートを台無しにするかのように起きた殺人事件。
果たして、スゥと篤子は事件を解決する事ができるのだろうか?