FILE31:疑惑の転校生、桜菜!!
スゥと篤子が登校して来ると、やけに教室内が騒がしかった。
気になったスゥは、近くにいた雅子に聞いてみる。
「青木、何なんだこの騒ぎは?」
「ああ、明日岡君。何でも今日このクラスに転校生が来るんやて。」
「このQクラスに転校生が?」
「ええ。何でも全教科満点のトップな上、飛び級で入って来るそうです。」
葉平も話に加わった。
「何ぃ!?」
葉平のセリフに、スゥと篤子は驚いた。
何しろ、ここのクラスに入るためのテストは超難関であり、満点を取ったのはスゥと篤子の2人だけなのだ。
それなのに、その難関テストを満点合格した上に飛び級で入って来るとは・・・
「一体どんな子だろうね、スゥ?」
「さぁな。」
スゥは口ではそう言いながらも、『まさかな・・・』という顔をしていた。
そして、彼の予感は的中する事になる。
ガラッと扉が開いて、雅が入って来た。
「オマエら、席に着けー!!」
スゥ達は慌ただしく席に着席した。
「ホームルームを始める前に、転校生を紹介する。入って来い!」
「はい!」
再び扉が開くと、金髪の少女が入って来た。
その彼女の姿に、スゥ達4人は思わず『あっ!!』と叫びそうになった。
なぜなら彼女こそ、先日スゥ達が尾行していた笠美のデート相手だったからだ。
「自己紹介してくれ。」
「はい。」
彼女は返事すると、黒板に名前をサラサラと書いた。
成瀬 桜菜
「今日からこのクラスに転校して来ました、成瀬桜菜です。まだ14歳で若輩者ですが、皆さんに追いつけるよう精一杯努力していきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします!」
彼女の自己紹介に、クラスメート達は暖かい拍手を送った。
そんな中、スゥ達5人は彼女を疑惑の眼差しで見つめていた・・・