FILE50:探偵・聡との出会い『1』
スゥと篤子は、バイトを終えて帰宅中だった。
「・・・ったく、恥ずかしい・・・」
「イヤなら辞めれば良いじゃない?」
「辞めたら学校に言いふらすだろ、オマエ。」
「うん。」
「即答かよ。まぁ良いか。」
2人が談笑しながら歩いていると、前から男が2人走って来るのが見えた。
「待てコラァ!カバン返せテメェ!!」
どうやら引ったくりのようだ。
スゥは黙ったまま、足を横に出す。
ズッ!
「うぉっ!!」
引ったくりは派手に転倒する。
「テメェ!!」
引ったくりはナイフを取り出すと、スゥに向かって来た。
だがスゥはナイフを簡単にかわす。
ヒュッ!!
「!?」
引ったくりが焦っていると、スゥは引ったくりの体を掴んで投げ飛ばした。
ブンッ!!
ドォン!!
「おぉ、ありがとなボウズ!」
「例には及ばん。」
「聡、どうしたの?あなたが引ったくりに遭うなんて。」
「悪い、考え事しててな。」
「ありがとうございます!アタシは荒川洋子。刑事です。この人は黒沢聡で、探偵をしてます。」
「オレは明日岡スゥ・・・」
「アタシは浜谷篤子です。」
「えっ、明日岡さんですか!?」
「どうした、洋子?」
「だって彼、警視庁捜査秘密課の警視正なんだもの!!」
「『警察の影』と呼ばれるあの課か・・・オレもウワサでしか知らなかったが。」
「スゥ、せっかくだから荒川さん達と話さない?」
「まぁ、ヒマだしな。」
「じゃあ、何か買って来るわ。」
「洋子、ついて行ってやってくれ。」
「うん!」
篤子と洋子は買い物するために走って行った。
「じゃあ、家に案内してくれるか?」
「ああ。」
スゥと聡は、スゥと篤子が住んでいる家に向かう。
だが2人は気づかなかった。
怪しい黒服の男達が、篤子と洋子の後を追うように走って行った事に・・・
次回、事件発生!!