FILE41:消えたダイヤの謎『2』
「天王州・・・ダイヤモンド?」
「天王州ダイヤモンドっていえば、日本中にチェーン店を持ってる大型宝石店よ。今はもう日本の宝石業界をほぼ独占しちゃってるの。」
篤子が天王州ダイヤモンドについて説明する。
「そう、ここは天王州ダイヤの会長の屋敷よ。」
「で?その天王州ダイヤがどうかしたワケ?」
「知ってるかしら?『聖女の瞳』という宝石を・・・天王州ダイヤが所有する、30カラットものダイヤモンドよ。世界と秘宝とまで言われていてね、少なく見積もっても時価・・・7億円!!」
「な、7億円!?」
スゥ達は驚いた。
「まさか、一葉さん・・・それが盗まれたとか言うんじゃないだろうね・・・」
「イ、イヤ、それが・・・わからないのよ。」
「わからない?」
「無くなった事にはちがいないんだけど・・・それが・・・消えてしまったのよ・・・目の前から、パッとね・・・」
スゥ達は天王州家応接室で、一葉が再生した防犯カメラのビデオテープを観ていた。
ザーッ・・・
ピッ!
『天王州雪麿 天王州ダイヤ社長』
「いよいよ4日後だな、聖女の瞳の一般公開!」
『川窪永介 社長秘書』
「ええ、世界の秘宝と言われるくらいの代物ですからね。新聞やTVでも大評判ですよ。」
『天王州雪吉郎 天王州ダイヤ会長』
「フフ、そうでなくては困る。何せ我が社の華々しい世界進出の第1歩だからな。」
『天王州雪希 社長の1人娘』
「それはそうとおじい様。今でも身につけてらっしゃるんでしょう?」
「な、何をです!?」
「鈍いわねぇ、聖女の瞳よ。」
「え、でも聖女の瞳は、いつも金庫の中に厳重に管理してるんじゃ・・・?」
「それはニセ物ですよ、中嶋さん。」
「2つあるんだよ、聖女の瞳は。1つはガラス玉。そして今、私の内ポケットにあるのが本物だ。つまりガラス玉を金庫にしまってあるのさ、カモフラージュとしてな。そして本物はいつも私が持ち歩いているというワケさ。」
「そのニセ物がよくできてるんだ。2つ並べられたら、簡単に見分けはできんな。」
「だがニセ物は所詮ガラス玉だ。落とせば割れるし、キズもつく。」
「でもズルいわ、おじい様だけ独り占めして。」
「ハハ、よろしいじゃありませんか。」
「そうそう、今日は特別に見せてやるんだからな。よし川窪、部屋のカギを調べてくれ。」
永介はドアや窓を調べた。
「OK、ドアも窓も閉まってます。」
「ウム。」
「おじい様、早くして!」
「フフ、では始めるか。諸君!これが天王州ダイヤの宝、聖女の瞳だ!!」
キラキラキラキラ・・・