表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/71

FILE35:茶道家元毒殺事件『3』

スゥは遊乃の方を向くと、質問を始めた。

「神菜さん、最初にケーキが怪しいと思ったのはあなたですよね?」

「え?ええ。」

「なぜわかったんです?被害者はその時、お茶も一緒に飲んでいたハズですよ?なぜ、ケーキだけが怪しいと思ったんですか?」

「あの時、アリが落ちていたケーキにたかってたんです。そして、その中の何匹かが死んでいたのでそれで・・・ほ、本当です!!それにあのケーキだってもらい物で、家元がご自分で箱から出したんですよ?でも箱には送り状もついていませんでしたし、一体誰からの贈り物だったのか・・・」

「警部、ケーキの送り主についての調べは?」

「ああ、現在調査中なんだが・・・」

中嶋は紙袋から複数の箱を出した。

中身はどれも例のケーキだ。

「見てくれ、このケーキ自体そこいらの店でよく売ってる物なんだ。この通り、殺しに使われたのと同じ物が簡単に手に入ったよ。メーカーにも問い合わせてみたんだがね、製造段階で毒が混入する事なんてありえないって怒られたよ。わかっているのは、この前定例のお茶会が開かれて、その時大勢の客が贈り物をして行ったようなんだが、どうもその中の1人が置いて行ったようなんだ。」

「でも、ケーキは目立つよ。」

「そうなんです、皆さんほとんど和菓子を持って来てらっしゃいましたからね。でも家元は、和菓子よりケーキの方が好きだったんです。」

「周りには内緒にしてありましたけどね。お茶の先生なのにケーキが好きなんて恥ずかしいからって・・・」

「その事を知ってる人は?」

「まぁ、我々3人くらいかな?ちょ、ちょっと待ってください。この3人の中に毒入りのケーキを贈った人物がいるって言うんですか!?」

「残念ながら、そう考えれば辻褄(ツジツマ)が合うんだよ。」

「私と神菜さんはちがいます。一歩間違えれば、死んでたのは私達のどちらかなんですよ!?」

「?」

「私と彼女も一緒にあのケーキを食べたんです!家元に言われてその場で箱を開け、ナイフを入れたんですよ!?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!って事は・・・1つのケーキを3つに分けて食べ、1人は死に2人は無事だった・・・どういう事だ!?そんな都合のいい事があるのか!?」

「でも、注射器を使えば・・・」

「何を言ってるんだ、家元の見てる前でそんな事できるか?」

「イヤ、待てよ・・・?もし仮に、犯人の狙いが家元じゃなかったとしたら・・・?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ