FILE48:可憐なメイド刑事・スゥ!?『2』
「(これも市民の安全と平和を守るため・・・辛くとも頑張る!!)」
「・・・あれ?明日岡君ちゃう?」
「!?」
スゥが振り向くと、そこには笠美達が立っていた。
「・・・待て、オマエら・・・何か勘違いしてるぞ?」
「明日岡君にこんな趣味があったとは・・・」
「ここんトコ事件多かったもんな・・・」
「安心しぃ、クラスメートには黙っとくさかい。」
「だから、違うと言っとろうが・・・」
「潜入捜査?」
「そう!容疑者が通ってる店らしくてな、ここ。だからこうして張り込んでんだよ。篤子も一緒にな。」
「大変なんですね、高校生刑事は。」
「でもわざわざ店員になる必要あるの?」
「色々あるんだよ、事情っつうもんが。ってかなぜオマエらこんな所に来たんだ?」
「好奇心や好奇心!話題作りにもなるしな!」
「せっかくだから何か頼みましょうか。」
「じゃあ、みんなでこの『巨大ラブリーケーキ』っての頼もか!」
「わかった、注文入れて来るわ。」
スゥはキッチンに入った。
「巨大ラブリーケーキ1つ入りました!」
「はいは~い。」
キッチンのシェフは手際良くケーキを作っていく。
程なくして、ケーキは完成した。
スゥはケーキを持って行く。
「巨大ラブリーケーキお待たせしました。じゃ、オレはこれで・・・」
「待ちぃや。ケーキに何か文字描いてぇや。」
「は?」
意味がわかっていないスゥ。
「ここに書いてあんで?『お好きなメイドに文字を描いてもらえます』ってな。」
「ハァ!?」
「さ、早よ描いてぇや。」
「・・・かしこまりました。」
スゥは赤いクリームでハートマークを作り、真ん中に『スゥ』と描いた。
「おおきにな!」
「(テメェら・・・後で覚えてろよ・・・)」
スゥは顔を紅くしながら、キッチンに戻って行く。
すると、客の1人がコップを落として割ってしまった。
「あっ・・・」
「大丈夫ですかご主人様!」
スゥは慌てて雑巾を持って行き、拭き始める。
「すいません、ボクも手伝います!」
「大丈夫ですご主人様。破片がありますから危ないですよ♪」
「あ、はい。」
「明日岡君、完全にメイドやん・・・」
「カワイイな、ああいう明日岡も・・・」
破片を片づけ、持って行くスゥ。
そんな彼を、先程の客が怪しい目で見つめていた・・・
次回、事件発生!?